株式投資の暴落時に『やるべきこと』と『やってはいけないこと』を解説する

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株式投資の暴落時に『やるべきこと』と『やってはいけないこと』を解説する 投資
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株式投資をしていると突然に襲ってくる『大暴落』

個人投資家にとっては予兆を知ることは難しく、パニック相場に巻き込まれて不本意な結果に終わることも多いかと思います。

暴落の最中に『やるべき事』と『やってはいけない事』の知識をこの記事に集約します。

※株式市場が全体的に暴落するような相場をイメージして記事を書きました。個別銘柄の暴落時に取るべき行動にも通じる部分はあるかと思いますが、その点はご了承ください。

この記事を書いている人

ほろほろ

この記事を書いているIF30の管理人ほろほろ(@investfrom30)は投資歴13年です。

米国株、コモディティ、債券、仮想通貨を中心に長期投資と短期投資を分ける戦略で投資市場に参加しています。現在は約3,700万円を運用しています。

これまでに米中貿易摩擦、パンデミックを起因する大暴落や、先行き不安による暴落などを複数経験してきました。暴落のたびにそれを利用して、資産を増やすことに成功しています。

毎日のようにBloombergやWSJなどの投資の有力紙を平均10〜20記事を確認しており、重要なマーケット情報をツイッターポストプライムで投稿しています。おかげさまで合わせて約3,000人からフォローされています。

投資初心者から中級者向けの失敗しないための投資ロードマップを作成しました。こちらの記事と合わせて活用下さい。

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株式投資の暴落時にやるべきこと

まずは暴落に巻き込まれた時にやるべきことを考えていきます。

暴落時にやるべきこと

  • 暴落の原因を理解する
  • アセットリスクの見直しを実施する
  • ヘッジのためのショートポジションを少々持つ

暴落の原因を理解する

まずは今回の暴落がどういった理由で発生したのか、ニュースサイトを利用して確認することをおすすめします。

投資関連のニュースサイトとしては、以下のような無料サイトがあります。

暴落時には原因などがヘッドラインに掲載されますので、まずは中立的な立場でなにが起こっているのか理解します。

日本語サイトは英語記事が元になっていることが多いため、掲載までに時間がかかります。

さらに内容が切り抜きになっています。
できれば英語サイトから情報収集することをおすすめします。英語が読めない方はGoogle翻訳を活用しましょう。

一時的か継続的かの判断が重要

次々に更新されるニュースをしっかりフォローして、暴落の原因となっている問題が『一時的』か『継続的』かのヒントを探るようにします。

問題を解決するための手段が存在するのか徐々に分かってくれば、暴落で発生するボラティリティ(値幅)は緩やかになっていくはずです。これは一時的な暴落と言えます。

暴落から何日経っても解決案が出てこない場合はとても注意が必要です。

株式市場というのは『方向性が分からない状態』を非常に嫌う習性があります。

悪いなら悪いでも、それが市場に早く伝わるほうが方向性が示されるため安定化に繋がりやすいです。

暴落の原因が一時的か継続的かによってリスクの見直し方法が変わってきます。

原因の追求とその後の動向の把握は、個人投資家であっても非常に重要です。

ほろほろ
ほろほろ

投資を本格的にやるならBloombergやWSJの記事を毎日チェックすることをおすすめします。そうすると、大暴落はいきなり起こるのではなく前兆があることに気がつけるようになります。

アセットリスクの見直しを実施する

まずはリスクの高いアセット(資産)の洗い出しとポジション整理です。

暴落時には以下のような順番で売られるリスクが高まります。

新興国株・仮想通貨 ・ジャンク債 > 小型株 > 中型株 > 大型株 > 適格社債

全体的な暴落に発展する場合には『信用の少ないアセットがより嫌われる』という原則を理解して、ポジションを整理する必要が出てくることもあるでしょう。

一方で、安全資産とされる以下のようなアセットクラスは資金が流入しやすいです。

日本円(JPY)・米国ドル(USD)・米国長期国債・ゴールド

セクターローテーションで安全セクターに移行する

相場全体の大暴落はセクターローテーションの転換点になりやすいです。

景況感と金利の状況に応じて、セクターごとの投資環境の良し悪しが変わってきます。

こちらがセクターローテーションの関係です。

セクターローテーション(循環図)

