資産運用の種類を知りたい人
「資産運用を始めようと思って調べてみたら、いろいろな種類があるんだな。どのように使い分けしたら良いのだろう?」
こういった疑問にお答えしていきます。
この記事の内容
- それぞれの資産運用の特徴
- 資産運用の利益と損失
- 目的別の資産運用の選び方
資産運用の種類と特徴
資産運用は、個人や家族が将来の安定と成長を実現するために欠かせない重要な手段です。
単純に資産を増やす目的以外にも、インフレーション(物価高騰)に対する対応、現金だけではない資産の分散化など、資産運用には様々な目的があります。
しかし、実際に資産運用を始めようと考えた時に、どのような方法で資産運用をしたら良いのか分からない人も多いかと思います。
資産運用の種類を考える時にはその投資から得られるリターン、それによって発生するリスクを天秤にかける必要があります。
リスクとリターンの考え方は、それぞれの投資家によって大きく異なります。
そのため、資産運用の種類と特徴を理解することが非常に重要です。
それぞれのリターンとリスクの分布
こちらは当サイトが考えるそれぞれの資産運用のリターンとリスクの位置関係です。
これは一般的な位置関係を示しています。
政治情勢などが影響して、各アセットの位置が大きく変わる場合もあります。
ハイリスク・ハイリターンだから危険、ローリスク・ローリターンだから安全という考え方は間違いです。
一般的にリスクが高いとされる投資でも、正しい方法を理解すればリスクを下げることができます。一方で、知識が無いままリスクが低い投資をすると、思わぬ損失が生じる場合があります。
資産運用で使われる代表的な方法は下記のとおりです。
資産運用の種類
銀行預金
もっとも身近な資産運用は銀行にお金を預けて金利を得る方法です。
日本銀行が発行している紙幣や硬貨を「普通預金」「定期預金」の2つのうちどれかに預けます。
普通預金
好きな時に「預け入れ」や「引き出し」を行える流動性の高いサービスです。
定期預金
普通預金に比べると金利が高めに設定されていますが、預け入れの期間が定められており満期前に引き出しにくい特徴があります。
銀行預金のメリット
- 元本保証されている
- 普通預金なら好きな時に「引き出し」や「支払い」ができる
銀行預金のデメリット
- 金利が低く、リターンが非常に少ない
- 定期預金の場合だと自由に「引き出し」ができないことも
現在の金利では大きな利息は望めない
1980年代の高度経済成長期には定期預金は5~10%を超える高金利でしたが、現在では0.05%あれば良い方です。
銀行預金は絶対にお金を減らしたくない人向きのローリスク・ローリターンの資産運用と考えられます。
インフレーションに注意が必要
日本政府や日本銀行は国内の物価目標(インフレ率)を2%上昇させようと金融政策を行っています。物価が高騰した場合に、銀行預金は相対的に価値が減少する可能性があります。
外貨預金
外貨預金は円で外国通貨を購入して、銀行口座に保有する資産運用です。
日本での銀行預金と比べると金利が高めです。
主要な国内銀行であれば外貨預金のサービスを提供しており、利用のハードルは高くありません。
外貨預金のメリット
- 日本国内の銀行預金より金利が高い
- 為替レートが円安に振れれば、金利以外でも儲けが出る可能性がある
外貨預金のポイント
利用する銀行と預ける外貨で金利が大きく異なるので、事前に金利の確認が必要です。
金利は高いほど良さそうに見えますが、一般的に信頼が低い国ほど金利が高い傾向にあります。
外貨預金のデメリット
- 為替変動と為替手数料によって損失が発生する可能性がある
- 預金保険制度の対象外
外貨預金をする場合には、為替変動の影響に注意が必要です。
たとえば、1ドル100円の為替レートの時に年利2%で100万円をドル預金したとしましょう。1年後に為替レートが1ドル100円のままなら102万円となりますが、1ドル90円になると元本100万円→90万円+利子2万円=92万円となり8万円を失うことになります。
分かりやすいよう極端な例を出していますが、政治情勢によっては為替変動が大きくなることは珍しくありません。
また、日本国内での銀行預金の場合には、その銀行が破産しても普通預金や定期預金の場合には、1000万円までは保証されます。
しかし、外貨預金の場合には保証の対象外です。
預金保険制度とは
こちらに預金保険制度の内訳を記載しておきます。
債券
債券は資金を集めるために発行された証券に投資する資産運用です。
債券のメリット
- 利子収入が得られる
- 基本的に元本が保証されている
債券投資は、利子収入が得られるという魅力があります。定期的に利息が支払われ、安定した収入を得ることができます。
また、基本的に元本は保証されています。債券は発行体が元本と利息の支払いを約束しており、発行体が信用力を維持し、債務不履行に陥らなければ、元本が保証されます。
債券のデメリット
