おすすめのインドETFとインド投資の魅力を解説する

この記事に興味を持っていただいた読者は、ポートフォリオの分散化や成長が期待できる新興国への投資に関心があるかと思います。

そういった意味ではインド株は魅力のある投資対象です。

世界に向けて投資をするなら、インド株についての理解は必須になるはず。

とはいえ、このような疑問を持っている読者もいるのではないでしょうか？

こういった疑問を解決するために、この記事では以下の内容で『インド株の投資』の解説をしていきます。

盛りだくさんの内容ですが、インド株に投資するために知っておきたい知識を理解して頂けます。

この記事を書いている人

この記事を書いているIF30の管理人ほろほろ（@investfrom30）は投資歴13年です。

米国株、コモディティ、債券、仮想通貨を中心に長期投資と短期投資を分ける戦略で投資市場に参加しています。現在は約3,700万円を運用しています。

成長余地はあるものの、信用力の低い新興国株はリスクが高いためETFを活用してインドの主要株式に投資をしてきました。

その経験からどういったインド企業があり、どのように投資ができるのか解説していきます。

毎日のようにBloombergやWSJなどの投資の有力紙を平均10〜20記事を確認しており、重要なマーケット情報をツイッターやポストプライムで投稿しています。おかげさまで合わせて約3,000人からフォローされています。

投資初心者から中級者向けの失敗しないための投資ロードマップを作成しました。こちらの記事と合わせて活用下さい。

インド株に投資する価値（インドとはどんな国なのか）

インド株投資の価値を考える前に、インドとはどんな国なのか理解しておきましょう。

インドは日本の約9倍の国土を有しており、IMFの報告によると人口は13億8,000万人と非常に規模の大きい国です。

公用語はヒンディー語、準公用語として英語が使用されています。

ある調査によれば、国民の20%が『意思疎通が可能な英語レベル』を持っているとのことです。約2億人が英語ができるため、グローバル・ビジネスにおいてアドバンテージがある国と言えると思います。

インドの成長の下支えは若い労働人口

インドの成長性を考えるとき人口構成を見ることが重要です。

少し古いデータではありますが、インドの平均年齢は28.5歳、中央値年齢は更に下がって24.9歳となっています。

経済発展が目覚ましく人口が同等の中国と比較しても平均年齢が8歳ほど若いです。

0歳〜14歳の人口割合も比較的高いため、少子高齢化とは無縁と言えます。（中国はいま少子高齢化に歯止めがかからず苦しんでいると言われています）

15歳〜64歳の『生産年齢人口』に対する、65歳以上の『老年人口』の割合を示した老年化指数も17.8と主要国の中で低くなっています。日本は235.9と人類未踏の社会環境に突入しています。

インドの人口構成を見てみると、それだけでもインドの成長性が期待できるのです！

今後のGDP成長率では中国に追いつく

人口の構成比率からインドの成長の力強さが分かったかと思います。更に具体的な数値としてOPEC（石油輸出国機構）がまとめた『世界経済の見通し』の中にあるこちらのグラフに注目しておきたいです。

GDPとは簡単に言えば国の成長力を示す指標です。
その成長率を各リージョンと並べたものです。

OPECの同書によれば2021年以降のインドのGDP成長率は中国を抜き去ると予測されています。

これまで経済成長が目覚ましかった中国一本で投資していた人たちも、インド投資を検討する時期に入っていることは間違いありません。

インド株式市場の仕組みと代表的な指数

個別株にしろ、ETFにしろインド国内のどの証券取引所に上場しているかによって、使用するべき証券口座が変わってきます。（インド投資に必要な証券会社は後ほど紹介します。）

