CFD(差金決済取引)は、株式や商品、債券など幅広い金融商品をトレードでき、下落相場でも「売り」からエントリーして利益を狙えるメリットが多いトレード方法です。
しかし、CFD取引を始める前に知っておくべきデメリットも存在します。
例えば、「マージンコールが発生する可能性があります」と言われても、初心者でしたら何を意味しているか直ぐに分からないかもしれません。
CFDのデメリットを理解することで、適切なトレード戦略を立てることができます。
関連記事:CFDとは?差金決済取引を理解して投資の幅を広げよう!
CFD取引のデメリット
CFD取引には、いくつかのデメリットがあります。
レバレッジに気をつける必要がある
CFD取引の最大の特徴ともいえる「レバレッジ」は、少ない資金で大きな取引を可能にします。しかし、それは同時に大きなリスクをもたらす可能性があります。
レバレッジの倍率は、CFDブローカーが設定する証拠金維持率、口座残高、そしてポジション評価額によって変動します。
取引口座に十分な資金を確保しておけば、レバレッジを使用せずにトレードできます。
とはいえ、資金力が限られている場合には、レバレッジを気にする必要があります。
関連記事:レバレッジとは?かけ方や変更方法を理解しよう【CFDやFXの疑問を解決】
マージンコールが発生する可能性がある
CFDブローカーが設定する証拠金維持率を下回ると、マージンコールが発生する可能性があります。
このマージンコールは「追証(おいしょう)」とも呼ばれ、証拠金維持率を回復させるために、トレーダーに追加の資金の入金を求める指示です。
これに対応できない場合、強制的にポジションが決済されるリスクがあります。
特に、レバレッジの使いすぎにより、マージンコールの発生リスクは上昇します。
株式投資と違い透明性が低くなる
CFD取引は、ブローカーとの間でのみ取引が交わされます。
つまり、株式投資のように、公開された株式市場での売買ではありません。
そのため、CFDは透明性がやや低い取引手法と言わざるを得ません。
取引の透明性を高くする方法としては、あまり知られていないCFDブローカーではなく、実績がありユーザー数の多いブローカーを使うと良いです。
関連記事:CFDと株式の違いを解説!日本株や米国株を買うならどっちがおすすめ?
コストがやや複雑
多くのCFDブローカーでは「取引手数料」は設定されていません。
しかし、CFD取引では「買値」と「売値」の間にスプレッドと呼ばれる、CFDブローカーの取り分が設定されています。
このスプレッドは、銘柄・時間・流動性によって変動するため計算が難しく、CFDブローカーによっても異なります。
関連記事:CFDのスプレッドとは?パフォーマンスを良くする基礎知識を解説!
CFD取引では、ポジションを翌営業日に持ち越すことで「金利調整額」が発生することがあります。
また、ショートポジション(売り)を保有すると、「権利調整額」などの支払いが課されることもあります。
長期投資に向いていない
CFD取引では、ポジションを保有することで発生するコストがあります。
そのため、一般的には、長期投資に向いている手法とは言えません。
つまり、CFDは短期〜中期のトレード戦略で有効です。
しかし、短期トレードになるほど、激しい値動きを利用して差益を狙う必要がありますので、トレードのリスクは高まります。
CFD取引のデメリットを軽減するには?
CFD取引には確かにデメリットがありますが、その度合いを下げるための方法は存在します。
CFD取引を深く理解する
投資初心者であれば漠然と「CFD取引はリスクが高い」と感じることが多いでしょう。
たしかに、CFDは株式投資などに比べると仕組みが複雑です。しかし、CFD取引だからリスクが高い訳ではありません。
CFD取引の基本的な仕組みを理解し、どのような行動がリスクを上げる要因になるか把握することが重要です。
関連記事:CFDとは?差金決済取引を理解して投資の幅を広げよう!
不要なリスクを避ける
CFD取引のリスク要因の多くは、トレーダーの知識不足や不適切な行動によるものです。
例えば、CFDブローカーが設定する証拠金維持率を把握せず、少ない資金でトレードをするとどうなるでしょうか?
恐らく、そのトレーダーは気付かないうちに高倍率のレバレッジで取引をしていることになるでしょう。
CFD取引ではリスクを取ることが大切なタイミングもありますが、不必要にリスクを上げるべきではありません。
関連記事:CFDのリスクと対処方法【リスクマネジメントを強化せよ】
デモトレードを活用する
CFD取引について理解が進んだら、デモトレードを体験することをおすすめします。
デモトレードでは、自己資金を使わずに仮想資金で実際のトレードを体験できます。
- レバレッジを調整してみる
- 証拠金とポジションによってどのように維持率が変化するか
- ショートポジション(売り)の注文をしてみる
- 証拠金を少なくしてマージンコールやロスカットを体験する
上記のような内容をリスクなく体験できますので、良い練習になるはずです。
私自身も初心者だったころは、IG証券のデモトレードを利用して練習しました。同社のデモトレードは1,000万円分の仮想資金を使えるほか、取引に制限が無いため、十分に練習ができるのでおすすめです。