投資信託のメリットを知りたい人
「投資信託を始めようと思います。利用するメリットってなんですか?投資信託は初心者におすすめだと聞きましたが本当ですか?誰か教えてくださいな。」
こういった質問にお答えします。
この記事の内容
- そもそも投資信託(投信)って何?
- 投資信託は少額でも利用できる
- 投資信託は分散効果がある
- 投資信託は専門家に依頼できる
- 投資信託は手数料が安い
- 投資信託は資産保護ができる
投資信託(投信)のメリットを解説
投資の初心者が有効利用できる投資信託のメリットをまとめてみました。
投資信託のメリットを理解することで、より安全にリスクを減らした資産運用ができるようになるはずです。
そもそも投資信託(投信)とは?
投資信託とは、投資家と「販売会社」「運用会社(投資信託会社)」「受託会社(受託銀行)」の3つの会社がチームになって資産運用をする金融商品です。
それぞれの会社の役割
販売会社は投資家に対して投資信託の紹介や販売を行います。
運用会社は投資信託を作成して、受託会社に運用を指示します。
受託会社は投資家の資金管理と、実際に投資を行います。
このように投資家は好きな投資信託を選んで申込金を支払えば、後は基本的に何もする必要がありません。
投資信託は運用会社に属するファンドマネージャー(投資の専門家)が、ベストパフォーマンスを目指して資産運用をしてくれる便利な金融商品です。
投資信託の基礎
投資信託の基礎や利益の仕組みを知りたい方は「投資信託(投信)とは? 基本的な仕組みを解説」の記事をご覧下さい。
メリット①:投資信託は専門家に依頼できる
投資信託の最大のメリットは投資の専門家であるファンドマネージャーに資産運用を任せることができる点です。
極端かもしれませんが、投資信託なら急に資産運用を始めても問題ありません。
投資の知識も経験も豊富なファンドマネージャーが、あなたに代わってフルコミットしてくれます。
こちらの図のように投資家は資金だけ支払えば、他にすることはありません。
非常に受動的な投資に見えますが、実はファンドマネージャーが積極的に資産運用をしているのが投資信託です。
初心者は失敗しやすい
初心者が投資の勉強をすることなく、いきなり投資を始めても不必要な取引を繰り返ししてしまうことで「投資の失敗」を招きやすいということは、投資行動学の観点からも証明されています。
とはいえ、勉強ばかりしていても資産運用の最大の味方である時間を無駄に消耗してしまいます。
初心者の間は投資の勉強も兼ねて、積極的に投資信託を利用するべきです。
失敗の原因とは?
初心者が陥りやすい「投資の失敗の特徴」を投資で失敗する人の特徴|初心者が気を付けたいこと6選にまとめています。
これから資産運用を始める方にはおすすめの記事です。
メリット②:投資信託は分散投資できる
一般的に投資信託は複数の金融商品に別けてポートフォリオを組みます。
株式・ETF・REIT・債券などに分散されているイメージです。
その割合は投資信託によって異なります。
よく分散されている投資信託を購入することで3つの効果が期待できます。
投資先の破産リスクを軽減
信用リスクとも言われるものでして、投資対象がどれくらい安定して事業を継続できるかという尺度です。
例えば、資金を日本株Aに100%すべて投資している状態で、日本株Aを発行する企業が破産すると全てのお金を失うことになります。
一方で、日本株Aに25%、日本株B、外国株C、債券Dもそれぞれ25%ずつ投資していれば資金の75%は手元に残ります。
これが信用リスクを減らすということです。
価格変動のリスクを軽減
積立投資が可能な投資信託を利用すると、毎月一定額で継続投資が可能になります。
同じ金融商品を一定間隔で購入することを「ドルコスト平均法」と言いまして、継続期間が長いほど取得単価が平準化していくことから、評価損益の価格変動が安定していくとされています。
このように高値・安値に関わらず積立投資をすることで平均取得単価が損益分岐点となり、この分岐点がその投資商品の本来のパフォーマンスに少しずつ近づいていきます。
評価損がどうしても気になるという性格の人は、積立投資が可能な投資信託がベストチョイスになる可能性があります。
ドルコスト平均法を利用すれば必ずプラス評価を維持できる訳でもないため、過信し過ぎてはいけません。
地政学的なリスクを軽減
投資信託の中には海外の金融商品を対象にしているものもあります。
そういった投資信託は地政学的リスク(カントリーリスク)を軽減できる可能性があります。
地政学的リスクとは?