ある程度ざっくりした知識で問題ないので、インド国内の証券取引所について理解をしておくと便利です。

インド国内には3つの証券取引所が存在

インド国内の証券取引所は30ヶ所ほどありますが、私たちが知っておくべき取引所は2つだけです。

ボンベイ証券取引所（BSE）はムンバイにあるインド最大の取引所です。1875年に開設されたアジア最古の証券取引所としても有名です。

ナショナル証券取引所（NSE）はムンバイにあります。インド国立証券取引所と呼ばれることもあるようです。

どちらも日本時間の13時25分から19時まで開場しています。

主要なインド株はこのどちらかで上場していることが多いです。その他の証券取引所だけで上場している企業もありますが、かなりマイナーですので無視して問題なさそうです。

インドの代表的な株価指数

知っておくべきインドの株価指数はご覧のとおりです。

SENSEX30はボンベイ証券取引所（BSE）に上場するインド国内の代表的な企業30社をトラッキングした株価指数です。時価総額加重平均により構成されています。

NIFTY50はナショナル証券取引所に上場している企業の中で時価総額・流動性・浮動株比率より選ばれた主要50社より構成されています。

インド株に効率的に投資できるETFを紹介

いきなりインドの個別株に投資するのは気が引ける人も多いと思います。まずは手軽に投資できるインド関連のETFをご紹介します。

日本国内と海外のETFを活用する

インドETFには日本市場と海外市場のそれぞれに上場しているものがあります。どちらを選ぶかによって投資方法が変わりますので、そちらに関しては次の項目で解説します。

インドETFは人気になっていますから様々な種類のものが上場しています。その中で知っておくべきインドETFはたった3つです。

これら3つのインドETFの内訳や特徴を見ていきましょう。

【1678】インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信

東京証券所に上場しているインドETFです。日本国内では最大の出来高数を有しています。

インドの代表的な株式指数であるNifty株価に連動するETFです。

ETFの構成方法は『浮動株調整済時価総額加重平均方式』となっています。噛み砕くとインドのナショナル証券取引所に上場している銘柄のうち、時価総額・流動性・浮動株比率から選定した50銘柄がピックアップされたETFです。

日本人投資家として最もアプローチしやすいインドETFです。

円建てでインドETFに投資をしたい場合には有力候補になります。

【EPI】（ウィズダムツリー インド株収益ファンド）

ニューヨーク証券取引所に上場しているドル建てのインドETFです。

時価総額だけでなく、インド国内の幅広い企業から『収益性』にも着目して銘柄構成がされています。

2008年からマーケットに存在する古巣のインドETFで投資家からも人気があります。

【EPI】に含まれる銘柄は約480あり、インド国内に幅広く分散した投資をしたい場合に有力候補になります。

セクターの構成はご覧のとおりです。

【INDA】（iShares MSCI インドETF）

ニューヨーク証券取引所に上場しているドル建てのインドETFです。

MSCI（モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル）が算出するインドの株価指数をベンチマークに銘柄が構成されています。

主に大型企業から中型企業を対象にしていて、インド国内に幅広く投資する際に候補になるインドETFです。

【INDA】に含まれる銘柄は101です。

2012年に上場した【INDA】ですが、インドETFの代表的な存在になってきています。

最近では【EPI】よりも出来高が大きいです。

インド株の代表的な銘柄（時価総額トップの常連10社）

ここからはインドの個別株にも挑戦していきたい人向けに、インドを代表する有力企業を見ていきます。2021年10月の時価総額の高い企業から紹介します。

それぞれの企業の特徴をピックアップして記載しています。

IRサイトのURLもリスト化していますので、個別の企業に投資する際には参照してみて下さい。

リライアンス・インダストリーズ

リライアンス財閥の基幹事業を担う企業体です。石油化学を中心にした石油・ガス・バイオ・インフラ・小売などの事業を展開しています。インド国内で最大規模の石油処理施設を有しています。最近ではデジタルサービスや金融サービスなど多岐にわたるビジネス展開をするコングロマリット企業に成長しているようです。

タタ・コンサルタンシー・サービシズ

IT技術によるビジネスソリューションを提供するリーディングカンパニーです。世界に70万人以上の従業員を有するタタ・グループの関係会社。コンサルティング事業を中心にしたアプリ開発やITインフラの構築を主な事業にしています。現在は医療・ハイテク・娯楽・自動車・航空など多岐にわたるコングロマリット企業に成長しているようです。

HDFC銀行

インド中央銀行を母体に民間企業に分離した後に、住宅ローン融資を手掛ける非銀行系企業HDFCの小会社となった銀行です。両社の経験や強みを活かして、インド国内ではBtoB向けの融資、為替、デリバティブ、決済取引などのコーポレートバンキング事業や有価証券の保管業務（カストディアン事業）を広く手掛けています。NY市場にも上場を果たしています。