こまめにニュースを確認しながら、セクターローテーションの転換時期を考えられるようになると、アセットリスクの見直しができます。

インデックス型のETFを活用する

個別銘柄を中心にポートフォリオを組んでいる場合には、広範な銘柄から構成されるインデックス型のETFに乗り換えることも、アセットリスクの見直しに繋がります。

個人的には全世界の株式市場の60%〜70%を占めている米国株式に包括的に投資ができるVTIの利便性が高いと思います。

VTIの注意点としてはFANG系の銘柄が全体の10〜15%ほどウェイトを占めています。

セクターローテーション時にハイテクがやられやすい環境下では、VTIそのものが下落に巻き込まれる可能性は高いです。

ヘッジのためのショートポジションを少々持つ

信用取引やCFD取引を利用できる環境にいるなら、ショートポジションを持つことで全体のマイナスをカバーすることができます。

個人投資家がやるべきヘッジ(相殺)は全体のポジションの数パーセントで十分です。

一般的に上昇よりも下落のスピードの方が早いと言われていることが理由です。

フルショートポジションは不要

売りから入る投資ストラテジーというのは、実はかなりレベルが高いです。

手数料がかさむことや、逆日歩の問題があるからです。

ショートポジションが大量に溜まった状態では、ポジション解消の動きが一気に加速することで短期間で大きな損失になるケースもあります。

基本的に全体のポートフォリオの数%の資金でヘッジするのが無難だと思います。

信用取引やCFDによるショートポジションはネット証券によって取り扱いが異なりますので、【初心者〜上級者】利用するべきネット証券と始め方を解説をご覧ください。

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株式投資の暴落時にやってはいけないこと

次に暴落時にやってはいけないことを解説します。

最近の株式投資はアルゴリズム化されていると言われています。

移動平均線の下回りなどによって、その付近に設定されている大量の逆指値注文や、AIによる自動注文が連鎖反応を起こすため、暴落時の下落幅が昔より大きくなっています。

大暴落に遭遇しても不要な行動をできるだけ減らし、損失を減らすためのアクションを考えていきましょう。

暴落時にやってはいけないこと

  • オールキャッシュにしてはいけない
  • 底値を狙った投資をしてはいけない
  • 1点集中の投資をしてはいけない
  • 長期投資なら損益額を細かく見る必要はない

