投資信託が気になる人
「投資を始めてみようと思います。資産運用には投資信託が良いと聞きましたが本当ですか?投資の初心者でも簡単に始められるますか?誰か教えてくださいな。」
こういった質問にお答えします。
この記事の内容
- 投資信託(投信)とは?
- 投資信託(投信)の仕組み
- 投資信託のメリット:少額・分散・プロ任せ
- 投資信託のデメリット:元本割れ・手数料
- 投資信託におすすめの証券会社
こういった内容が網羅的に分かる記事構成となっています。
投資信託(投信)とは? 仕組みやメリットを解説!
投資信託という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、仕組みまで理解している人は少ないのではないでしょうか。
投資信託は投資の初心者でも利用しやすいサービスでして、理解を深めることでより効率的な資産運用をできるようになります。
この記事では投資信託がどのような会社によって運用されているかなど、踏み込んだ内容まで解説します。
投資信託(投信)とは?
投資のプロを信じて投資を託す
投資信託とは投資の専門家であるファンドマネージャーにお金を預けて、あなたの代わりに資産運用をしてもらうことを意味します。
「専門家を信じて投資を託す」=投資信託です。
私があなたの代わりに資産運用します!
投資信託は基本的に上のイラストのような手順です。
投資家が資金を出して、ファンドが運用して損益が生じます。余剰分は分配される仕組みです。
ファンドマネージャーが無事に投資を成功させると、預けたお金が増えて返ってくるわけです。
投資信託のリスクとリターン
投資信託は銀行預金と運用方法が似ていると言われることがありますが「リスクとリターン」がまったく異なります。
銀行預金の感覚で利用すると、思わぬ損失が発生しますので注意が必要です。
投資信託は一般的に「ミドルリスク・ミドルリターン」のグループに属していまして、このチャートのほぼ真ん中に位置するバランスの取れた金融商品です。
よく比較される預金は元本保証された「ローリスク・ローリターン」のグループです。投資商品が属する「ミドルリスク・ミドルリターン」のグループは元本割れの可能性が十分にある投資商品なのです。
投資信託は資産運用のリスクを下げる
このようにリスクがある投資信託ですが、後ほど詳しく説明するように「プロの運用」「少額」「分散」によって資産運用のリスクを大きく下げています。
資産を増やすにはリスクも必要
そもそも資産を効率的に増やすなら「ローリスク・ローリターン」の金融商品ばかり保有していては時間がかかり過ぎてしまいます。
「ミドルリスク・ミドルリターン」の金融商品を上手く利用するのが、資産を築く近道かもしれません。
投資信託はその中でも、初心者の方が手軽に利用できるおすすのサービスと言えます。
投資信託(投信)の仕組み
より具体的な投資信託の仕組みを説明します。
投資信託は「投資家」と「販売会社」「運用会社(信託投資会社)」「受託会社(受託銀行)」の3つの会社を通じて資産運用されています。
「販売会社」は証券会社や銀行のことで、投資信託を投資家に販売しています。
「運用会社(信託投資会社)」は投資信託を作って運用を指示する会社のことです。
「受託会社(受託銀行)」は投資家から集めた資金を管理して、実際に資産運用する会社です。運用会社の指示に従って資産運用していきます。
このように投資信託は「販売・計画・管理・運用」などの業務をそれぞれの専門会社がチームになって行っています。
販売会社
販売会社の役割
販売会社は投資家にとって「資産運用の窓口」となります。
販売会社は投資家に対する投資信託の「販売」や「分配金」の支払いを行いうことが主な業務です。
また、各投資家の口座管理、情報提供、運用状況の報告なども販売会社の業務です。
相談会や無料セミナーなどは利用する販売会社のサービス提供のレベルによります。
販売手数料についても販売会社によって異なることがあるため、利用する前に確認するべきポイントです。
運用会社
運用会社は投資信託を作成して販売会社に売ることが主な業務です。
また、受託会社に対して運用方針の指示を行います。
資産運用におけるブレイン役として最も重要なパートを担っています。
その時の経済状況や政策など投資に影響を及ぼす要因を判断しながら投資戦略を決定する業務を行っています。
受託会社
受託会社は投資家の資金を管理して、実際に運用することが主な業務です。
受託会社は運用会社から指示に従って、株式・ETF・REIT・債券といった金融商品に投資して運用を行います。
それぞれの金融商品の特徴
受託会社が運用する金融商品の特徴は別記事で解説しています。
分立することで資産を守る
このように3つの会社がそれぞれ専門的な業務を行うことによって、「投資資産」が守られるというメリットが生まれます。
簡単に言いますと、この3つの会社は民間企業であるため「破産リスク」を持っています。企業が破産に陥ると「債務不履行」といって支払った分のサービスを受けられない状態になります。
これらは「信用リスク」と言われていまして、投資信託は信用リスクが低い金融商品と言われています。
販売会社が破産した
投資家の資金は受託会社が管理していますので、投資家は損失を受けません。
運用会社が破産した
こちらも同様に投資家は損失を受けません。
受託会社が倒産した
