高配当株:JT(2914)-【第四章】日本たばこ産業についての考察:長期保有②

日本たばこ産業(JT)長期投資について その2株式投資

やや控えめのバイ・アンド・ホールドが良い

第三章で説明したとおり、長期保有投資家はJTのフリーキャッシュフロー(以下、CF=キャッシュフロー)の推移を注視しながら投資を行うことが良いでしょう。

活発なM&AでフリーCFの獲得が困難と心配する長期保有投資家もいると思われますが、一方で、一時的な減少であればあまり気にしなくて良いという考え方もできます。

その理由のひとつに、海外M&A実施後の売上げの伸長には必ずタイムラグが存在することが挙げられます。

大規模投資を行えばフリーCFが減ることは不思議ではありません。逆に投資FCが極端に減少し始めた場合には、事業拡大が困難なほど資金繰りに困窮しているのではと疑念が生まれてきます。その面では、今のところJTの海外M&Aは順調であると判断できます。

この記事を書いている、2019年1月18日時点のJTの配当利回りは5.46%と極めて魅力的です。
当然ながら私も保有しているJTですが、一点集中の積極的な大量保有はおすすめしないものの、やや控えめなバイ・アンド・ホールドをおすすめしたいと考えます。

 

今後も続くたばこ規制の包囲網 …でも実の問題は?

第三章で説明したとおり、たばこ増税は連結売上げとそれに伴うキャッシュフローの増加に繋がるため投資家にとっては良いことなのです。

しかし、実のところJTのたばこ事業はWHOが定める『たばこ規制枠組み条約』を反故にしている部分がいくつかあると何年も前から指摘されています。

日本たばこ産業が違反している 『たばこ規制枠組み条約
  • パッケージへの健康被害の記載
  • 受動喫煙防止、屋内完全禁煙
  • 広告活動およびスポンサー活動の禁止

ヨーロッパなどの先進国に比べて、このようなタバコの規制が遅れていることは、日本に住んでいて日常的に感じるところであります。

結果的に日本政府が国際条約を反故していると他国から見られ兼ねない状態になっていますが、もう何年も革新的な改革というのはされていません。

しかし、この流れにも変化の兆しが見え始めています。

特に2020年に東京オリンピックを控えているが、その親組織であるIOCはWHOと『健康的なライフスタイルに関する合意書』を締結してことことご存知でしょうか。

受動喫煙防止を開催国に強く求めており、今後更に喫煙スペースは減少していくことでしょう。

著者がやや控えめの株数でバイ・アンド・ホールドをお薦めする理由は、日本国内での規制強化を危惧しているからではありません。

最大の理由は先進国で進む嫌煙ブームの波は、やがて後進国でもたばこ需要のピークアウトを伴って起こる可能性が非常に高いからです。

環境配慮と健康志向による規制強化、そして経済成長の鈍化による不可分所得の減少によるたばこ需要の減少は、全ての国で再現性があります。

超長期的に見るとJTの未来はあまり明るくないということです。

しかし、第一章で説明したとおり、約20%のコアな需要はどの時代にもどの国にもあると予想できます。

更に、主要たばこ製造メーカーは幾度となく法律と規制の網の目を掻い潜ってきた『掴みどころがない』超営利集団です。

発行株式数の33%を保有する財務省は配当金のマネーマシーンであるJTを長年手放そうとしない現状があります。筆者がJT株を手放すとき、それはこの鳥かごから解き放たれるタイミングです。

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新型加熱式たばこで巻き返しなるか

先進国でのたばこ需要は『葉たばこ』から『低健康リスクたばこ』にじわりじわりと変遷しつつあります。
加熱式たばこの主要マーケットは日本です。
WHOの禁煙および分煙促進目標を大きく乖離し先進国最低ランクの日本はたばこ製造メーカーのユートピアになっているのです。

現在3社が下記の製品を展開しています。(2019年1月)

品名:アイコス(IQOS™)
製造:フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)
推定シェア:500万人以上のユーザー(2018年6月)

iqosイメージ画像

 

品名:グロー(glo™)
製造:ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)
推定シェア:200万台を販売済み(2018年1月)

AHT

品名:プルームテック(Ploomtech™)
製造:日本たばこ産業 JT
推定シェア:400万台を販売済み(2018年7月)

Ploom TECH + カラバリ'
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各社公式サイトやアニュアルレポートを見ても本体販売数がはっきりと出てきません。
ただし、出遅れ感が否めなかったJTがBATを抜き2位となり、PMIに迫る勢いであることは間違いありません。
ブルームバーグに下記の記事があったので抜粋します。

The outlook for next-generation products had become cloudier after Philip Morris International Inc. said in April that it was struggling to persuade older Japanese smokers to switch to its heated-tobacco device, iQOS. Japan Tobacco Inc. estimates that — after two years of rapid growth — tobacco-heating products reached 21 percent of the country’s entire tobacco market in January, but since then its industry share has hit a plateau.

-4月、PMIが(40代以上)高齢層の喫煙家に対してIQOSへの使用切り替え促進に難渋していると発表したことで次世代の喫煙デバイスに暗雲が立ち込み始めた。JTでは過去2年間の急速な加熱式たばこの普及により、1月の全たばこ需要のうち21%が加熱式たばこであったと計算している。
(一部引用:British American Tobacco hit by heated-tobacco slowdown as Japan growth stalls)

海外勢が日本の加熱式たばこマーケットの拡大に頭打ちするなか、JTは今のところ堅調なようです。
私は非喫煙者であるため、デバイスの良し悪しはわかりません。
喫煙者の知人に聞くとプルームテックの利点は『いつでも喫煙を中断できる』ことにあるようです。

新製品の投入によりIQOSのシェアを更に奪えるかバイ・アンド・ホールドしながら続報を待ちたいと思います。

 

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