ウェルスナビのデメリットが気になる人
「ウェルスナビを使って資産運用をやってみようかな?どれくらい効率的な資産運用ができるんだろう?自分でもある程度の投資はしてるけどウェルスナビって本当に必要?デメリットがあれば教えて下さい!」
こういった疑問を解決します。
この記事の内容
- ウェルスナビを利用しなくていい人の特徴
- デメリット①:AI投資は特に万能ではない
- デメリット②:投資の勉強になりにくい
- デメリット③:利回りが低くなってしまう
- デメリット④:感情は捨てきれない
- デメリット⑤:NISAの対象にならない
- ウェルスナビのメリットはデメリットに勝るか?
ウェルスナビ(WealthNavi)のデメリットはある?
人工知能AIによる資産運用で人気を集めいているウェルスナビですが、残念ながらメリットばかりではないという話をします。
当サイト管理人(@investfrom30)が実際に10ヶ月間利用して感じたデメリットを記載しています。
ウェルスナビは利用者のバックグラウンドによって得られるメリットとデメリット大きく異なります。
執筆者である私の情報は必須かと思いので記載しておきます。
- 投資歴は10年目(高配当ETFやREITに長期投資)
- 投資の知識は投資系ブログを運営できるくらい
- 32歳の医療メーカーの営業職でそこそこ多忙
- 年収600〜700万円くらい
- 既婚済み(子供1人 専業主婦)
結論:自分でポートフォリオを組めれば不要かも
結論から言いますと、私の場合はウェルスナビのメリットをあまり受けられませんでした。
私の場合は8年間ほとんど毎日投資に向き合ってきた知識がありますし、ある程度の資産を保有していますから、そのように感じたと考えています。
つまり、私と背景が似ている人ならウェルスナビを利用する価値は低い可能性があります。
ウェルスナビの投資戦略は間違いなくパーフェクトに近いんですが、投資の知識と経験を持っている人なら自力で対応することも可能だということです。
「そもそもウェルスナビって何?」という場合はウェルスナビ(WealthNavi)とは? 【10ヶ月の実績を公開します】で基本情報を解説しています。
ウェルスナビを利用しなくていい人の特徴
記事の冒頭でおおよそ核心を突いたのですが、ウェルスナビ(WealthNavi)を利用しなくても大丈夫と思われる人の特徴を解説します。
- 投資の知識と経験が十分にある人
- 投資の資金が十分にある人
投資の知識と経験が十分にある人
投資歴の長さは資産運用において非常にポジティブな要素です。
投資の知識や経験を体得するためには一朝一夕では難しく、時間をかけて向き合う必要があります。
そこをクリアできている人は資産運用ですっごく有利な立場にいます。
ウェルスナビはこの知識と経験を人工知能AIに任せて埋め合わせすることがセールスポイントでもありますので、経験豊富な投資家はそもそもメインターゲットではない可能性があります。
投資の資金が十分にある人
ウェルスナビは少額から世界規模の分散投資ができることもセールスポイントにしています。
投資に回せる資金が十分にある人はウェルスナビと同じく海外ETFを利用することで、その目的を達成できます。
世界規模の分散投資を個人でする
自力で世界中の金融商品にアクセスする最も簡単な方法は「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」に投資することです。
長期投資家の中ではVTと呼ばれていまして人気があるETFです。
金額もそこまで高くなく75ドル前後で世界中に投資することが可能です。
新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株約8,000銘柄で構成される、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動したパフォーマンスを目指します。
VANGUARD公式HPより
ちなみにですが、ウェルスナビはコストメリットの関係でVTI(米国株全般)・VEA(日欧株全般)・VWO(新興国株全般)という3つのETFを組み合わせて世界規模の分散投資をしています。
デメリット①:AI投資は特に万能ではない
AI投資と聞くとロボットや人工知能がコントロールしていて安全そうに感じてしまいますが、案外そうでもありません。
基本的にやっていることは普通の資産運用です。
私たちはどうやらロボットや人工知能を過信しがちのようですね。
- 絶対にお金が増えるとは限らない
- 世界景気の影響が大きい
- 世界景気の影響が大きい
絶対にお金が増えるとは限らない
AI投資でよくある勘違いは「人工知能に任せているので勝手にお金が増える」というものです。
たしかにウェルスナビは「商品の分散」「時間の分散」「税金の最適化」という部分を人工知能に任せてやっているのですが、基本的にはアルゴリズムに則って動いているだけだと考えれます。
つまり、AIロボットが自分で考えて投資しているとは若干ニュアンスが異なります。
こちらは私が10ヶ月利用した時の運用グラフです。
濃い青部分が損失を意味しているのですが、AI投資と言えでも売却のタイミング次第で普通に損失が出ます。
ただ、私がウェルスナビを利用していた時期は、米中貿易摩擦やブレグジット騒動などで割と世界情勢が混乱していました。
