投資をしていると誰しもこのような悩みがでてくるはず。
- 長期投資のコストがもっと下がれば、パフォーマンスが改善するのに…!
- 海外のインデックスに長期投資しているが、為替の影響が心配だ…!
- 為替ヘッジETFはコストが高すぎて代替案にならない…!
このような悩みを持っている読者は、きっと投資について勉強されてきた方でしょう。
そういったレベルの高い人には、変化球も受け取ってもらえると思い、この記事を書きました。
というのも、この記事はアドバンス的な内容が含まれます。超初心者さんだと記事の意図が理解できないと思いますし、安全圏から逸脱するかも。
それなりに投資に慣れてきた人は、このまま読み進めて頂ければしっかりできるはずです。
では、始めます。
CFD(差金決済取引)は、レバレッジを活用できることから投機的な取引とみなされることがありますが、実際にはさまざまな利用方法があります。
例えば、S&P500のような株価指数(インデックス)への投資を考える際、CFDは(一般的なETFよりも)低コストで、そして為替ヘッジを利かせながら運用できる選択肢の一つとなり得ます。
なぜそのようなことが可能なのか?どうすれば実行できるのか?
そう疑問を抱く読者が多いかもしれませんが、この記事を読んで頂ければ検討する価値があると感じることでしょう。
CFDとは?
CFDを活用して長期投資するには、まずCFDについて理解しておく必要があります。
CFDは「Contract for Difference」の略で、日本語では差金決済取引と呼ばれます。この取引方法では、株価指数、株式、商品、為替レートなどの価格変動を利用して取引を行います。CFD取引の最大の特徴は、取引の際に実際の資産を購入するのではなく、資産の価格変動に基づいて利益や損失を得る点にあります。
この記事では大部分は省略しますので、下記の関連記事からCFDについて学習されると良いと思います。
関連記事:CFDとは?差金決済取引を理解して投資の幅を広げよう!
CFDを活用して為替ヘッジする方法
CFDが為替変動に対処するための方法として、優れていることはあまり知られていません。
CFDはとにかく差益で計算する
CFDは買値と売値の差額(利益か損失)の部分にしか、為替変動の影響がありません。
一方で、ETFや投資信託を使ったインデックスの投資では、保有額全体に為替変動の影響が生じます。
例えば、以下の内容の投資をETFとCFDで実行した場合で比較しましょう。
為替:①購入時1ドル100円 ②売却時1ドル90円
S&P500の価格:❶購入時1,000ドル ❷売却時1,000ドル
日本円で損益を考える場合、ETFに慣れた人なら以下のように考えるでしょう。
日本円での価値:購入時100,000円(①✕❶) 売却時90,000円(②✕❷)
つまり、S&P500の取引価格は同じでも、為替変動の影響で10,000円損失が発生しました。
なぜなら、為替変動が保有価格に対して生じるためですね。
一方で、CFDでは買値と売値の差額で計算します。
買値と売値の差額:❶1,000ドルー❷1,000ドル=0(❸)
CFDの為替変動の計算:0(❸ )✕ 為替変動分=0
よって、S&P500の変動が無かったため、為替変動による損益の影響もありません。
この極端なケースでは、ETFは保有しているだけで為替で1万円の損失、CFDでは為替変動のリスクをゼロにしたと言えます。
仮に、先ほどの例で、CFD取引で10,000円の利益が出ているとすれば、1,000円の為替による損失が発生しますが、ETFに比べると影響は非常に少ないことがお分かり頂けたかと思います。
CFDの保有コストを減らすには?