- 債券の発行元がデフォルトすると資産価値を失う可能性がある
- 償還期間前に売却すると元本割れの可能性がある
日本やアメリカなどの信用力のある政府が発行している債券であれば、リスクはほとんど無いですが、信用性の低い国や企業では注意が必要です。
国がデフォルト(債務不履行)したり、企業が倒産や民事再生手続きとなった場合などには元本と利息が保証されない可能性が高いです。
債券には信用格付会社が付与したレーティングと呼ばれる信用度を示す評価があります。
レーティングが高ければ信用力が高い代わりに利息は少なく、反対にレーティングが低ければ信用力が低い代わりに利息が多い傾向にあります。
また、償還期間内に債券を売却することもできますが、売却時の時価が反映されるため、元本割れする債券もあります。
償還期間をチェック
債券の発行時には、償還期間が設定されます。
通常、償還期間は数年から数十年にわたることがありますが、短期の債券では数か月から数年程度の期間もあります。
債券の償還期間中は、利息の支払いが定期的に行われます。
債券の元本は一般的に保証がされています。
※社債などでは条件によって変動するものもありますので、事前に確認しておく必要があります。
債券は2種類
公共債
公共債の中で最も人気があるのが日本政府が発行する「国債」です。
国債は公共債の中で最も信用性の高い債券です。
特にアメリカ政府が発行する米国債は最大のマーケット規模とも言われています。
関連記事:米国債はどこで買える?【投資価値とタイミングを考察】
民間債
民間債の中でポピュラーな債券は企業が発行する「社債」です。
社債はそれを発行する企業の信用性が異なります。
投資信託(投信)
投資信託は、複数の投資家が出資した資金を、専門の運用会社を経由して株式、債券、不動産などの金融商品に分散投資する資産運用です。
個人投資家が自身で資金を分散投資するのではなく、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家に運用を任すことができます。
投資の専門家に資産運用を任せることができるため、初心者の方がすぐに始められる資産運用と言えます。
投資信託のメリット
- 投資の専門家に資産運用を任せられる
- 分散投資ができる
- 少額から本格的な資産運用ができる
ファンドマネージャーが定期的にポートフォリオの見直しをしますので、個別の管理が必要ありません。
ポートフォリオの中には複数の商品が組み込まれているため、初心者投資家でも本格的な資産運用ができます。
また、投資信託は1口から購入が可能であり、商品によっては数百円程度から投資できます。
少額から積立投資をするのに向いています。
関連記事:投資信託(投信)のメリットを徹底解説
投資信託のデメリット
- 手数料がかかる
- 価格変動による元本割れのリスクがある
投資信託はファンドマネージャーに資産運用を依頼するため、管理のための手数料を支払う必要があります。
投資対象がまったく同じ投資信託でも、手数料に大きな差がある場合もあります。
投資信託には目論見書という商品設計に関わる資料が添付されていますので、必要な経費については事前に確認しておくと良いでしょう。
また、一般的な投資と同じように価格変動によって元本割れを発生させるリスクがあります。
参考記事:投資信託(投信)のデメリットやリスクを解説【その対策も紹介します】
投資戦略の違い
投資信託には「アクティブファンド」と「インデックスファンド」の2つの投資戦略があります。
アクティブファンド
市場の平均以上のリターンを目指すファンドです。一般的にポートフォリオのリバランスが頻繁に行われます。
インデックスファンド
市場の平均リターンを目指すファンドです。一般的にポートフォリオのリバランスの頻度は最低限で行われます。
リバランス:ポートフォリオの銘柄を入れ替えしたり、株数を増減して再構成すること。
株式投資
株式投資は企業が資金を集めるために発行する株を売買する資産運用です。
株式投資では、条件を満たすことで売却益・配当金・株主優待・議決権を得ることができます。
株式投資のメリット
- 株式を保有することで定期収入を得られる
- 株価の変動によって利益が狙える
株主に対して配当を支払う企業も多くあります。このような収入をインカムゲインと呼びます。
また、株式は株式市場で売買されており、企業の人気が高まることで買い手が増えて、より高い金額で取引されることもあります。
元本より高い金額が付いた株式を売却すると、差益が発生します。このような利益をキャピタルゲインと呼びます。
株式投資のデメリット
- 株価が変動する
- 元本割れのリスクがある
- 業績予想は難しい
株式価格はマーケットが開いている間は目まぐるしく変動します。
この変動にストレスを感じる投資初心者も少なくありません。
また、株価は上昇するだけでなく、下落することもあります。
株式投資は価格変動のリスクを伴うため、投資元本を割り込み損失を被る可能性もあります。