乱高下が激しい資産運用にとっては好ましくない時期でしたが、ウェルスナビを利用してみて「評価損益の変動がかなり安定している」とも感じました。
世界景気の影響が大きい
ウェルスナビは世界中の金融商品に分散投資をしています。
このような広範な分散投資は資産運用における様々なリスクを下げることができますが、世界的なリセッション(景気後退)に突入するとウェルスナビでも歯が立たないことが予想できます。
世界の経済状況が悪くなると、信用リスクが低い金融商品から売られていきます。
こういった時に世界中に分散投資をしていても普通に損失が出ることもありますので、AI投資だから安全と思うのは危険です。
デメリット②:投資の勉強になりにくい
今の現役世代で十分な年金を受給できると考えている人はいないかと思います。
政府の方も個人で資産運用することを推奨している側面がありますよね。
そんな時代にウェルスナビだけに頼っていると投資の勉強ができません。
資産運用でパフォーマンスを上げるためには、投資の経験と知識がある程度必要です。
良くも悪くもウェルスナビにお任せすることができるので「考える機会」を失うとも言えそうです。
例えば、こういった投資の基盤になる部分はごっそりお任せすることになります。
- 銘柄選定
- 資金管理
AIが銘柄選定をする
銘柄選定は投資において最も勉強になる部分です。
投資商品のリスクとリターンを学べたり、企業への投資であれば経営や財務と言った深い知識に触れる機会が増えます。
私は投資を始めてから経済ニュースを専門誌やアプリで入手して日々アップデートしていますので、投資や資産運用の知識がどんどん貯まっている状態です。
ウェルスナビで世界中の金融商品をドカンと一気買いするのはある意味で正解なのですが、裏返すと「何も考えない投資方法」とも言えます。
そこから得られる知識は少ないかなと思います。
AIが資金管理をする
資産運用において資金コントロールは非常に重要です。
資金繰りについては自分で管理してみる以外に得られる方法が少ないです。
収入に対して「生活費・将来の貯蓄・資産運用」の支出バランスを考えることが大切です。
ウェルスナビで最初に設定した月々の積立額をとりあえず継続するだけでは、資産運用を最適化することは不可能かと思われます。
デメリット③:利回りが低くなってしまう
ウェルスナビ(WealthNavi)はリスクの少ない資産運用を実現できますが、その代償に利回りは低いようです。
ウェルスナビで利回りが低下する原因はこういったものがあります。
- 手数料の支払いが増加する
- 分散効果を重視したETFの選定
- 最大の節税効果を受けられない
手数料の支払いが増加する
資産運用で発生する手数料は実質利回りを低下させる原因になります。
ウェルスナビは運用資金に対して年率1%の手数料が発生します。
(6ヶ月後に手数料が安くなり、5年目で0.9%になる長期会員の特典も用意されています。)
WealthNavi | 普通会員 | 長期会員 |
---|---|---|
手数料(年率) | 1% | 0.9% |
消費税 | 10% | 10% |
とはいえ、月々1万円の積立設定をしている場合で考えると、年率換算で毎月最低90円のコスト増を発生させることになります。
一方で、投資経験を積んでいくと更に安い手数料で資産運用ができるようになります。
ウェルスナビの手数料が決して高いわけではない理由はウェルスナビ(WealthNavi)のメリットを徹底解説!【10ヶ月利用して分かりました】の記事でも触れています。
ETFは分散効果だけ重要視?
ウェルスナビは新興国株や先進国など広範な金融商品にアプローチできるETFに投資をしています。
投資対象を広げるほど利回りが低下することはよく知られている話です。
ETFは母数が増えると利回りが下がる
ETFは投資対象となるグループの平均値を狙う投資方法です。
これには良い面と悪い面があります。
下表のように「証券ナンバー=リターン」という分かりやすい金融商品に投資する場合で考えてみましょう。
すべての証券を購入したAさんは10個の証券の平均的なリターンを得られるはずです。
簡単に言ってしまえば、これがETFに投資するのと同義です。
BさんやDさんのようにパフォーマンスの悪い証券に投資してしまった人に平均値だけで勝てています。これが全部買いできるETFの良さです。
一方で、パフォーマンスの高い証券に集中的に投資したCさんやEさんに比べると、ETFのリターンは平均値に集約されるため見劣りしてしまいます。
先ほど紹介した世界規模の投資ができるVTは非常に安全なETFですが、母数が8,000個くらいありますので利回りは2%前後を推移しています。
この2%前後の利回りをどう捉えるかはウェルスナビの利用者次第ですが、自分でやる資産運用に慣れてくれば割と簡単に改善できる部分だと思えます。
最大の節税効果を受けられない
最近の資産運用ブームの火付け役となったNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用すると非常に大きな節税効果があるのですが、ウェルスナビはその対象外です。
こちらについては後ほど解説します。
デメリット④:感情は捨てきれない
感情が邪魔をして損失を被った経験のある人は、AI投資のウェルスナビに興味を持つのではないでしょうか?
