カバードコール戦略とは?下落局面ではどうなる?

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カバードコール戦略とは?下落局面ではどうなる? 投資
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最近、SNS界隈ではJEPQやQYLDなど配当利回りが異様に高いETFが話題になることがあります。

そのようなETFはカバードコール戦略と呼ばれる手法で配当率を高めていると説明されていますが、一体どのような戦略なのでしょうか?

この記事では、カバードコール戦略について詳しくまとめてみました。

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カバードコール戦略とは?

カバードコール戦略は、株式などの資産を持ちながら、その資産に対するコールオプションを売る投資方法です。

これにより、株価が上がった時の利益は制限されますが、オプション料を受け取って安定した収入を得ることを目指します。

  1. 原資産の保有:投資家は株式やETFなどの原資産を保有します。
  2. コールオプションの売却:保有する原資産に対して、一定の価格で買う権利(コールオプション)を他の投資家に売却します。
  3. オプションプレミアムの受け取り:コールオプションの売却により、オプションプレミアムを受け取ります。
  4. 株価の動きによる結果
    • 株価がオプションの行使価格を超えない場合:オプションは行使されず、保有資産を維持しながらプレミアムを得ます。
    • 株価がオプションの行使価格を超える場合:オプションが行使され、保有資産を売却することになりますが、プレミアムと売却益を得ます。

この戦略は、株価の上昇による大きな利益を追求するのではなく、安定した収益を目指す投資家に適しています。

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カバードコール戦略のメリットとデメリット

カバードコール戦略には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 安定した収益:オプションプレミアムを定期的に受け取ることで、安定した収益を得ることができます。
  • リスクの軽減:株価の下落時には、オプションプレミアムが損失を一部相殺する効果があります。
  • 市場の横ばい時に有効:株価が大きく動かない市場環境でも、プレミアム収入により収益を確保できます。

定期的に高い分配金を得られることが最大の魅力です。

デメリット

  • 上昇益の限定:株価が大きく上昇した場合でも、オプションの行使価格以上の利益は得られません。
  • 複雑な戦略:オプション取引に関する知識が必要であり、初心者には難易度が高い場合があります。
  • 市場の急激な変動に対応しづらい:市場が急激に変動する場合、戦略が効果的に機能しない可能性があります。

上昇相場ではキャピタルゲインを限定的にしか得れません。基本的に対象となる資産の上昇率未満の値上がりしか期待できません。

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カバードコール戦略を採用するETFの活用

カバードコール戦略を個人で実行するには、オプション取引の知識や経験が必要です。

しかし、カバードコール戦略を採用するETFを利用することで、比較的簡単にこの戦略にアクセスできます。

これらのETFは、原資産の保有とオプションの売却を自動的に行い、投資家にとって手間を省くことができます。

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米国株で投資可能なカバードコール戦略を採用するETF一覧

米国株と日本株のそれぞれの株式市場に上場しているカバードコール戦略ETFを紹介します。

ティッカー名称投資対象主な戦略分配頻度特徴と注意点
JEPI
紹介記事
JPMorgan Equity Premium Income ETF米国大型株(S&P500中心)アクティブ運用+カバードコール月次安定した高配当(約7〜10%)、低ボラティリティ。新NISA対象外。
JEPQ
紹介記事
JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETFナスダック100構成銘柄アクティブ運用+カバードコール月次ハイテク株中心で高利回り(約9〜12%)。JEPIよりボラティリティ高め。
QYLD
紹介記事
Global X Nasdaq 100 Covered Call ETFナスダック100パッシブ運用+カバードコール月次高配当(約11〜13%)だが、株価上昇時のリターンは限定的。
XYLD
紹介記事
Global X S&P 500 Covered Call ETFS&P500パッシブ運用+カバードコール月次JEPIよりもやや高い利回り(約9〜11%)。
DIVOAmplify CWP Enhanced Dividend Income ETF米国大型株(配当重視)アクティブ運用+選択的カバードコール月次約4〜6%の安定配当。株価成長も期待できる。
QYLGGlobal X Nasdaq 100 Covered Call & Growth ETFナスダック10050%カバードコール+50%成長投資月次成長性と配当のバランスを追求。
XYLGGlobal X S&P 500 Covered Call & Growth ETFS&P50050%カバードコール+50%成長投資月次成長性と配当のバランスを追求。
SPYINEOS S&P 500 High Income ETFS&P500アクティブ運用+カバードコール月次高配当と成長性のバランスを目指す。
QQQINEOS Nasdaq 100 High Income ETFナスダック100アクティブ運用+カバードコール月次高配当と成長性のバランスを目指す。
FTHIFirst Trust BuyWrite Income ETF米国大型株パッシブ運用+カバードコール月次約11%の利回り。株価上昇時のリターンは限定的。
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日本国内で投資可能なカバードコール戦略を採用するETF一覧