さらに、企業業績は株価に大きな影響を与える要因ですが、業績予想はプロのアナリストでも正確に当てることは難しいものです。
取引の種類
株式投資には「現物取引」と「信用取引」があります。
現物取引
証券会社の口座に入金した現金で株式投資を行う方法です。
現物取引であれば、損失が出たとしても元本までのマイナスとなります。
信用取引
証券会社の口座に入金した現金の約3倍までのレバレッジ取引が可能になります
また、「信用売り」という注文方法では、株価の下落を予想して差益を狙う取引も利用できる場合があります。
参考記事:株式投資とは?仕組みと始め方を解説します
ETF(上場投資信託)
ETF(Exchange Traded Funds)は証券取引所で売買できる投資信託です。
株式と同様に取引所でリアルタイムに売買されるため、市場での流動性が高く、柔軟な取引が可能になります。
ETFのメリット
- 分散効果が高い
- 個別株の下落リスクを緩和できる
- 少額から投資ができる
ETFは分散効果が高い商品が多くあります。
例えば、日経平均株価に連動を目指すETFに投資をすれば、東証一部上場の225社を一つのパッケージとして投資することができます。
個別株だけに投資していると、その株の下落がパーフォーマンスを大きく下げることになりますが、ETFは複数の銘柄や資産を組み合わせたポートフォリオになっているため、一つの銘柄の下落が全体のパフォーマンスに与える影響が相対的に緩和されます。
また、ETFは1株あたりの投資額が少ない商品が多くあります。
例えば、米国株式の代表的なS&P500と連動するETFは、日本の株式市場に上場しており、1株の価格が数百円から数千円程度の商品も存在します。
ETFのデメリット
- 保有することで手数料がかかる
- 種類が多すぎて選ぶのが難しい
ETFはスポンサーと呼ばれる運用会社によって管理されます。
そのため、管理費用(管理報酬)としてETFの額面に対する、年率の手数料を支払う必要があります。
ETFは同じ市場や資産クラスを追跡する場合でも、運用会社やETFの構造によって管理費用に差が生じることは珍しくありません。
投資家はETFを選ぶ際に、手数料を重要な要素として考慮する必要があります。
また、非常に多くのETFが上場されており、投資初心者からすると正しい選択が難しい場合があります。
株式指標と呼ばれるインデックスETFは初心者向けですので、ここから始める方法がおすすめです。
REIT(リート・不動産投資信託)
REIT(Real Estate Investment Trust)は不動産を対象にした投資信託です。
株式と同様に証券取引所で売買が可能です。
投資対象は不動産であり、不動産の売却益や賃貸収入などをそれぞれの投資家に分配するようになっています。オフィスビルやホテルなどが主な投資先となります。
REITのメリット
- 物件選びは専門家がやってくれる
- 利回りが比較的良い
- 不動産投資より非常に簡単
- 分散効果がある
不動産の選定などは運営会社や投資アドバイザーがすべてやってくれます。
また、不動産のメンテナンスや建て替えなど面倒な作業も一切不要ですので、実際の不動産投資に比べると、準備資金も少額で済むため投資のハードルが非常に低いと言えます。
さらに、REITは得られた収益の大部分を分配することで税制上の優遇を受けています。そのため、利回りが比較的高いです。
加えて、REITは複数の不動産を所有・運用しているため、1つのREITに投資することで、複数の不動産に分散投資することができます。
この分散投資は、リスク管理の観点から重要です。
REITのデメリット
- 災害などによるオペレーションの停止リスク
- 金利の変動による収益の悪化
REITは不動産から収益を得る仕組みであり、不動産に関連するリスクが存在します。
日本は自然災害が多い地域であり、地震、台風、大雪、豪雨などによって、不動産にダメージが生じる可能性が少なからずあります。
これにより、REITのオペレーションが停止したり、収益が減少したりするリスクが存在します。
また、不動産を購入する際に変動金利を利用することが一般的です。
変動金利の場合、金利は市場の動向や金融政策に応じて変動するため、日本経済がインフレ気味になると金利が上昇する可能性があります。
この場合、変動金利を利用している不動産ローンの金利も上昇する可能性があります。
金利が上昇すると、財務負担が増加し、不動産の運営や投資収益に影響を及ぼす可能性があります。
参考記事:不動産投資信託(REIT)に株式投資するための基礎知識【配当に有利】」
外貨MMF
外貨MMF(Money Management Fund)は、日本円を外貨に換えて債券を取引する投資信託の一種です。
外貨MMFは、一般的に短期間の資金運用を目的としています。主にレーティングの高い国債や短期金融債などの債券を取引することで運用されます。
投資信託との違いは?