インフォシス

大規模システム開発を得意にする世界有数のITコンサルティング・ソリューション会社です。インド企業として初めてNASDAQに上場を果たした草分け的な存在としても知られているようです。金融や製造関連で使用されるビジネスアプリケーションの開発に強みを持つとされており、顧客との契約内容の履行を自社で完結している特徴があるようです。日本語のIRサイトも準備されています。

ヒンドゥスタン・ユニリーバ

ユニリーバのインド国内グループ企業です。ユニリーバはイギリスに本社機能があるため、インド発の企業とは言えません。石鹸や洗剤などの日用品の製造販売を手掛けており、インド国内でも時価総額が大きいことから、日用品部門はインド国内でリーディングカンパニーが少ないことがわかります。

ハウジング・ディベロップメント・ファイナンス

1977年に創業。インド国内で最大規模の住宅ローン融資を手掛ける非銀行系の企業です。インド国内の外国人に対する融資の割合が多いようです。投資用の住宅に対する融資が多く行われているようです。HDFC銀行の親企業となります。その他の枝葉の事業としては、一般人向けの保険商品、法人向けのカスタマイズ保険を提供しています。

ICIC銀行

1955年に政府の出資により公的に運用されていたインド工業信用投資公社（Industrial Credit and Investment Corporation of India）が、1994年に組織変更を経て民間企業となったようです。インド国内では2番手の銀行です。主な事業としては預託証券の管理、保険、住宅ローン、オンラインバンキングなどが挙げられます。NY市場にも上場を果たしています。

バジャジ・ファイナンス

Bajaj Finservの金融部門の小会社です。主な事業は中小企業向けの融資、資産管理と資産運用となっているようです。1980年代に自動車ローンを手掛ける非銀行系企業として設立されています。その後に耐久財商品に対するローン事業を展開し、現在に至っています。親会社であるBajaj Finservが約60%の株式を保有しており、実質的なオーナーとなっています。

インド銀行

旧インド帝国銀行であり由緒正しい銀行です。ムンバイ拠点の公的銀行であり、インド国内では最大規模の市中銀行とされています。インド国内の金融市場において銀行資産は約23%、融資額と預かり資金は約25%を占めているようです。インド国内で5番目に多い約25万人の従業員を抱えています。インド国内に24,000以上の支店があり、同社の収益の90%以上が国内事業から発生しています。同社の株式の約50%はインド政府が保有しています。

ウィプロ

カルナータカ州バンガロールに拠点を持つIT企業です。インド国内では2番手となっているようです。IT技術を活用したロボティクスや自動化などの事業を中心にしています。インド国内に20万以上の従業員がいます。1945年に食品製造会社として創業しているようですが、GEからの派生ベンチャーとして1980年代からITを手掛けているようです。インド国内にあるIT企業としては最も古い歴史を持っています。NY市場にも上場しています。

ほろほろ

時価総額の上位には金融系とIT系の企業が集中していることが分かりました。

ちなみに、11位以降の企業には更にIT系がひしめき合っているような状態です。

インド投資の注意点（カントリーリスク）

経済成長や人口構成から見てもインド投資は非常に魅力的です。

一方で、インドという国にまつわるカントリー・リスクも理解して投資するべきなので紹介します。

インドはインフレに弱い国

インドの国民性が理由なのか、インドは食料品や飲料がインフレーションの寄与度に与える影響を大きいとして有名です。

世界的にインフレ圧力が高まる時期になると、インドの消費者物価指数（CPI）が急激に上昇しやすいです。CPIが徐々に増加する分には株価にも好循環を与えますが、インドの場合は一気にグンと上がってすぐ冷めやすい印象です。（アメリカと比較したチャートを載せておきます）

同月比 のCPI 上昇率 4％±2％内にインフレ目標を維持することがインド中央銀行の政策になっています。つまり急激なCPIの上昇によって金融政策の引き締めに繋がりやすい環境と思っておくべきです。

