今回は、日本を代表するメガバンク「三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)」を高配当株として取り上げてみたいと思います。
「銀行株は地味だけど配当が魅力」──そんな声を聞いたことがある方も多いと思います。
実際、MUFGはその代表格。
配当利回り3.6%超、かつ今後も安定した増配が期待できる銘柄だと思います。
この記事では、MUFGの以下の内容について深堀りしていきます。
- なぜMUFGが高配当投資に適しているのか?
- 今後の業績見通し
- 過去数年の売上・利益・配当の推移
- リスク要素や注意点
総合評価
2025年5月の同社の配当利回り、自己資本比率、株価変動率(3期平均)、時価総額、配当性向、PER(3期平均・業界比)を考慮して算定しています。スコアが0のものは算定不可または業種により算定対象外としています。
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MUFGってどんな会社?
MUFGの概要
企業名 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG) |
証券コード | 8306(東証プライム) |
業種 | 銀行業 |
設立年 | 2005年(UFJと三菱東京の経営統合による) |
事業内容 | 銀行、信託、証券、リース、クレジットカード、海外金融サービスなど |
国内シェア | メガバンクグループ最大規模 |
海外展開 | アメリカ、アジア(特に東南アジア)を中心に積極展開 |
財務基盤 | 頑健。自己資本比率・信用格付けともに高水準 |
株主還元 | 累進配当政策を採用し、減配しない方針 |
投資家視点 | 安定した配当と世界的展開による成長期待 |
MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)は、日本最大級の金融グループであり、銀行業を中核としつつも、証券・信託・カード・リース・消費者金融など多様な金融サービスを展開しています。
証券コードは「8306」です。
中核を担うのが「三菱UFJ銀行」
この銀行、実は歴史的には旧三菱銀行、三和銀行、東海銀行、東京銀行などが合併してできたものです。
そして国内にとどまらず、タイ(アユタヤ銀行)やインドネシア(バンクダナモン)といった東南アジアでも積極的に展開しています。
また、米モルガン・スタンレーとも資本提携しており、グローバルな金融機能を持つ、日本を代表する「総合金融グループ」です。
配当利回りは3.6%超!しかも増配傾向
MUFGは、安定的かつ継続的な配当の実施を基本方針としており、業績の向上に応じて配当額を増加させる「累進配当」を採用しています。
具体的には、2020年以降、減配を行わず、配当金を段階的に増加させています。これは、株主への還元を重視する姿勢の表れであり、今後も安定的な配当の維持と増加を目指す方針です。
過去数年の配当の推移を見ても、増配基調が続いており、2025年3月期の配当予想は1株あたり64円(前期比+23円)。これは予想配当利回りで約3.65%に相当します。
配当性向もここ数年30〜40%の範囲で落ち着いており、無理な株主還元をしている様子はありません。
ちなみに2026年3月期の配当予想について、会社四季報でいち早く予想を出しており興味深い内容になっています。
国内株式市場全体で見ても、これだけの利回りを安定して維持している銘柄はそう多くありません。
MUFGの業績推移(売上・利益・配当)をチェック
ここでは、MUFGの直近数年の売上高・純利益・配当金の推移をまとめた表をご覧ください。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 1株益 | 1株配当 | 配当性向 (%) |
---|---|---|---|---|---|---|
2020/03連 | 7,299,078 | 1,235,770 | 528,151 | 40.95 | 25 | 61.1 |
2021/03連 | 6,025,336 | 1,053,610 | 777,018 | 60.49 | 25 | 41.4 |
2022/03連 | 6,075,887 | 1,537,649 | 1,130,840 | 88.45 | 28 | 31.6 |
2023/03連 | 9,281,027 | 1,020,728 | 1,116,496 | 90.73 | 32 | 34.9 |
2024/03連 | 11,890,350 | 2,127,958 | 1,490,781 | 124.65 | 41 | 32.7 |
2025/03連* | 14,000,000 | 2,660,000 | 1,860,000 | 154.1 | 64 | ― |
注目ポイント:
- 売上(経常収益)は2023年以降右肩上がり
- 純利益も2年で1.5倍以上に成長
- 1株利益(EPS)に応じて配当も連動して上昇中
こうした「増収増益+増配」の流れは、安定成長企業の理想形と言えるでしょう。
MUFGの株価水準とバリュエーション
2025年5月時点での株価は1,750円前後。配当利回りは3.6%超と高水準。
指標面では以下のとおりです:
- 予想PER(2025年3月期) … 11.35倍
- 予想PER(2026年3月期) … 10.83倍
- PBR … 約0.99倍
つまり、利益水準から見た割安感があるうえに、資産価値(PBR)でも「ちょうど1倍程度」と、安心感のある価格帯にあります。
とはいえ、過去3期のデータから算出したの平均PERから見ると「割高」という判断もできることは留意が必要です。
※過去3期分の平均PERは会社四季報で確認が可能です。
MUFG株を保有するメリット
- 高い配当利回り(3.6%~)
- 安定的な利益成長&増配
- 国内最大の金融グループという安心感
- アジア展開や資本提携で成長余地あり
- 自己株買いも実施しており、株主重視の姿勢
さらに、株主構成を見ると外国人投資家比率が約33%と高め。グローバル投資家にも評価されている証拠です。
MUFGのリスク要因にも目を向けよう
もちろん、リスクもあります。
- 金融庁の監視強化: 元行員による貸金庫盗難事件で報告命令が出たこともあり、ガバナンス面の強化は課題。
- 金利動向: 銀行業にとって金利は収益の源泉。逆に金利が低下すれば利益が圧迫される可能性も。
- 海外展開のリスク: 東南アジアの経済変動や為替の影響を受ける。
ですが、いずれも業界全体が抱えるリスクであり、MUFGだけが特段リスキーというわけではありません。
MUFGは「長期保有向け」の高配当銘柄!
結論として、MUFGは「安定成長×高配当」の典型例です。
今後も着実な業績成長と増配が期待されるため、長期保有に向いている銘柄といえるでしょう。
特に、以下のような方にはおすすめです:
- 毎年の配当収入でインカムゲインを得たい
- 株式投資にあまり手間をかけたくない
- 長期でじっくり資産を育てたい
「銀行株はもう成長しない」と思っている方こそ、ぜひMUFGの実績を改めて見直してみてください。
まとめ:三菱UFJは、高配当投資の「安心枠」
三菱UFJフィナンシャル・グループは、単なる大企業ではありません。
着実に利益を伸ばし、配当を増やし、株主に還元し続ける「優良インカム銘柄」です。
✔ 3.6%超の配当利回り
✔ 増配基調が続く配当政策
✔ 金融大手ならではの安定感
この3拍子がそろっているMUFGは、配当株ポートフォリオの中核に据えるにふさわしい存在だと思います。
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