簡単に言いますと、為替レートの変動が大きくなるリスクやデフォルト(債務不履行)リスクのことです。
経済状況や政治情勢はそれぞれの国によって異なります。
結果的に通貨の信頼性も国によって変わってきますので、通貨の組み合わせによってリスクが高まることもあります。
また、借入金の返済が出来ない場合には、国家であってもデフォルトに陥ることがあります。
グローバル規模の投資を行う投資信託であれば、複数の国の金融商品に分散されるため地政学的リスクが軽減されると言えます。
自分で分散する方法
分散投資はファンドマネージャーにお願いしないと出来ないかと言うと、そうでもありません。
国内と海外の金融商品を対象にする投資信託や株式をそれぞれ購入すれば、個人でも簡単に分散投資することが可能です。
あくまでも一例ですが、月16,000円前後でこのような分散投資をすることも可能です。
ちなみに上記は当サイトの管理人が、実際に投資信託(iDeCo)で積立投資している方法です。
メリット③:投資信託は少額から開始できる
投資信託には多くの資金が必要そうなイメージがありますが、それは間違いです。
初心者でも始めやすい理由に「少額投資」ができるという点があげられます。
少額投資から資産運用を始めたい場合にはネット証券を利用するのが良いです。
サポートを受けられるメリットはありますが、窓口タイプの総合証券は最低投資額や手数料も割高です。
金融機関 | 積立 | |
---|---|---|
銀行 | 三井住友銀行 | 月々1万円以上 |
総合証券 | 野村證券 | 月々1,000円以上 |
ネット証券 | SBI証券 | 月々100円以上 |
ネット証券は少額投資に繋がる
こちらは投資信託を購入できるネット証券の一例です。
最低積立金額が月々100円から利用できる投資信託もありますので、資金が少ない投資家でもすぐに資産運用が可能です。
証券会社名 (URL) | 積立可能な 投資信託 | 最低積立金額 | 口座数 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 2,500本 | 100円 | 約500万 |
楽天証券 | 2,500本 | 100円 | 約400万 |
マネックス証券 | 1,100本 | 100円 | 約180万 |
松井証券 | 900本 | 100円 | 約120万 |
auカブコム証券 | 1,110本 | 100円 | 約115万 |
GMOクリック証券 | 110本 | 100円 | 約43万 |
岡三オンライン証券 | 500本 | 100円 | 約23万 |
メリット④:投資信託は手数料が安い
投資信託はファンドマネージャーに資産運用を依頼するため、運用手数料を支払う必要があります。
この手数料がデメリットになる場合もありますが、基本的に運用資産の0.5%〜2%(年率)くらいのものが多いです。
資産運用に必要な情報収集やリバランスの手間を考えると非常にリーズナブルな手数料と言えそうです。
販売手数料がゼロ円の投資信託
最近のネット証券の主流は販売時の手数料がいらない「ノーロード型投資信託」です。
購入時のコストを減らすことができるため、資産運用のパフォーマンスが上昇しやすいです。
そんなノーロード型投資信託の保有本数をネット証券会社ごとにリスト化してみましたので、口座開設の参考にして下さい。
証券会社名 (URL) | 販売手数料無料 投資信託 | 口座数 |
---|---|---|
SBI証券 | 2,600本 | 約500万 |
楽天証券 | 2,600本 | 約400万 |
マネックス証券 | 1,170本 | 約180万 |
松井証券 | 1,200本 | 約120万 |
auカブコム証券 | 1,180本 | 約115万 |
