日本賃貸住宅投資法人(8986)賃貸稼働率No1のリート証券

日本賃貸住宅投資法人 サムネイルREIT

記事の内容

この記事では国内で一般大衆向けの賃貸用物件に投資を行っている日本賃貸住宅投資法人(証券コード8986)について、同法人の事業内容と株式を所有するべきかどうか、メリットとデメリットを踏まえて解説します。

日本賃貸住宅投資法人(8986)の事業内容

株価と配当

まずは気になる株価と配当データを見ていきます。

 

上場来株価の推移

2006年からの上場来株価をグラフにしました。

 

 

2007年の上場来高値を記録した後は下落基調になっています。そこに追い打ちをかけるかのように、リーマンショックや民主党政権化の超円高によって株価が4年ほど低迷している様子が分かります。

上場来株価の平均値を週足終値で算出すると、平均株価は68,485円となります。

 

アベノミクス相場中の株価の推移

 

 

特異的な世界同時株安のあった2008年~2012年の株価を除いて、アベノミクス相場に突入した2012年12月からの株価を見てみます。

この時期の株価は乱高下少なく安定しています。平均株価は80,579円ですので、この金額を目安に投資時期を判断するのが良いかもしれません。

 

配当の推移

 

営業収益(百万円)・純利益(百万円)・配当(円)の推移

 

同法人の配当利回りはおおよそ4%前後を推移しています。

営業収益は増加を続けてきたことが分かりますが、純利益は第9期頃に非常に少なくなっています。これは所有物件の拡大のために資金が大量投入されたためです。

第10期(2010年)から純利益の増加とともに配当も安定してきている様子が分かります。

 

グラフでは上場初期に高配当を実施しているように見えますが、これは第9期( 2010年 )に投資口分割(1:4)がされるまでの配当金額になります。(オレンジ枠内は1/4で換算すると最近の配当に接近します。)

 

個人向け賃貸住宅への投資事業

同法人のメイン事業は、法人名からも分かるとおり賃貸住宅への投資です。つまり住宅に特化したリート証券です。

リート証券ではBtoBビジネス(企業間取引)が多いですが、同法人はBtoC(企業一般消費者間取引)を行っている点が特徴的です。

 

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総資産と所有物件

REIT証券の深堀りをするのに欠かせない総資産と所有物件の増減推移を確認します。

2006年の上場以来、着実に所有物件の増加を伴って総資産が増えていることが下記のグラフからわかります。

これまでに4回の増資を行っておりグラフ中ではマークを付けている箇所になります。

1期と3期の増資後に、一気に所有物件が増加していることが分かります。

16期と19期の増資については所有物件の増加が見られないことから、運用が長期に入ってきた物件の入れ替えに資金を投入したと考えられます。

 

日本賃貸住宅投資法人 総資産と所有物件(1期~24期)
ここ最近では所有物件が横ばいになってきており、投資家からは新しい物件の開拓を期待する声が聞かれるようです。

 

所有物件の内訳

同法人の所有物件ポートフォリオを確認すると、東京都23区を中心に個人向けとファミリー向けの物件を多く所有しています。

 

地域別では東京都23区だけで41%の物件を所有しています。

東京一極集中が話題になっている昨今の時流からすれば、重要があるところに資源を投入するのは当然です。

東京・愛知・大阪の三大都市圏にポートフォリオの42%が分散されています。

いずれにしても関東圏内に多くのポートフォリオが存在していることになります。

 

タイプ別ではワンルーム物件が63%、ファミリー向け物件が37%となっています。

ワンルームの割合が多いのは、上述の地域別で東京都23区に多くの物件を所有しているからだと考えられます。

 

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同法人の所有戸数(部屋の数)は13,000室ほどありますので、ワンルーム8,200室、ファミリー向け4,800室ということになります。

 

稼働率とNOI利回り

すべての不動産投資に言えることですが、借り手がいなければ一切収益は発生しません。

これを稼働率で確認していきます。

 

 