では最後の砦と思われる受託会社はどうでしょうか。
受託会社というのは実は銀行でして、銀行法によって投資信託によって運用する資産とは銀行自身が保有する財産を別けて管理することが義務付けられています。
これは投資家の保護が目的でして、受託会社が破産した場合でも、投資信託に損害が出ないような仕組みが作られています。
このように投資家の運用資産保護の観点から考えると投資信託は最強です。
投資信託の種類
投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドという2つの投資戦略があります。
購入する投資信託がどちらの方法で運用をしているのか事前に確認するべきです。
- インデックスファンド
- アクティブファンド
インデックスファンド
日経平均株価、ジャスダック、ナスダック、ニューヨークダウなどの総合指数と連動するようにポートフォリオが組まれた投資信託です。
総合指数とほぼ同じ値動きとなるため、市場の平均的なパフォーマンスを期待できます。
インデックスファンドのメリット
総合指数に投資するだけなので、商品選びは非常に簡単です。
分散効果も高いため投資リスクを減らすことができます。
平均的なパフォーマンスを狙った投資ですので、世界的な不景気や大暴落に巻き込まれない限り、資産運用は安定します。
また、値動きによる損失リスクもアクティブファンドに比べると低いとされています。
インデックスファンドのデメリット
分散効果は高いのですが、リターンも平準化しますので高い利回りは期待できません。
総合指数の値動きを利用するため、十分なリターンを短期間で狙うことが難しい投資方法です。
長期投資の資産運用に向いている投資信託と言えます。
アクティブファンド
市場の平均以上のパフォーマンスを狙う投資信託です。
アクティブ運用も投資信託によって戦術が異なりますが、基本的に過小評価されている株式に投資したり、過大評価されている株式を空売りして差益を狙う投資戦略となります。
アクティブファンドのメリット
ファンドの運用状況が良ければ「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資信託と言えども、大きなリターンを得られる可能性があります。
また、空売り(信用売り)も利用することがあるため、不景気などによる下降トレンドでも差益を追求できます。
アクティブファンドのデメリット
インデックス運用と比較すると取引回数が多くなります。
その分、コストのかかる投資戦略と言えます。
狙えるリターンはインデックス運用より大きいと言えますが、損失の可能性も高まります。
比較的安全に短期間で大きめの利益を狙いたい投資家が利用するべきかと思います。
投資信託のメリット
プロに任せる
投資信託は投資の専門家であるファンドマネージャーが資産運用をしてくれる金融商品です。
そのため投資の知識がない初心者でもいきなり資産運用を始めることができます。
大げさに言っている訳ではなく、安全な投資信託さえ選べば、まったく投資の勉強をしなくても問題ありません。
プロに任せるということは、すでに投資のリスクを減らせているんです。
少額投資
投資信託は複数の投資家から資金を集めて金融商品を購入します。
「共同購入」のようなイメージに似ています。
結果的に少額から購入できる投資信託が多く提供されていまして、資金が少ない人でも気軽に資産運用を始めることができます。
しかも、投資の専門家による資産運用を利用できるため、かなりお得です。
少額投資について詳しく知りたい人は、実際にどれくらい費用があれば投資をスタートできるのか解説している「少額から投資&資産運用を始める方法【初心者におすすめ】」の記事をどうぞ。
分散投資
投資信託は1つの金融商品だけに投資していることは稀です。
基本的に複数の金融商品に分散して投資を行っています。
商品と時間の分散
投資信託は複数の金融商品を定期的に時間をかけて投資していきますので、「商品と時間の分散効果」が得られやすいです。
このような分散効果は「ドルコスト平均法」と言われていまして、取得価格が平準化していくことから、評価損益の変動が緩やかになるとされています。
少額投資ですと分散させることが難しいのですが、投資信託を利用するとそのハードルが一気に下がります。
ドルコスト平均法とは
投資におけるドルコスト平均法とは、購入するタイミングを一定の間隔に別けて投資する戦略のことです。
グラフのように値上がり・値下がりに関係なく一定間隔で「積立投資」をすることで、平均取得単価が損益分岐点となります。
ドルコスト平均法を長く適応すると損益分岐点の平準化が進んでいくことから、評価損益の変動幅が小さくなり、平均的なパフォーマンスを出しやすいとされています。
投資信託の場合はこの時間分散に加えて、商品分散の効果も加わるため投資に関わるリスクを大きく下げることができるのです。
投資信託のデメリット
万能そうに見える投資信託ですが、残念ながらデメリットもあります。
元本割れ
冒頭にお伝えしたとおり投資信託は「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資方法です。
いくら投資の専門家であるファンドマネージャーが運用していると言っても、運用状況によっては「元本割れ」して損失を出すことがあります。
プロなのに負けるの?