投資判断に余計な感情が入り込むことはよくあります。
ロボ・アドバイザーなら機械的に判断をしてくれるので合理的だと感じますよね。
私はここにメリットを感じてウェルスナビを利用しましたが、結果的に感情は捨てきれないことが分かりました。
結局のところ、ウェルスナビがちゃんと資産運用しているのか気になりますし、経済や政治に関するニュースがテレビやスマホから半強制的に入ってきます。「このタイミングで追加入金するの?」など余計なことを考えました。
資産運用をしているのはAIかもしれませんが、それを利用しているのはあくまで人間です。
ウェルスナビとの相性もあるかと思いますが、私の場合は本末転倒という結果になりました。
デメリット⑤:NISAの対象にならない
普通に投資や資産運用をしていると発生した利益に対して約20%の税金が発生します。
リスクを抱えて投資をしているのに税金を取られるって結構馬鹿らしいですよね。
NISAなら非課税になる
この税金のハードルを簡単にクリアする方法がNISA(少額投資非課税制度)というものでして、NISAを利用して発生した利益は非課税となります。
NISAを使うだけで投資パフォーマンスが20%一気に上昇しますので「めちゃくちゃお得」と言えます。
ウェルスナビは対象外
現在のところウェルスナビでNISA制度を適用することができません。
つまり儲けが出れば課税されることになります。
ウェルスナビで税金を逃れる方法はサービスを使い続ける以外、今のところありません。
また、NISA枠の取引手数料を無料にしているネット証券が多数あることから、NISA制度を上手に使うと余計なコストを払う必要もなくなります。
ただし、一般NISAは5年、つみたてNISAは20年という期限と年間の非課税枠が設定されているため、必ずNISAが有利になるか今のところ断言はできないかと思います。
(参考)
ウェルスナビのメリットはデメリットに勝るか?
ここまで読むとデメリットが結構あるなぁ…
と悩んでしまいそうですね。
ウェルスナビにはどういったメリットがあるのかについては、ウェルスナビ(WealthNavi)のメリットを徹底解説!【10ヶ月利用して分かりました】の記事を読んで下さい。
それらのメリットがデメリットより優れているか考えてみましょう。
利用者によるという考え
例えば、投資の経験と資金もあるけど、自分で資産運用することに不安を感じている人は一定数いるはずです。そういった人はリスク回避が徹底されたウェルスナビを利用する価値が十分にあります。
どこまで自力で資産運用したいかを考えると良いかもしれません。
タイミングによるという考え
投資経験が十分にあっても、私生活の変化で自力で資産運用ができなくなるタイミングは誰しもあります。資金が十分にあっても、投資にほとんど回せないという状況も起こりえます。
そういった場合でも、資金を休止させることは資産運用で最も効率が悪いことです。
ウェルスナビで月1万円からの少額投資を行えば、機会損失を減らすことにも繋がるため理にかなう場面が出てきそうです。
以上が、ウェルスナビを利用して発生する可能性があるデメリットです。
最重要なのは退場しないこと
いろいろとウェルスナビのデメリットを書き連ねましたが、何はともあれ目的は資産運用を安定化させることです。
ウェルスナビはその方法の1つに過ぎませんし、個人投資家にとっての最重要課題は資産運用から退場しない/させられないことです。
資産運用から退場しないためには、当然ながら投資の知識や経験が必要です。
でも、そういったものを習得するには時間が必要ですよね。
勉強の期間にも投資の機会損失は大きくなりますし、投資商品を持っている人と、持っていない人で差がどんどん開いてしまいます。
ウェルスナビにはデメリットもありますが、知識が少ない初心者でも資産運用を始められる、有効なツールだと思います。
持たざるリスクを抱えないためにも、まずはAIロボットによる合理的な判断に頼ってみるのも1つの解決方法ではないでしょうか?
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