新興国の中でも、さらに発展途上前のフロンティア国に投資するにはどうすれば?
この記事ではブラックロック社が運用するiシェアーズMSCI フロンティア & セレクトEM ETF(ティッカーシンボル:FM)について基本的な情報をまとめています。
新興国ETF『FM』はどこで買える?
FMに投資するには?
FMを取り扱っているネット証券はご覧のとおりです。
FMなどの特殊なETFは流動性の変動によって、一時的にトレードが制限されることがよくあります。
安定した取引をするなら、IG証券のCFDを使った方法があります。
CFDのレバレッジを心配される人もいると思いますが、口座に上記の金額以上の現金を入れておけば、維持証拠金率が100%以上になり、通常の株式同様の取引が可能です。
CFDは値上りで利益を出す『買いポジション』、反対に値下がりで利益を出す『売りポジション』で取引ができますので、トレードの幅が広がります。
新興国ETF『FM』の基本情報
iシェアーズMSCI フロンティア & セレクトEM ETF(以下、FMと表示)は、世界中のフロンティア市場(新興国)を一つのパッケージとして投資するために設計されたETFです。
FMは100社の企業から構成されるMSCI Frontier Markets 100 指数に連動しており、主にアフリカ、中東、南アジア、中央アジア、東南アジアなど新興国と呼ばれる地域の主要企業を含んでいます。
フロンティア市場に投資することで高いリターンを狙うことができます。多くの企業から構成される指数に連動を目指しているため、一部の企業にのみ投資するリスクを回避することができます。
FMを活用することで、フロンティア市場に投資する際のコストを抑えながら効果的な投資を実現します。
FMのポートフォリオ
国(エリア)の割合
国別割合は以下の通りです。
よくある『新興国』にちなんだETFや投資信託では中国の割合が半分近く占めることが多いですが、FMに投資することで、中国以外のかなりコアな新興国(フロンティア)に投資ができるようになります。
- ベトナム:31.72%
- カザフスタン:7.9%
- ルーマニア:7.89%
- フィリピン:6.61%
- モロッコ:6.35%
- ペルー:5.23%
- コロンビア5.01%
- オマーン:4.35%
- エジプト:4.3%
- ナイジェリア:3.94%
- その他:16.7%
※2023年3月31日時点のもので、今後変動する可能性があります。
- クウェート:27.48%
- ベトナム:23.08%
- ナイジェリア:12.92%
- アルゼンチン:10.33%
- バングラデシュ:5.91%
- オマーン:4.63%
- その他:15.65%
セクターの割合
金融セクターが多く含まれているため、各国とアメリカの金利に影響を受けやすいETFと考えられます。
- 金融:39.40%
- 素材:10.98%
- 不動産:10.51%
- 生活必需品:9.54%
- エネルギー:7.63%
- 通信:6.71%
- 資本財・サービス:5.79%
- キャッシュ、デリバティブ等:3.53%
- 公益事業:3.32%
- ヘルスケア:1.76%
- 一般消費財・サービス:0.43%
- 情報技術:0.42%
組入上位10銘柄
会社名 | LGR AIO FAR (%) | セクター |
---|---|---|
JSC KASPI KZ GLOBAL SPONSORED REG | 4.14 | 金融 |
HOA PHAT GROUP | 3.86 | 素材 |
VINHOMES | 3.34 | 不動産 |
COMMERCIAL INTERNATIONAL BANK | 3.05 | 金融 |
SOUTHERN COPPER CORP | 3.05 | 素材 |
VINGROUP | 2.99 | 不動産 |
VIET NAM DAIRY PRODUCTS | 2.68 | 生活必需品 |
CREDICORP LTD | 2.64 | 金融 |
PETROM SA | 2.33 | エネルギー |
BANCA TRANSILVAN SA | 2.32 | 金融 |
- JSC KASPI KZ GLOBAL SPONSORED REG(金融)
- COMMERCIAL INTERNATIONAL BANK(金融)
- HOA PHAT GROUP(素材)
- CREDICORP LTD(金融)
- JOINT STOCK COMPANY NATIONAL GDR(エネルギー)
- VINHOMES(不動産)
- JOINT STOCK COMMERCIAL BANK FOR FO(金融)
- VIET NAM DAIRY PRODUCTS(生活必需品)
- VINGROUP(不動産)
経費率
FMの経費率は年率で0.8%です。
これは数あるETFの中でも安い経費率であると言えます。
特に、フロンティアマーケットという特殊なマーケットを対象に投資できると考えると非常に安いと思われます。
新興国ETF『FM』の投資価値は?
新興国市場は長期的な成長性が高いとされています。
背景として新興国市場がまだまだ未開発であること、若年層の人口が増加中であること、それにより国内需要が拡大していることなどが挙げられます。
まだまだ未開発な国であるため、新興国市場は成長が期待できる分野が多く、多くの海外企業が新規参入を目論んでいます。
若年層の人口が多いことから、モノやサービスの消費が今後も増えることが期待できます。
また、アメリカや日本のような先進国に比べると、新興国市場は相対的に成長率が高いです。
先進国ではコロナ禍で多くの補助金が市中にバラ撒かれ、株高になったこともあり、アフターコロナでは成長余地が多く残っている新興国市場に投資家の注目が集まっています。
そのような複数の新興国市場にETFという形で包括的な投資ができるFMは活用する価値があると思われます。
新興国ETF『FM』に投資するメリットとデメリット
メリット
成長性が高い
新興国市場は経済成長が著しく、消費やインフラ投資、産業の発展などが期待されています。
ポートフォリオの分散効果
新興国市場は、アメリカや日本を代表するような先進国市場とは異なる市場要因やリスクを持っています。
ポートフォリオに新興国市場のETFを加えることで、リスクの分散効果が期待できます。
デメリット
リスクが高い
新興国市場には、政治的・経済的なリスクが多く潜んでいます。
例えば、政府の機能不全、地政学、紛争、その国の信用力といった問題を抱えていることがあり、カントリーリスクが大きいと場合があります。
市場の不透明性
新興国市場は透明性が低く、情報が不十分なことが多いです。投資家としてリーチできる情報は、先進国と比べるとかなり少ないと考えておくべきです。
株式市場が未発達であることもあり、市場の操作や悪質な投資詐欺に遭うリスクがありますので、FMのような信頼性の高いETFを活用することをおすすめします。
為替リスク
新興国市場に投資する場合、現地通貨での取引を行うため為替リスクがあります。新興国の為替は米ドルと米国の金利政策に対して、影響を受けやすいです。
FMはドル建てのETFですので、新興国の通貨の影響をある程度排除することができます。