今回は、株主還元に積極的な「高配当銘柄」としても知られる三菱商事(8058)について深掘りしてご紹介します。
三菱商事といえば、日本を代表する総合商社のひとつ。三井物産、住友商事、伊藤忠商事などと並んで「五大商社」に数えられる大企業です。
とはいえ、投資初心者の方にとっては「三菱商事って何やってる会社?」と思われることもあるかもしれません。
この記事では、以下のポイントを中心に、三菱商事がなぜ高配当投資家にとって魅力的なのかを解説します。
- 三菱商事の基本情報と事業内容
- 安定配当の実績と今後の配当方針
- 業績推移や財務体質
- 今後の注目ポイントとリスク要因
それでは、さっそく見ていきましょう!
総合評価
2025年5月の同社の配当利回り、自己資本比率、株価変動率(3期平均)、時価総額、配当性向、PER(3期平均・業界比)を考慮して算定しています。スコアが0のものは算定不可または業種により算定対象外としています。
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三菱商事(8058)ってどんな会社?
三菱商事は、1950年に設立された三菱グループの中核企業で、日本最大級の総合商社です。
商社と聞くと「モノを輸出入している会社」というイメージがありますが、実際のところはもっと幅広いです。
三菱商事の事業は、資源(石炭・天然ガス・銅など)だけでなく、食品、インフラ、IT、エネルギー、機械、物流など、生活を支えるあらゆる分野にまたがっています。
特に注目されているのが、天然ガスや金属資源といった資源関連の事業。これらは国際市況の影響を受けやすい半面、大きな収益源となるため、好調時は利益を大きく押し上げてくれます。
また、非資源分野の拡大にも力を入れており、コンビニ「ローソン」や、食品卸最大手の「三菱食品」、自動車関連事業、データセンター事業などにも積極投資しています。
高配当の魅力!配当推移と利回りをチェック
次に「高配当」のポイントを見ていきましょう。
三菱商事は、ここ数年で株主還元の姿勢を大きく強化してきました。
実際、配当金は年々増加しており、2025年3月期(予想)にはついに「年間100円」の大台に乗りました。
三菱商事の配当と業績の推移(過去5年)
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 年間配当 |
---|---|---|---|---|
2021年3月期 | 128,845 | 849 | 2,535 | 50 |
2022年3月期 | 172,648 | 7,595 | 12,931 | 50 |
2023年3月期 | 215,719 | 10,922 | 16,806 | 60 |
2024年3月期 | 195,676 | 8,039 | 13,625 | 70 |
2025年3月期 | 186,176 | 8,839 | 9,507 | 100 |
こうして見ると、業績が上下しても配当は着実に増えており、企業として安定した株主還元方針を維持していることがわかります。
会社四季報を見ると、2026年3月期は減収減益を見込んでいるため今後の市況に注意が必要です。(詳細は会社四季報をお求めください)
2025年現在の配当利回りは?
2025年5月初旬時点での株価はおよそ2,640円。
予想配当は年間100円ですので、予想配当利回りは3.78%と計算ができます。
東証プライムの平均(約2%)と比べても高く、非常に魅力的な利回りです。
三菱商事の買い時は?
2025年5月現在、PERの観点から見ると『割安』です。とはいえ、過去数年間はPERが5〜9%で推移していました。
そのため、三菱商事のPERが10%を切るタイミングがあれば、買い時と言えるかもしれません。
財務体質も良好!ROEや自己資本比率をチェック
高配当株を選ぶ上で重要なのは、「その配当がちゃんと支払える体力があるかどうか」です。
三菱商事は、財務面でも健全さを保っています。
- 自己資本比率:約42.5%(2024年12月時点)
- ROE(自己資本利益率):11.3%(2024年3月期実績)
- 有利子負債:約4.9兆円(大きいが総資産に対する割合は健全)
また、営業キャッシュフローも安定してプラスを維持しており、継続的に配当を出す余力が十分にあります。
今後の注目ポイントとリスク
注目ポイント
データセンター投資の拡大:
AI需要の高まりを受け、アメリカに770億円規模のデータセンター投資を行っています。今後の収益源として期待されます。
LNG(液化天然ガス)事業:
エネルギー需要が高まる中、カナダで新たにLNGプロジェクトが開始。これも中長期的に収益貢献が見込まれます。
非資源分野の拡大:
ローソンや食品、インフラなど、景気に左右されにくい分野にも力を入れており、事業の安定性が向上しています。
バークシャー・ハサウェイ:
ウォーレン・バフェットが率いる投資会社による商社株への投資拡大が今後も継続されるか注目されています。
リスク要因
資源価格の変動:
資源価格が大きく下落すると、利益に直結してダメージを受ける可能性があります。
為替リスク・海外事業リスク:
グローバル展開しているため、為替や地政学リスクの影響を受けやすい点には注意が必要です。
まとめ|三菱商事は「配当+安定成長」を狙える注目株!
三菱商事は、日本を代表する総合商社として、資源分野と非資源分野のバランスが取れたビジネスモデルを持っています。
特にここ数年は、株主還元に積極的な姿勢を見せており、年間100円の配当金と3.78%の配当利回りは非常に魅力的です。
また、データセンターや再エネなどの新分野にも果敢に投資しており、将来の成長性にも期待が持てます。
「長期で持ちたい高配当株を探している」
「安定した企業に投資したい」
「将来の年金代わりになるような資産を作りたい」
そんな方には、三菱商事は有力な選択肢のひとつになるでしょう。
以上、今回は高配当銘柄「三菱商事」の魅力を紹介しました。今後もこのような銘柄紹介をしていきますので、よければブックマーク・SNSでのシェアもお願いします!
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