オールキャッシュにしてはいけない

個人投資家というのは暴落に非常に敏感です。感情的になりドラスティックな投資行動をしてしまいがちです。

もうダメだ… 全売りしよう…

私も暴落時には一旦すべてのポジションを解消してしまい、オールキャッシュの状態になりたいと考えることもあります。

しかし、全てのポジションを解消してしまうやり方は、よく考えると極端な行動です。

極端にならざるを得ないほど、ポートフォリオがリスクリワードの高い組み方になっていないか、見直すことが重要だと思います。

次に心理的な側面から考えると、個人投資家は『株価が下落すると現金比率が上昇し、株価が上昇すると現金比率が低下する』という習性があります。

言い換えると、『価格の上昇局面において喜んで資金を投入し、価格の下落局面では一目散に資金を引き出す』ということです。

中央銀行からジャブジャブと投資マネーが入ってくる上昇トレンドの金融相場では、有効な投資ストラテジーだと思います。とはいえ、そういった相場は短命です。

間違った投資行動

パニック相場においてこういった行動が目立つことは、すでにデータとして存在しています。

(出典)DALBAR’s 22nd AnnualQuantitative Analysis of Investor Behavior

こちらは米国を代表する株価指数S&P500(赤)と投資信託市場の資産比率(青)を示したグラフです。

お伝えしたとおり、パニック相場による下落局面では投資信託の資金が低下しています。つまり現金比率が上昇することを意味します。

個人投資家が高く買って、安く売る行動をしていることが分かります。

このような個人投資家の行動には一貫性はなく、ただ周りの動きに振り回されているだけと言われています。

ご覧のように暴落時にオールキャッシュにしてしまう行動というのは、しっかりした目的が無ければ不用意な場合があります。

暴落に直面した際には、すべてのポジションをリセットするのではなく、まずはリスクアセットの洗い出しから始めましょう。

底値を狙った投資をしてはいけない

株価の暴落は一部の投資家にとってバーゲンセールとも言えます。

私も暴落時にバリエーションとテクニカルの側面から『売られすぎ』の銘柄を探していますが、投資のタイミングは暴落が落ち着いた後にしています。

暴落時には多くの投資家が含み損を抱えることになります。底打ちをして反発するようなタイミングは、含み損のダメージを少しでも和らげながら損切りしたい投資家が売ってきます。いわゆる『二番底』になる原因はこのあたりにあるはずです。

そのタイミングの売り圧力というのは想像以上に大きいと考えて、投資の判断は慎重にやった方が良いと思います。(私も何度も暴落時に底値を狙って痛い目にあいました)

底値付近の反発を狙いたいという気持ちはよく分かりますが、まずは相場が落ち着きを取り戻しているか確認してからでも遅くはないと思います。

1点集中の投資をしてはいけない

暴落を利用して投資をする場合には、個別株や仮想通貨などリスクリワードの高いアセットに集中するのは危険です。

これは分散効果が少ないために大きなリスクを抱えることになるからです。

さらにローテーションへの対応が難しくなることは重要な視点です

暴落が発生すると大きな投資マネーが流出・流入することになります。

機関投資家や個人投資家のアセットアロケーション(リスク許容度と目的に基づいたポートフォリオの変更)が実施されて、結果として市場全体のセクターローテーションが起こることがあります。

「セクターローテーションによって資金の流入先がどこになるか?」という問題は、個人投資家にとって予想が非常に難しいです。

そのため、暴落時のみならず普段からも 1点集中型のポートフォリオはできるだけ避けるべきだと思います。

長期投資なら損益額を細かく見る必要はない

長期投資を行っている投資家なら、暴落時に損益額を細かく見る必要はありません。

長期投資で重要な視点はある期間における年平均成長率(CAGR)であり、短期的な値動きは重要ではありません。

長期投資をやっているはずなのに、暴落でどれくらいのダメージを受けてしまったか損益額が気になる人は多いかと思います。アセットリスクの見直しだけすれば、週に1回程度の進捗確認で十分なはずです。

暴落時には多くのアセットが下落していることが分かっている中で、わざわざ損益額に注視するのは精神衛生上も良くないのではないでしょうか?

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株価暴落時のアクションプラン まとめ

株式市場が暴落してしまった時に個人投資家が『やるべきこと』と『やってはいけないこと』を解説してきました。

放置プレーで乗り切る方法もありますが、リスクを取りすぎている場合にはポートフォリオの見直しと少々のショートポジションによるヘッジ対応を早い段階でやることが大切です。

あまり感情的にならずに、周りに流されずに、まずは何が起こっているのか理解することから始めることをおすすめしたいと思います。

あとがき

私も含めてほとんどの個人投資家にとってはインデックス型のETFをコツコツ積み立てして投資する方法がパフォーマンスの改善にも繋がりやすいです。

暴落に巻き込まれて大きな不安を感じた人は、検討する価値は十分にあるかと思います。

インデックス型のETFを使った長期投資をするなら、どんな暴落にも耐えうるホールド力を養うために『敗者のゲーム』は一読の価値があります。