FD(差金決済契約)とFX(外国為替証拠金取引)は、多くのトレーダーにとって人気のある投資手段です。
しかし、CFDとFXの違いについて説明できる人は少ないかもしれません。
そういえば、CFDとFXって何が違うんだろう?
この記事では、CFDとFXの主な違いについて詳しく解説します。
CFDとFXの相違点や共通点を理解しておくことで、どちらを選ぶかを検討する際の参考になる情報を提供します。
CFDとFXの基本的な違い
CFDとFXには以下のような違いがあります。
取引対象の違い
CFDでは株式、商品、指数、債券、仮想通貨など非常に幅広い金融商品をトレードすることができます。
これにより、CFDトレーダーは多様な市場の動向に応じて、ポジションを取ることができます。
一方で、FXでは外国為替市場における通貨ペアの取引ができます。
主要通貨ペアからマイナー通貨ペアまで、多くの通貨ペアで取引が行われます。
FXトレーダーは世界中の通貨の相対的な価値変動を利用して利益を追求することができます。
取引所の違い
CFDはオーバーザカウンター(OTC)市場で取引されます。
これは、取引がブローカーとの直接取引であり、株式投資のように市場が中央取引所を介さない特徴があります。
CFDブローカーは、独自の取引プラットフォーム上で価格を提示し、トレーダーとの間で契約が成立します。
これにより、CFDトレーダーはブローカーが提供する価格や取引条件に基づいて取引を行います。
一方で、FXは主要な通貨ペアの取引が主に外国為替市場で行われます。
外国為替市場は非中央集権的な市場であり、世界中の金融機関やディーラーが相互に取引を行います。
一般的に、FX取引はインターバンク市場で行われ、価格は複数の参加者から提供されます。
これにより、市場の競争力と流動性が高まり、FXトレーダーは通常、リアルタイムの競争力のある価格で取引を行うことができます。
レバレッジとボラティリティの関係の違い
CFD取引では、トレーダーは比較的小さな証拠金で大きなポジションを持つことができます。
一般的に、CFDブローカーは多様なレバレッジ倍率を提供し、CFDトレーダーは自分のリスク許容度に応じて選択できます。
銘柄によっては、FXよりも大きなレバレッジをかけられるCFDブローカーがあります。
ボラティリティが高い市場では、CFDを活用して小さな価格変動から利益を得ることができます。
一方で、FX市場は一般的に比較的低いボラティリティを持ちますが、高いレバレッジを利用することができます。
最大25倍のレバレッジ倍率としているFXブローカーが多いです。
FXトレーダーは自身のトレード戦略に応じてレバレッジを選択し、小さな価格変動から大きな利益を得ることを狙うことができます。
ただし、CFDもFXも高いレバレッジは損失のリスクも高めることに留意する必要があります。
関連記事:レバレッジとは?かけ方や変更方法を理解しよう【CFDやFXの疑問を解決】
取引時間の違い
CFDの取引時間は、対象となる市場の取引時間に基づいて制約される場合があります。
株式CFDの場合、通常は証券取引所の営業時間内に取引が行われます。商品CFDや指数CFDの場合も、関連する市場の営業時間に制限があります。
ただし、一部のCFDブローカーは特殊なCFD商品を提供し、休日にも取引が可能な場合があります。
一方で、FX市場は通常、週末を除くほぼ24時間取引可能です。
世界中の主要金融センターの市場が時間帯を超えてオープンしており、投資家は自分の都合に合わせて取引時間を選択できます。
この柔軟性により、投資家は異なる地域の市場の時間帯を利用して取引を行うことができます。
金利の違い
CFD取引では商品を翌営業日に持ち越す場合にオーバーナイト金利(金利調整額)が発生し、買いポジションでは支払われ、売りポジションでは受け取られることが一般的です。
ただし、低金利国の売りポジションでも金利調整額を支払う場合があります。
一方、FX取引では指標金利の高低に応じてスワップポイントが発生し、低金利通貨を売って高金利通貨を買う場合にはスワップポイントを受け取り、逆の場合にはスワップポイントを支払うことがあります。
手数料(スプレッド)の違い
CFD取引の手数料は、買値と売値の間の価格差であるスプレッドであることが一般的です。
ただし、CFDブローカーによってスプレッドではなく、取引額に応じた取引手数料を課すこともありますので、ブローカーごとの取引ルールの確認が重要です。
一方で、FX取引では、主なコストはスプレッドのみです。
スプレッドはFXブローカーによって設定され、通常は取引の実行に対する唯一の手数料となります。
一般的に、FXのスプレッドはCFDに比べて相対的に低い傾向があります。
CFDとFXの共通点
CFDとFXの共通点もいくつかあります。
証拠金取引
CFDとFXの両方で、証拠金取引が行われます。
つまり、トレーダーは実際に必要な取引価格よりも低い証拠金を預けることで取引を行うことができます。
これにより、CFDとFXともに、小額の証拠金で大きなポジションを持つことができるレバレッジ効果があります。
売りから取引できる
CFDとFXの両方で、売りポジションから取引を始めることができます。
つまり、トレーダーは価格の下落を予測して売りポジションを開くことができます。
これは、相場の下降トレンドで利益を上げるための重要な手段です。
所得区分と損益通算
CFDとFXの両方で、所得区分は雑所得であり、申告分離課税が適用されます。
税率は所得に関わらず、年間差益の20.315%(所得税 15%+復興特別所得税 0.315%+住民税 5%)となります。
また、損益通算も可能です。トレーダーは利益と損失を相殺して税金を支払うことができます。
CFDとFXどちらが初心者におすすめ?
CFDとFXのどちらが初心者に適しているかは、個々の投資目標、リスク許容度、投資可能時間、興味のある市場などによって異なります。
そのため、簡単にどちらが良いという結論は出せません。
また、どちらか一方ではなく、どちらも正しく使えるようになると投資の幅が広がると思います。
私自身、CFDとFXの両方を長年取引してきましたが、どちらもトレードに関する知識の習得が重要であり、学習量やリスクに関して大きな差は感じませんでした。
それぞれの市場に興味がある場合、例えば株価指数、コモディティ、債券に興味がある場合にはCFDを利用するのが適しているかもしれません。一方で為替に興味がある場合にはFXが自然な選択肢となるでしょう。
CFDのレバレッジは100倍くらいあるからFXよりリスクが大きいと聞きましたが…
時々、SNSでこのような内容を見かけることがあります。確かに、一部のCFDブローカーは銘柄ごとに高い最大レバレッジを設定していることがあります。
ただし、CFDもFXも、取引口座の資金(証拠金)によってレバレッジ倍率を調整することができます。
トレーダーは自身のリスク許容度やトレードスタイルに合わせて適切なレバレッジを選択することが重要です。
関連記事:レバレッジとは?かけ方や変更方法を理解しよう【CFDやFXの疑問を解決】
初心者にとって重要なのは、基本的な知識を学び、リスク管理を徹底することです。
また、CFDブローカーやFX業者は多くの場合、デモ口座を提供しています。
これは実際の取引と同様の環境でトレードを体験することができますので、初心者には特におすすめです。
デモ口座を活用して、どちらの取引方法が自分に向いているかを試してみることをお勧めします。