筆者は「CFDは長期投資に向いているか?」と質問を受けると必ず「NO」と伝えています。
そうすると当記事の内容と相反することになりますが、これには理由があります。
以下の関連記事で記載しているとおり、CFDはトレードする『商品』と『方法』と『ブローカー』によって取引ルールが異なります。
CFDは株式投資のETFや投資信託より遥かに複雑なので、初心者から冒頭の質問を受けると彼らを危険に晒したくないので、「無理なことはするな」という意味で「NO」を突き付けます。
というのも、CFDにはレバレッジを考慮する他に、保有コストを考えて「手数料負け」しないトレードが重要になるから初心者向きではないのです。
特に、保有コストは重要であり、CFDでは以下の調整額が発生します。
- 金利調整差額
- 価格調整額
- 権利調整額
この内の『金利調整差額』は海外商品を原資産価格としてトレードする場合に、2カ国の金利差に応じて、ほぼ毎日発生するコストです。
この金利調整差額は思いのほか、トレードのパフォーマンスを押し下げることもあり、CFDが長期投資として向かない原因になります。
価格調整額はコストではない
CFD取引の多くは、先物市場で取引されている商品を原資産価格としているものが多いです。
つまり、CFD取引においては、先物の期限が近づくにつれて発生する「価格調整額」を理解することが重要です。
これは、期近と期先の価格差を調整するためのもので、実質的なコストではありません。
かなり簡単に説明すると、期近800円で、期先1000円の契約になっている先物商品をトレードすると、ローテーション時に買い方が何もせず200円得ることになります。これを調整するのが価格調整額です。
受け取り側は口座に差額が入金されますが、支払い側はポジションの評価額で調整されることが一般的であり、プラスマイナスゼロにも関わらず「価格調整額は追加コストだ」という誤解に繋がっています。
関連記事:CFDと先物取引の違いとは?特徴や共通点も徹底解説!
CFDで株価指数の長期投資を低コスト&為替ヘッジする条件
ここまでCFDの概要とコストについて理解が進んだことでしょう。
次にコストの原因になる『金利調整差額』をゼロにする方法を紹介します。
これを実現するにはいくつかの条件があります。
- GMOクリック証券CFDを利用する
- 金利調整差額が無料の株価指数を選択する
- 入金額を十分に用意して『レバレッジなし』の状態にする
GMOクリック証券CFDを利用する
GMOクリック証券CFDを利用するメリットに、一部の商品の『金利調整差額』が無料で提供されている点があります。
国内でCFD取引を展開しているブローカーは複数ありますが、このようなサービスを提供しているのは珍しいです。
金利調整差額が無料のCFD商品
GMOクリック証券CFDでは、以下のCFD商品の金利調整差額が無料になっています。
長期ポートフォリオを組む場合には、十分なラインナップです。
CFD銘柄名 | 参照原資産/取引所 |
---|---|
日本225 | 日経225先物/SGX・CME |
米国30 | NYダウ先物/CME |
米国S500 | S&P500先物/CME |
米国NQ100 | E-mini NASDAQ100先物/CME |
米国NQ100ミニ | Micro E-mini NASDAQ100先物/CME |
上海A50 | FTSE中国A50先物/SGX |
香港H | 香港ハンセン先物/HKEX |
イギリス100 | FTSE100先物/ICE |
ユーロ50 | ユーロ・ストックス50先物/EUREX |
ドイツ40 | ドイツDAX先物/EUREX |
フランス40 | CAC40先物/EURONEXT |
これから長期ポートフォリオを組むにあたって、まずはGMOクリック証券CFD公式ページからアカウント作成を済ませておきましょう。
関連記事:GMOクリック証券のCFDの特徴・メリット・手数料など徹底解説!
金利調整差額が無料の株価指数を選択する
口座開設が完了したら、どの株価指数を長期保有するか考えます。
人気なのは、日経平均株価と連動する『日本225』や、米国のS&P500と連動する『米国S500』です。
より分散投資を目指すなら中国・香港・ヨーロッパなども検討して良いでしょう。
入金額を十分に用意して『レバレッジなし』の状態にする
保有する株価指数が決まったら、注文を出すために口座に入金をします。
この時に保有するポジションにレバレッジがかからない状態にするため、余裕を持った金額を入金しておきます。
例えば、米国30(ダウ工業株30種平均に連動)に投資する場合、2024年1月4日のレートは37,000円です。
GMOクリック証券の株価指数CFDは『0.1単位(ミニ)』から取引できるため、10分の1の3,700円の入金でも問題ありません。(※この時のドル円をかけた金額が必要です)
最低必要証拠金
GMOクリック証券の株価指数CFDはレバレッジが10倍まで許容されるため、3,700円のポジションを建てる場合の最低必要証拠金は370円です。この時の証拠金維持率は100%とも言い換えることができます。
GMOクリック証券のCFDは証拠金維持率は100%を下回ると追証が発生し、追加の入金や株価の回復などで100%以上に回復しなければ、翌営業日にロスカットになります。
そのため、保有するポジションに対して、それ以上の入金をしておくと安全です。
今回のケースに当てはめれば3,700円の入金をしておくと、ロスカットのリスクは限りなく少なくなります。
とはいえ、一般的にギリギリの入金額はCFD取引では安全性にかけるため、証拠金維持率が130〜150%程度にしておくと良いかと思います。
関連記事:レバレッジとは?かけ方や変更方法を理解しよう【CFDやFXの疑問を解決】
注文方法
ここまで準備できれば、CFDの注文方法は難しくありません。
- 注文:買(ASK)
- 取引数量:任意(証拠金に対する維持率を考えること!余裕を持つ!)