GMOクリック証券 | 100本 | 約43万 |
岡三オンライン証券 | 500本 | 約23万 |
メリット⑤:投資信託は資産保護の側面がある
冒頭に説明したとおり、投資信託は3つの会社がチームになって運用を行っています。
わざわざ分業すると無駄な手数料が増えてしまうと考えてしまいますが、実は非常に大きなメリットもあります。
分立することで資産を守る
投資信託に関する業務を行う会社にも「信用リスク」があります。
つまり「破産リスク」を持っています。
企業が破産に陥ると「債務不履行」となり支払った分のサービスを受けられません。
一方で、投資信託は信用リスクが低い金融商品と言われています。
その理由をそれぞれの会社が倒産したケースで考えてみます。
販売会社が破産した場合
投資家の資金は受託会社が管理していますので、投資家は損失を受けません。
運用会社が破産した場合
こちらも同様の理由で、投資家は損失を受けません。
受託会社が倒産した場合
受託会社というのは実は銀行でして、銀行法によって投資信託で運用する資産と銀行自身が保有する財産を別けて管理することが義務付けられています。
これは投資家の保護が目的であって、受託会社が破産した場合でも、投資信託に損害が出ないような仕組みです。
このように投資家の運用資産保護の観点から考えると投資信託は最強です。
日本政府が資産運用に投資信託を薦める理由がなんとなく分かってきませんか?
投資信託におすすめの証券会社
最後にこれから投資信託を始めたい人向けに、よりコストを減らした効率的な資産運用ができる証券会社を紹介します。
良い証券会社の特徴はご覧のとおりです。
販売会社を選ぶポイント
- 選べる商品が多い
- 利用できる情報が多い
- 手数料が安い
ネット証券だけでも30社ほどありますが、この基準に高いレベルで達しているのは下記の2社かと思います。
他の証券会社はキャンペーンの内容が良ければオプションで利用すると良いでしょう。
SBI証券
SBI証券は投資信託の販売手数料が基本的に無料です。
500万口座も開設されている国内トップのネット証券です。投資信託の取扱本数も日本最大ですので、ほぼ全ての投資信託を利用することができるかと思います。
投資信託の月間保有額に応じてTポイントが付与されるなど、若い世代にも嬉しいサービスを提供しています。
販売手数料無料 投資信託 | 積立可能な 投資信託 | 最低積立金額 | 口座数 |
---|---|---|---|
2,600本 | 2,500本 | 100円 | 500万口 |
松井証券
松井証券は投資信託の販売手数料が基本的に無料です。
支払う運用手数料についても、松井証券が受け取る上限は0.3%ととして、それを超える分は現金かポイントで還元して貰えます。
ユーザー目線に立ったコスト提案をしてくれる証券会社です。
ただし、利用できる投資信託の本数は大手ネット証券に比べると少ないです。
幅広く商品を検討したい人はよく検討された方が良いかもしれません。
私の経験でお伝えしますと、ネット証券の中ではユーザーサポートが優れています。
電話も繋がりやすく、初心者ならではの投資方法(入金や売買など)について質問することもできました。
販売手数料無料 投資信託 | 積立可能な 投資信託 | 最低積立金額 | 口座数 |
---|---|---|---|
1,200本 | 900本 | 100円 | 120万口 |
まとめ
今回は投資信託のメリットに注目して記事を書いてみました。
投資や資産運用に慣れてくると、投資信託から遠のいていく投資家が多いような気がします。しかし、投資の経験に関係なく投資信託を資産運用の中心に考えることは「資産を守る」という観点から非常に大切です。
いま一度、投資信託での資産運用を検討されてみてはどうでしょうか。