こんな疑問を持つかもしれませんが、投資の世界ではプロでも普通に損失を出します。
例えば、株式市場の取引の70%前後は機関投資家というプロがやっている訳ですが、結果的にプロ同士が相手の裏をかくマネーゲームを繰り広げていることになります。
手数料
投資信託はファンドマネージャーに投資を依頼するため「手数料」が必要です。
手数料は投資信託と販売会社などによって異なります。
おおよそ年率1%から高くて3%という設定となっています。
投資信託で長期的に資産運用をする場合には0.01%の差でもパフォーマンスに大きく影響を与えます。
同じ内容の商品でも販売会社によって手数料が違うということが結構ありますので、投資信託を購入する前には確認するべきポイントです。
手数料負け
投資信託には運用の成績は良いけれど、手数料を払いすぎて結果的に損失が発生する「手数料負け」という言葉があります。
投資信託を言われるがまま適当に選ぶと陥りやすいミスです。
リターンが低い
投資信託は幅広く分散投資がされていることや、ファンドマネージャーに支払う管理手数料によって一般的に狙えるリターンは低めです。
しかし、リターンが高い投資はその分リスクも高いです。
裏返せば、投資信託はリターンも低いですが、リスクも低いと言えます。
結果的に安定した資産運用に繋がる側面もあります。
投資信託におすすめの証券会社
投資信託を購入するのにオススメな販売会社(証券会社)を紹介します。
選ぶポイントはご覧のとおりです。
販売会社を選ぶポイント
- 選べる商品が多い
- 利用できる情報が多い
- 手数料が安い
このようなポイントを全体的にクリアしている証券会社ですので、口座開設の参考にしてみて下さい。
SBI証券
SBI証券は投資信託の販売手数料が基本的に無料です。
500万口座も開設されている国内トップのネット証券です。投資信託の取扱本数も日本最大ですので、ほぼ全ての投資信託を利用することができるかと思います。
投資信託の月間保有額に応じてTポイントが付与されるなど、若い世代にも嬉しいサービスを提供しています。
販売手数料無料 投資信託 | 積立可能な 投資信託 | 最低積立金額 | 口座数 |
---|---|---|---|
2,600本 | 2,500本 | 100円 | 500万口 |
松井証券
松井証券は投資信託の販売手数料が基本的に無料です。
支払う運用手数料についても、松井証券が受け取る上限は0.3%ととして、それを超える分は現金かポイントで還元して貰えます。
ユーザー目線に立ったコスト提案をしてくれる証券会社です。
ただし、利用できる投資信託の本数は大手ネット証券に比べると少ないです。
幅広く商品を検討したい人はよく検討された方が良いかもしれません。
私の経験でお伝えしますと、ネット証券の中ではユーザーサポートが優れています。
電話も繋がりやすく、初心者ならではの投資方法(入金や売買など)について質問することもできました。
販売手数料無料 投資信託 | 積立可能な 投資信託 | 最低積立金額 | 口座数 |
---|---|---|---|
1,200本 | 900本 | 100円 | 120万口 |
他の証券会社は?
他にも30社くらい投資信託の販売会社があるのですが、こだわりが無ければ上記のどちらかで十分だと思います。
他の販売会社に興味がある方は公式サイトより手数料とサービスなど確認してみて下さい。
証券会社名 (URL) | 販売手数料無料 投資信託 | 積立可能な 投資信託 | 最低積立金額 | 口座数 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 2,600本 | 2,500本 | 100円 | 約500万 |
楽天証券 | 2,600本 | 2,500本 | 100円 | 約400万 |
マネックス証券 | 1,170本 | 1,100本 | 100円 | 約180万 |
松井証券 | 1,200本 | 900本 | 100円 | 約120万 |
auカブコム証券 | 1,180本 | 1,110本 | 100円 | 約115万 |
GMOクリック証券 | 100本 | 110本 | 100円 | 約43万 |
岡三オンライン証券 | 500本 | 500本 | 100円 | 約23万 |
まとめ
今回は投資信託の基礎編を解説してみました。
投資信託の仕組みや商品の特徴が分かると、より安全に資産運用をすることができます。
投資で悩んでいる方は投資信託から始めてみてはどうでしょうか。
また、これから投資を始める方はこちらの記事がお役に立てるかと思います。