- スリッページ:0
CFDとETFのコスト比較は?
GMOクリック証券におけるCFD取引の特徴と、低コストインデックスファンドとの比較を分析すると、CFD取引が特にコスト面で優れた選択肢であることが明らかになります。
この比較は、特に長期投資戦略を考えている投資家にとって重要な情報です。
GMOクリック証券におけるCFD取引のコスト
すでに説明したとおりですが、GMOクリック証券のCFD取引の主な費用は取引時のスプレッドに限られます。
このスプレッドは、取引の度に発生するコストで、S&P500の例でいうと、1単位の取引につき33円(0.3スプレッド、または3pips)と非常に低いです。
これは、トランザクションコストが0.01%未満であることを意味します。
関連記事:CFDのスプレッドとは?パフォーマンスを良くする基礎知識を解説!
低コストインデックスファンドとの比較
一方で、低コストインデックスファンドとCFD取引のコストを比較すると、CFDがより低コストであることが分かります。
例えば、「SBI・V・S・S&P500インデックスファンド」の公表信託報酬は0.0938%で、実質コストは年間約322円となります。
これに対し、GMOクリック証券でCFD取引を行った場合、保有コストは発生せず、取引コストも年間で約290円安くなるという結果が得られます。(※CFDとETFの保有額を同じにした場合で計算)
保有金額と保有年数が増えるほど、CFDとETFでのコスト差は大きくなり、ますますCFDのコストメリットが出てきます。
為替ヘッジの効果
さらに、繰り返しになりますが、CFD取引は為替ヘッジの効果も持ち合わせています。
これは、海外の株価指数を取引する際の為替リスクを低減する重要な要素です。
直接外貨で資産を購入する場合と比較して、為替リスクが軽減されるため、より安定した投資戦略を展開することが可能になります。
ここまで読んでみて、CFDを使った株価指数の長期投資にメリットを感じるなら、GMOクリック証券CFDのアカウントを作成してみましょう。
CFD長期投資の考えられるデメリット
以上の説明からすると、条件どおりに実行すれば、CFDのレバレッジを気にせず、為替変動の影響も最小化し、コストもETFや投資信託よりも抑えられる(委託報酬についてはゼロ)という理想的なポートフォリオを組めます。
しかし、数点デメリットがあると思われますので記載しておきます。
世界株式への投資範囲の限定
CFD取引を利用した長期投資のデメリットの一つとして、「オールカントリー」と呼ばれる全世界インデックスが存在しません。
CFD取引で利用できる指数の中で最も包括的なのは「S&P500」ですが、これは主にアメリカ市場に焦点を当てています。
世界中に分散した場合には、このページでも紹介している株価指数CFDをいくつか組み合わせる必要があります。
NISAの対象外
CFD取引はNISA(少額非課税制度)の対象外です。
そのため、CFD取引による長期投資の存在意義は、コスト削減と為替変動の影響を最小化する点に限られます。
というのも、特に、NISAで為替変動の影響を限定的にする方法として『為替ヘッジ商品』を利用する方法もあるのですが、コストが非常に高いです。(2024年1月では米ドルの為替ヘッジは6%程度のコストがかかります)
長期投資においても為替変動の影響が出ると予想される場合には、NISA対象外になりますが、一部のポートフォリオをCFDで組む方法も選択肢の一つでしょう。
まとめ
CFD(差金決済取引)は、レバレッジを効かせた取引が可能で、少ない資金から大きな市場へのアクセスを可能にします。
特にGMOクリック証券のようなプラットフォームでは、低コストで取引が可能で、オーバーナイト金利が発生しないなどのメリットがあります。
加えて、為替ヘッジの効果により、外貨資産の為替リスクを低減することが可能です。
ここまで読んでみて、CFDを使った株価指数の長期投資にメリットを感じるなら、GMOクリック証券CFDのアカウントを作成してみましょう。