CFDのロスカットとは?計算方法も徹底解説!

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CFDのロスカットとは?計算方法も徹底解説! CFD
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この記事では、CFD取引におけるロスカットについて詳しく解説をします。

CFD以外にも、FXや株式投資の信用取引でもロスカットが存在しますが、この記事では分かりやすくするためにCFDにフォーカスした内容で説明します。

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CFDにおけるロスカットとは?

ロスカットの定義

ロスカットとは、トレーダーが保有している取引ポジションの損失が一定水準を超えた場合に、CFDブローカーや取引プラットフォームによって自動的にポジションを決済する仕組みです。

通常、CFDブローカーはトレーダー対して証拠金維持率を要求します。その証拠金維持率を割り込んだ場合にロスカットが発生します。

ロスカットになるとどうなる?

ロスカットが発生すると、保有している全てのポジションが自動的に決済されます。

また、マージンコール(追証)が発生する場合は、追加の証拠金を入金するか、ポジションを一部もしくは全部を決済する必要があります。

ロスカットの必要性

ロスカットってなんだか怖いよね〜

ロスカットという言葉には、多くの人がネガティブなイメージを持っていると思われます。

しかし、CFD取引においてロスカットはトレーダーの損失を制限するための安全機能の一つです。

CFD取引では、レバレッジを使用したトレードが可能です。

小さな価格変動で大きな利益を狙える一方で、大きな損失を被る可能性もあります。

そのため、トレーダーの損失が一定水準に達した場合、ロスカットによってポジションが自動的に決済され、それ以上の損失を防ぎます。

関連記事:レバレッジとは?かけ方や変更方法を理解しよう【CFDやFXの疑問を解決】

ロスカットになる流れ

ロスカットが発生する一般的な流れは下記のようなものです。

ロスカットまでの流れ

  1. ポジションを保有する
  2. 予想に反する値動きで含み損が出る
  3. 証拠金維持率が低下する
  4. マージンコール(追証)が発生する
  5. 追証に対応できなければロスカットになる

証拠金維持率が一定の水準まで低下すると、すぐにロスカットになるのではなく、まずはマージンコール(追証)が行われます。

マージンコールはCFDブローカーからトレーダーに対して、追加の証拠金を預託するよう要求する通知です。

トレーダーがマージンコールに対応できない場合には、証拠金維持率がさらに低下し、最終的にロスカットが発生します。

ほろほろ
ほろほろ

CFD取引では証拠金維持率を注意して観察しておく必要があります。

証拠金維持率は主に下記のような要素が複数重なって変動します。

  • 証拠金(口座残高)
  • ポジションの損益の度合い
  • レバレッジ

取引口座の残高がより多く、ポジションの『含み益』がより大きく、レバレッジ倍率がより低いほど、証拠金証拠金は向上します。

反対に、取引口座の残高がより少なく、ポジションの『含み損』がより大きく、レバレッジ倍率がより高いほど、証拠金証拠金は低下します。

ロスカットになる条件

ロスカットになる条件はCFDブローカーや銘柄によって異なります。

主要なCFDブローカーのロスカット条件を調べてみました。

例えば、DMM CFDでは毎営業日の閉場時間後の証拠金維持率が100%を下回るとマージンコール(追証)が発生します。翌営業日までに対応できなければロスカットになります。

また、IG証券では銘柄ごとに証拠金維持率が設定されています。例えば、日本225種株価指数CFDであれば証拠金維持率は10%でした。

IG証券に日本225種株価指数の証拠金維持率
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ロスカットを防ぐためにできること

ロスカットを未然に防ぐためにできることがいくつかあります。

  • ポジションを決済する
  • 指値でストップ注文を入れておく
  • レバレッジ倍率を減らす
  • 証拠金を増やす

ポジションを決済する

ポジションの一部または全部を決済すると、保有しているポジションのサイズが縮小します。

その結果、必要とされる証拠金の額も減少するため、証拠金維持率が向上します。

指値でストップ注文を入れておく

指値は指定した価格で事前に注文を入れておく方法です。

指値注文を使って損切りラインを設定をすることをストップ注文と呼びます。

ロスカットが発生するよりも前に、あらかじめストップ注文を設定しておくことで、ポジションの一部または全部を決済できるため、証拠金維持率のさらなる低下を抑えることができます。

証拠金を増やす

証拠金を増やすことで、証拠金維持率を向上させ、ロスカットのリスクを減らすことができます。

追加の資金をCFDブローカーに預託するか、既存のポジションで利益が出ている場合に一部を利益確定して、その資金を証拠金として追加することが考えられます。

レバレッジ倍率を減らす

レバレッジ倍率が高い場合、小額の証拠金で大きなポジションを持つため、価格変動によって証拠金維持率が急速に低下する可能性があります。

そのため、『証拠金を増やす』や『ポジションを解消する』といった方法でレバレッジ倍率を減らすと証拠金維持率の変動を抑えることができます。

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ロスカットの計算方法とシュミレーション

どのようにロスカットが発生するのか、計算しながらシミュレーションしてみます。

日本225の場合(為替なし)