関東や東京23区を中心に200件前後の物件を所有しており、これら全体の稼働率は各期末算出で97~98%と非常に高い水準を維持しています。

営業純利益から空室比率と諸経費を差し引いたNOI利回りは概ね5.5~5.7%を維持しています。

 

NOI利回り

NOI[英語名:Net Operating Income]営業純利益を意味するものです。

不動産投資では1年間の収益性を満室状態で計算することが多いですが、空室状態の部屋からは収益が発生しないため予想利回りと乖離があります。

そこで以下のような計算式でNOI利回りを算出します。

満室時の年間予想家賃収入×(1-空室率)- 1年間の維持管理経費 ÷(不動産価格+諸経費)×100

 

日本賃貸住宅投資法人のメリットとデメリット

ここからは同法人に投資するメリットとデメリットについて説明をしてきます。

 

メリット

ポートフォリオの地理的優位性

同法人の所有物件はそのほとんどがいわゆる駅チカです。

駅に近いという地理的条件は、多くのワンルームマンションの賃貸を求める利用者が提示する条件であり、物件の資産価値が落ちにくいという側面もあります。

 

O-4-073 カレッジスクエア早稲田II

こちらの物件は同法人が所有している戸数が最小の物件です。

カレッジスクエア早稲田II
タイプワンルーム
所在地東京都豊島区高田一丁目10番22号
最寄駅都電荒川線「早稲田」駅から徒歩約4分
用途地域第1種住居地域
敷地面積139.09(㎡)
延床面積395.43(㎡)
構造・階数RC陸屋根7階建
竣工年月日2007年7月20日
取得年月日2007年12月18日
賃貸可能面積297.24(㎡)
賃貸可能戸数14(戸)
取得価格215(百万円)

どの物件も徒歩5分前後になるよう物件が選択されているようです。

 

賃料の上昇

 

こちらのグラフは居住者の入れ替え時に、賃料の変化割合を計算したものです。

ここ最近は新しい居住者とのあいだで賃料の値上げが進んでいることがグラフから分かります。

簡単に言えば、グラフの上昇割合(青い部分)が増加すれば私たち出資者への分配金が増加し、下落割合(黒い領域)が増加してしまうと分配金が減少するということです。

2015年以降は値上げに成功していますので収益性が増加し続けています。

今後は賃料を如何に据置していけるかが重要になるでしょう。

 

デメリット

老朽化

 

同法人では経年劣化してきた所有物件の売却と新築物件の購入で入れ替えを行っています。

しかし、ポートフォリオにある所有物件の62%が10~15年を経過しようとしています。

さらに、15年以上の所有物件は全体の30%ありますので、老朽化問題にどのように対応するかが課題と言えるでしょう。

 

居住者国籍や年齢の不透明

個人向け賃貸住宅の特有として以下のような問題も存在します。

個人向け賃貸住宅の気になるリスク
  • 居住者が外国人(不払いが発生しやすい。不法滞在者が入り込む可能性。近隣住民とのトラブル)
  • 独居老人(孤独死)

おそらく若年層向けに契約をしていると思われますが、どのような属性の人々が入居しているかについては開示されていません。

ただ、過度に心配する必要なないでしょう。

 

総評

同投資法人に対する当サイトの総評は下記のとおりです。

ここ数年の財務諸表の安定性が株価と配当の安定性に繋がっているように思います。

不景気にも強い賃貸住宅への投資を行っているため、ボラティリティ(株価の変動)がそこまで大きくなく初心者の方でも比較的安心して所有していられます。

賃貸住宅は地域ごとにポートフォリオが割り振られるため地政学的リスクの安定性にも寄与します。更に各住居から賃貸料が発生するためアパート1棟で見てもリスクが分散されています。

しかし、少子高齢社会に入っている日本ではいずれ需要のピークアウトを迎えることになりますので、期待度は【3】としました。

バイ・アンド・ホールド4
株価の安定性3.5
配当の安定性4.5
地政学的リスクの安定性4.5
企業の安定性4
期待度3
初心者向き3.5

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