この記事では、農産物商品である『小麦』をCFDで取引する方法や、小麦に投資する価値を検証します。
小麦は世界中で消費されている農産物です。パンやパスタといった一般的な食材で使用されるため、世界共通の小麦価格が存在します。
小麦の価格は供給量と消費量によってダイナミックに変化するため、小麦に投資するトレーダーも多く存在します。
小麦を取引するには?
小麦はシカゴ・マーカンタイル(CME Group)やフューチャーズ・ユーロピアン(ICE Futures Europe)などの先物を扱う市場で取引されています。
先物取引には限月などの特殊なルールがあるため、一般のトレーダーが小麦を取引するときには、CFD(差金決済取引)が良く使われます。
小麦を扱っているCFDブローカーは限られており、IG証券かGMOクリック証券が選択肢としてあります。
参考記事:【IG証券】口座開設から取引までの手順、メリットやデメリットも分かりやすく解説する
参考記事:GMOクリック証券のCFDの特徴・メリット・手数料など徹底解説!
小麦の投資とは?
小麦の投資を考える際には、以下のようなポイントを抑えることが重要です。
小麦の特徴
小麦は世界中で消費される農産物であり、食品や家畜飼料などの用途があります。
欧米ではパンやパスタ、日本ではラーメンやうどん、そしてインドではナン(チャパティ)などで広く使用されます。
小麦の価格に影響を与えるもの
需要と供給
小麦の価格は需要が供給より大きくなれば上昇し、その逆であれば下落しやすいです。
特に、供給量は生産国の生産能力や在庫量などに影響を受けます。
供給量や需要量は定期的に各国からデータが提供されるため、価格変動を予想する手がかりになります。
季節や天候
供給量に影響を与える要因として、季節や天候があります。
降水量が少なかったり、日照時間が短かったりすると、生産量が減少しますので、小麦の価格が上昇しやすくなります。
地政学
小麦の主要な生産拠点には中国、インド、ロシア、アメリカ、ウクライナなどがあります。
政治的な問題で輸出入が制限されたり、生産ができない状態になると、小麦の価格に大きな影響を与えます。
小麦に投資する価値は?
小麦は世界中で使用される農産物です。流動性が高く、トレードの機会が多くある銘柄です。
最近のトピックとしては、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻により、地政学リスクが発生しました。
ウクライナは小麦の大きな輸出国であったため、需要と供給のバランスが崩れたことで、小麦の価格は一時2008年以来の歴史的な高値になりました。
現在はやや落ち着いてきていますが、高値圏を維持する展開となっています。
供給量に地政学リスクがある一方で、グローバルでは旺盛な消費があるため、そう簡単に小麦の価格が下落するとは考えにくいでしょう。
また、小麦を代表する農産物には、周期的な価格のトレンドがあるとも言われています。
これはコモディティ・スーパーサイクルと呼ばれる現象であり、過去のデータを参考にすると、2023年は上昇局面に入った段階と考えることもできます。
関連記事:コモディティ・スーパーサイクルとは?
コモディティと株式は同じ環境に置かれても、違った値動きを見せることがよくあります。
2023年はFRBの金利政策の影響で株式は軟調ですが、コモディティは値を伸ばすものが多くあります。これは小麦も例外ではありません。
そのため、株式と異なった性格を持つ小麦(コモディティ)をトレードの選択肢に入れておくことは重要です。
将来的な小麦の価格を予想することは簡単ではありませんが、需給関係や地政学を考慮に入れつつトレードを検討する価値はあると思います。
小麦の取引のコツ
小麦の価格は需給関係や地政学に影響を受けます。また、タンカーの輸送量、主要国の備蓄量、為替も価格を左右する要因です。
小麦に関するデータやニュースは、WSJ(有料)やTradingEconomicsで確認できます。
短期トレードならテクニカル分析が有効
先物市場の銘柄は短期取引をするトレーダーが多くいます。短期トレードの場合には、テクニカル分析も有効です。
少しばかり難しい内容もありますが『先物市場のテクニカル分析』という書籍は、これまでのチャートパターンやトレーダーの行動理論について詳しく記載されています。
買うタイミング、売るタイミングを分かりやすく整理できるため、おすすめしたい一冊です。
小麦のCFD取引に関するよくある質問
- Q小麦のCFD取引はどれくらいの資金が必要ですか?
- A
IG証券の場合には1ロット(20単位)あたり約55,000円の証拠金があれば取引できます。
- Q小麦のCFD取引に必要なコストは?
- A
CFDの取引にはスプレッドやファンディングコスト(金利調整額)があります。
- Q小麦のCFD取引でおすすめのブローカーは?
- A
小麦を取引できるCFDブローカーは限られています。
- QそもそもCFDがよく分かりません
- A
CFDは現物資産を保有せずに買値と売値の差額で損益を決定するトレード方法です。詳しくは下記のCFDエントリー記事をご覧下さい。