以下は、日本国内で投資可能なカバードコール戦略を採用するETFの一覧です。

ティッカーETF名称投資対象管理会社信託報酬(税抜)上場日備考
2858グローバルX 日経225 カバード・コール ETF(プレミアム再投資型)日経225Global X Japan0.275%2022/7/27日経平均株価を対象としたカバードコール戦略を採用。プレミアムを再投資。
2865グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETFNASDAQ100Global X Japan0.625%2022/9/30NASDAQ100指数を対象としたカバードコール戦略を採用。
2868グローバルX S&P500・カバード・コール ETFS&P500Global X Japan0.635%2022/11/8S&P500指数を対象としたカバードコール戦略を採用。

これらのETFは、東京証券取引所に上場しており、日本国内の証券会社を通じて投資が可能です。

それぞれのETFは、異なる株価指数を対象としており、投資家のリスク許容度や投資目的に応じて選択することができます。

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下落局面でのカバードコール戦略の影響

損失の軽減効果:株価が下落した場合、オプションプレミアムが損失を一部相殺する効果があります。例えば、株価が10ドル下落し、オプションプレミアムとして2ドルを受け取っていた場合、実質的な損失は8ドルとなります。

損失の限定はされない:プレミアム収入は損失を完全にカバーするものではありません。株価が大幅に下落した場合、プレミアム収入を上回る損失が発生する可能性があります。

下落相場での活用:一部の研究では、カバードコール戦略は下落相場で市場全体よりも損失を抑える効果があるとされています。例えば、2022年のS&P500指数が17%下落した際、カバードコール戦略を採用したBuyWrite指数は11%の下落にとどまりました 。

下落局面でのリスクと注意点

株価が大幅に下落した場合、オプションプレミアムでは損失を補いきれない可能性があります 。

カバードコール戦略が下落局面に強いと言われていても、相場全体が下がる投げ売りのタイミングでは同様に大きな下落を被ることになります。

下落局面での戦略の工夫

カバードコール戦略に加えて、プットオプションを購入することで、下落リスクをさらに軽減することができます 。

現物投資なら信用取引による信用売りや、インバースETFの活用も検討できるでしょう。

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カバードコール戦略に関する『よくある質問』

Q
カバードコール戦略を採用するETFはNISAの対象ですか?
A

一般的に、カバードコール戦略を採用するETFはNISA(少額投資非課税制度)の非対象です。原資産がオプション取引で運用されていること、毎月分配型であることが理由とされています。

関連記事:初心者向け:新NISA制度を解説!


Q
カバードコール戦略はどのような市場環境で効果的ですか?
A

カバードコール戦略は、株式市場が横ばいまたは緩やかに上昇する局面で効果的です。このような市場環境では、オプションプレミアムによる収益を得ながら、株価の変動リスクを抑えることができます。一方で、急激な上昇相場では利益が限定され、急落相場では損失が発生する可能性があります。


Q
カバードコール戦略を採用するETFのリスクは何ですか?
A
  • 価格変動リスク:原資産の株価が大きく変動することで、ETFの価格も変動します。
  • オプション取引リスク:オプション取引に伴うリスクがETFのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • 流動性リスク:市場での取引量が少ない場合、希望する価格で売買できない可能性があります。
  • 為替リスク:外国資産に投資するETFの場合、為替変動が影響を与えることがあります。

Q
カバードコール戦略を採用するETFはどのように選べばよいですか?
A
  • 投資対象:ETFが投資する株価指数やセクターを確認し、自身の投資目的に合致するかを判断
  • 分配金利回り:過去の分配金実績や利回りを確認し、安定した収益が期待できるかを評価
  • 信託報酬:運用コストである信託報酬を確認し、コストパフォーマンスを比較
  • 流動性:市場での取引量や出来高を確認し、売買のしやすさを評価
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まとめ

カバードコール戦略は、安定した収益を目指す投資家にとって有効な手法です。

オプションプレミアムを受け取ることで、株価の上昇による利益を一部放棄する代わりに、安定した収益を得ることができます。

日本国内でも、カバードコール戦略を採用するETFが上場されており、個人投資家でも比較的容易にこの戦略にアクセスできます。

投資を検討する際は、各ETFの特徴やリスクを十分に理解し、自身の投資目的やリスク許容度に合った商品を選択することが重要です。

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