この記事では、貴金属の中で最もトレードされている金(以下、ゴールド)をCFD取引する方法や価値を解説します。
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CFDで金(ゴールド)を取引するには?
CFDでゴールドをトレードするなら、知っておくべきポイントがいくつかあります。
必要資金
CFDでのゴールドのトレードは、他の取引方法に比べて少ない資金で可能です。
例えば、IG証券のスポット金(円建て)であれば、0.1ロットからトレードできます。この記事を書いている2023年10月であれば、約1,000円の維持証拠金があれば取引可能です。
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維持証拠金は少なすぎるとロスカットになりやすいため、余裕を持って多めに取引口座に入れておくことをおすすめします。
ゴールドの値動き
ゴールドの値動きは安定しているイメージがありますが、それは違います。
ゴールドは年間に20%以上の値動きが発生することもあります。また、ある程度トレンドが継続されやすい特徴もあります。
短期〜中期のトレードに向いている
CFDは長期投資には向かないトレード手法です。CFDは買値と売値の差額だけで損益を確定できるメリットがありますが、商品CFDの場合にはファンディングコストと呼ばれるコストが発生します。
このファンディングコストは僅かであることが多いため、短期〜中期であればそれほど気にする必要はありません。しかし、数年単位の長期投資ではファンディングコストはパフォーマンスを悪化させる原因になります。
下落トレンドでも利益を狙える
ゴールドの取引方法には投資信託やETFなどもありますが、基本的に『買い』のみのトレード戦略しか選択できません。
ゴールドは短期〜中期のトレンドで上昇と下落を繰り返すため、下落トレンドでは『売り』のポジションを保有できるCFDの本領を発揮できます。
金(ゴールド)の投資タイミング
ゴールドの投資タイミングを考える際には、以下のようなポイントを複合的に判断するようにしましょう。
金利
金利とゴールドは逆の相関性があります。
特に、米国債の長期利回りに影響を受けることがあり、金利の上昇局面ではゴールドは下落しやすいです。
金利が上昇すると低リスクが高い利回りが得られるため、利息が発生しないゴールドの魅力が減ることが原因です。
反対に金利の下降局面では、ゴールドは上昇しやすいとされます。
関連記事:米国債はどこで買える?【投資価値とタイミングを考察】
ドル
米ドルとゴールドの逆相関性も顕著です。
主要通貨に対してドル高となると、コモディティ全体の価格が下落しやすいです。これは多くのコモディティがドル建てで決済されることに起因します。
そのドルはFRBによる金利政策の影響を受けます。政策金利が高く設定されると米ドルは他の主要通貨に対して、価値が高くなりドル高の状態になりやすいです。
マネーサプライ
マネーサプライとは市中に流通するお金の量のことです。
このマネーサプライが増加すると、相対的に現金の価値が低下して、物の価値が増加します。結果的にゴールドの価格が上昇しやすくなります。
経済を回復させるタイミングで政府が金融緩和をすると、マネーサプライが増加しやすいです。
反対にマネーサプライを絞る経済抑制が始まると、現金の価値が増加するためゴールドの価値は下がりやすいです。
地政学
戦争や天変地異などの有事の際には、安全資産の代表格とされるゴールドの需要が急増します。
ゴールドは一般的に広く投資されている商品です。そのため、ゴールドの取引方法は複数あります。
サイクル
コモディティ全般には大きな上昇局面と下落局面が存在します。これは歴史的な傾向でもあり、コモディティ・スーパーサイクルとも言われています。
ゴールドも例外ではなく、株式と比較してコモディティが安く放置されているタイミングは長期投資の観点からも魅力が増します。
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おまけ:ゴールドをCFD以外で取引するには
初心者でしたら無理にCFDでゴールドを取引する必要はありません。
まずは、買いポジションを中心に長期投資から始めるのがおすすめです。
現物を保有する(スポット)
ゴールド金貨やゴールドバー(金塊)を専門店や銀行で購入して、自身で保有する方法があります。
取引の際に高めの手数料が発生しやすく、トレードの際のスピード感はかなり遅いことから長期的な資産運用に向いた方法です。
ゴールドの現物価格は、世界最大のゴールド取引市場であるロンドン証券取引所の価格が国際基準となっています。
ゴールドETFに投資する
株式市場に上場しているゴールドETFは非常に便利です。
ゴールドETFの中で有名なものに、米国の株式市場に上場しているGLD(SPDR® ゴールド・シェア – ステート・ストリート金 ETF)があります。
GLDは日本の株式市場にも上場しており、1326で投資できます。日本円で投資できますが、中身はドル建ての商品ですので為替の影響を受ける点は注意が必要です。
為替の影響を避けたい場合には、1540の純金現物保管型ETFもあります。このETFは先物ETFに該当しないため、コンタンゴと呼ばれる状態での基準価格からの乖離が無いメリットがありますが、手数料や出来高の低さにややデメリットがあると感じます。
このあたりの銘柄はSBI証券で十分に対応できます。