取引条件

  • 取引銘柄:日本225
  • 現在レート:33,000円
  • ポジション:買い
  • 保有数:10
  • レバレッジ:10倍
  • ロスカットライン:証拠金維持率100%
  • 証拠金:10万円

必要証拠金を計算

必要証拠金=(現在レート)×(レバレッジ倍率)×(保有数)

上記の必要証拠金の計算式に取引条件を当てはめると、

33,000円(現在レート)×10%(レバレッジ10倍)×10(保有数)=33,000円

※本来であれば商品価格の変動が必要証拠金にも影響を与えます。

証拠金維持率(100%)の水準を計算

預託証拠金の残高が33,000円の時に、証拠金維持率が100%になるので、含み損が67,000円を超えるとロスカットが発生します。

100,000円 – 33,000円 = 67,000円

損益計算の方法

(売値 – 買値)× 保有数 = 損益

上記の損益の式に当てはめると、

(売値‐33,000円)×10=-67,000円

まず、両辺を10で割ります。

売値-33,000=-6,700

次に、両辺に33,000円を足します。

売値=-6,700円+33,000円

売値=26,300円

ロスカットライン

これまでの必要証拠金、証拠金維持率、損益から、今回の日本225のトレードでは6,700円値下がり、損益が26,300円になるとロスカットが発生します。

ほろほろ
ほろほろ

今回の例では使いませんでしたが、証拠金維持率と総資産の計算はそれぞれ下記の式で行います。

証拠金維持率 = 総資産 ÷ 必要証拠金 × 100

総資産 = 証拠金残高 + 評価損益 + 未受渡確定損益

ウォール街指数の場合(為替あり)

取引条件

  • 取引銘柄:ウォール街指数
  • 現在レート:30,000ドル
  • ドル円:100円
  • ポジション:売り
  • 保有数:0.1
  • レバレッジ:10倍
  • ロスカットライン:証拠金維持率100%
  • 証拠金:10万円

要証拠金を計算

必要証拠金=(現在レート)×(レバレッジ倍率)×(為替)×(保有数)

上記の必要証拠金の計算式に取引条件を当てはめると、

30,000ドル(現在レート)×10%(レバレッジ10倍)×0.1(保有数)×100円(為替)=30,000円

※本来であれば商品価格と為替レートの変動が必要証拠金にも影響を与えます。

証拠金維持率(100%)の水準を計算

預託証拠金の残高が30,000円の時に、証拠金維持率が100%になるので、含み損が70,000円を超えるとロスカットが発生します。

100,000円 – 30,000円 = 70,000円

損益計算の方法

(売値 – 買値)× 保有数 = 損益

上記の損益の式に当てはめると、

(30,000 ‐ 買値)× 0.1 × 100円 = -70,000円

まず、両辺を0.1で割ります。

(30,000円 – 買値)× 100 = -700,000円

次に、両辺を100で割ります。

(30,000円 ‐ 買値)= -7,000円

さらに、両辺から30,000円を引きます。

-買値 = -7,000円 – 30,000円

買値=37,000円

ロスカットライン

これまでの必要証拠金、証拠金維持率、損益から、今回のウォール街指数のトレードでは7,000円値上がり、損益が37,000円になるとロスカットが発生します。

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ロスカットに関するよくある質問

ロスカットに関するよくある質問を下記に記載します。

Q
ロスカットの基準はどのように設定されているのか?
A

ロスカットの基準はCFDブローカーによって異なります。

通常は証拠金維持率が一定の水準に達するとロスカットが発生します。50%や100%としているCFDブローカーが多いようです。

また、トレードする銘柄ごとにロスカットの基準が定められる場合もあります。

Q
マージンコールとは?
A

証拠金維持率が一定の水準を下回った場合に、CFDブローカーがトレーダーに対して追加の証拠金を入金するか、保有しているポジションの一部または全部を決済するよう要求する通知のことです。

ロスカットが発生する水準より前に、まずはマージンコールを通知するCFDブローカーが多いです。

Q
ロスカットで借金が発生しますか?
A

ロスカットによって借金が発生することはありません。

CFD取引では、証拠金維持率を設けることによって、元本割れする前にロスカット(強制決済)を行います。

初心者の中には、「レバレッジのかけ過ぎでロスカットが発生して借金を抱える」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、それは間違いです。

高いレバレッジを使用すると、わずかな値動きでも証拠金維持率の低下を引き起こし、ロスカットの可能性が高まります。

CFDにはリスクもありますので、仕組みなどをよく理解してトレードをしましょう。

関連記事:CFDとは?差金決済取引を理解して投資の幅を広げよう!

Q
ロスカットが発生したらどうすれば良いですか?
A

ロスカットが発生すると、自動的にポジションが決済されるためトレードが終了します。そのため、ロスカットになっても改めてポジションを保有できるような資金管理が重要です。

Q
ロスカットになると全てのCFD口座のポジションが解消されますか?
A

いいえ。対象になる口座だけポジションが全て解消されます。

CFDブローカーによっては、株式CFD・株価指数CFD・商品CFD・債券CFDなど、カテゴリーごとに口座が分けられています。

それぞれの口座でポジションを保有している状況で、株式CFDの口座でロスカットが発生しても、他の口座のポジションは維持されます。