インド株に投資するための方法

この記事を書いている2022年7月現在、日本のメジャーなネット証券では国内から直接インド株に投資するサービスは提供されていません。

そのため、インド株に投資する工夫が必要になります。

そこまで難しくありませんので安心してください。

国内からインド株に投資する場合には、以下の5つの方法が存在します。

聞き慣れない投資方法もあるかもしれませんので、使い分けの方法も含めてそれぞれ説明します。

まずはETFか投資信託

この中で筆者がおすすめするのは、ETF（上場投資信託）になります。

その次にインド関連の投資信託です。

この2つはインド全体や時価総額が上位50などの広範囲な株式をまとめて投資するのに役立ちます。

メジャーなETFはこの記事で解説したので、まずはそちらを利用すれば良いでしょう。

個別株に投資するならADR

個別のインド株に投資したい場合にはADR（米国預託証券）を利用します。

ADRは国内から個別のインド株に投資する際に強力なツールになります。

しかし、ADRには弱点もあります。

インド株のADRは種類が少ない

ADRはインド株の株券をアメリカの銀行が取り扱って始めて、投資家が利用できるものです。

需要がないと判断されたものは利用できません。

とはいえ、人気の個別インド株はADRを利用できることが多いです。

こちらの国内ネット証券から個別のインド株ADRを利用できます。利用できるETFとADRの数を調べてみました。

インド株に投資をしている身としては、ADRが少し物足りない感じはします。

個別インド株に幅広く投資するにはCFD口座が必須

株式ADRでは好みの個別インド株に投資ができない場合もあります。

それを解決するには海外証券会社のCFD口座を開設する方法が有効です。

海外の証券会社なんて難しそう…

そう思うかもしれませんが大丈夫です。

下記のネット証券であれば日本から簡単に口座開設が可能です。

日本語でのサポートも充実しており、世界中で最もCFD取引に利用されている証券会社です。

IG証券の個別株CFDであれば、ほとんどの主要なインド株に投資ができます。

また国内の証券会社では、新しく出てきたインド関連ETFをすぐに利用できない場合があります。

一方でIG証券でしたら、すぐにサービス提供されることが多いです。

メリットとデメリットを解説した記事もあるので、ご興味があればどうぞ。

【IG証券】口座開設から取引までの手順、メリットやデメリットも分かりやすく解説する

IG証券の口座開設や取引の方法を解説するための記事です。 CFDやFXで投資チャンスが圧倒的に広がるIG証券のメリットやデメリットも合わせて、分かりやすく丁寧に解説します。

investfrom30.com

2024.01.20

ETFやADRでは空売りできない

ETFやADRではインド株を空売りすることができませんが、CFDなら『売りポジション』を建てることもできます。

せっかくインド株に投資したけど、ダウントレンドの時にヘッジするにはCFDという投資手法を持っておくことは重要だと思います。

国内の証券会社では限界がある

インドの時価総額上位10社を紹介しましたが、日本のネット証券だけでは投資が困難な銘柄も存在します。

せっかくチャンスが来ているのに、利用しているネット証券では銘柄の取り扱いが無いという状況は非常に残念なケースです。

個別インド株の投資チャンスがいつ巡ってくるか予測は難しいため、世界中の幅広い企業に投資ができる海外口座を準備しておくと良いかと思います。ちなみに口座の維持費なども無料です。

海外口座を開く

海外の証券会社に口座を開くことで、インドの主要な証券取引所に上場している企業に投資することができるようになります。

CFD取引ではなく、通常の株式取引ができることがメリットです。

こちらのサクソバンクでは、特定口座の開設ができるようになってきました。

取引手数料や為替手数料が割高になってしまうことがデメリットではあります。

ご興味があればサクソバンクについてまとめた記事があります。

【投資チャンスを圧倒的に広げる！】サクソバンク証券の評判と開設方法

「サクソバンク証券で株式投資をしたい！」という人向けの解説記事です。サクソバンクなら普通の証券会社では投資できない米国・欧州株（ETF）に投資できるようになります。 口座開設から投資方法まで評判をもとに解説をしていきます。サクソバンクを利用して投資チャンスを広げましょう！

investfrom30.com

2023.08.04

インド株投資のまとめ

以上がインド株に投資するために知っておくべき内容です。

今後もますます成長が見込まれるインドの魅力がお分かり頂けたかと思います。

とはいえ、まだまだ日本からインド株に投資する場合は制約が多いことも事実です。重要なことはどのようなインド株に投資するか考えて、適切な口座を開設して準備をしておくことかと思います。

今後もインド投資に必要な情報をこの記事にアップデートしていきますので、ブックマークしておいて下さいね。