投資信託は、成長を追求したり、収益を最大化することを目的とする成長型や、配当を重視するインカム型のファンドなど、さまざまな運用目的があります。
一方、外貨MMFは主に短期の資金運用を目的としており、安定性や流動性を重視します。
外貨MMFのメリット
- 外貨預金より利回りが良い
- 為替手数料が安い
- 資産保護になる
外貨MMFは、通常の外貨預金と比較して利回りが高く設定されることが多いです。
これは、外貨MMFが債券市場での運用を行い、債券の利息収入や価格変動に基づいてリターンを追求するためです。
また、外貨MMFは投資信託として他の出資者も参加して運用するため、大口取引によるメリットがあります。
これにより、為替手数料や取引コストが割安になる可能性があります。投資信託会社は一括で外貨を交換し、効率的に債券を取引することができます。
さらに、運用会社が破産した場合に、外貨MMFは分別管理のため保全されます。
外貨MMFのデメリット
- 元本割れのリスクがある
- 為替リスクと信用リスクがある
- 手数料が必要
外貨MMFは投資信託の一種ですので商品価格の変動があります。
それによって元本割れの可能性が出てきます。
また、外貨を対象にした債券投資であるため、為替変動リスクがあります。
利回りが極端に良い債券には信用リスクもあります。
複数の債券と比較して条件が良すぎるものは慎重に検討するようにしましょう。
ファンドマネージャーが管理をしているため、出資者は管理手数料を支払う必要があります。
同じようなサービス内容でも、管理会社によって手数料が大きく異なりますので事前に確認が必要です。
保険
資産運用に有効利用できる貯蓄型の保険があります。
医療保険や死亡保険などとは違う考えの保険です。
貯蓄型保険は毎月1万円ほど満期になるまで保険料を支払う契約になっていて、満期以降の解約なら元本以上のお金を受け取ることができます。
契約期間は20年から30年くらいの商品が多いです。
貯蓄型保険のメリット
- 老後資金になる
- 節税効果がある
- 万が一の保証がある
貯蓄型保険を資産運用に利用する場合には、効率よく老後資金を準備できる利点があります。
確定申告をすれば所得税から控除されるため節税効果も期待できます。
貯蓄型保険に加入する際には「死亡保障」や「重度障害保障」などの特約が付与されたサービスを選びましょう。
そうすれば、掛け捨ての「死亡保険」などに加入する必要性がなくなるかもしれません。
貯蓄型保険のデメリット
- 契約期間が長い
- 月々の保険料が比較的高い
- 途中解約すると元本割れする
貯蓄型保険に加入する際には、これらのデメリットについて慎重に検討するべきです。
契約期間は20年から30年としている商品が多いのですので、お金を自由に使えない期間が発生します。
また、月々の保険料は「掛け捨て保険」と比べると割高です。
長期間に渡って毎月しっかりと支払いができる経済力が必要です。
途中で解約すると元本の50%から80%くらいしか戻ってきません。
保険会社が倒産したら?
保険会社が倒産した場合には「生命保険契約者保護機構による契約者保護」という措置を受けることが可能です。しかし、保険料の90%前後またはそれ以下となるケースがほとんどのようです。
ソルベンシー・マージン比率
それぞれの保険会社の財務健全性を示す指標です。
この比率が200%以上あれば、大災害などによって莫大な保険金の支払いが発生したとしても、その支払いに耐えられる能力があることを示しています。
ソルベンシー・マージンは保険金のホームページやパンフレットに記載されています。
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)
個人で年金に加入するために日本政府が作った制度です。
年金と聞くと強制的なイメージがありますが、iDeCoへの加入は自由となっています。
加入者は投資信託や保険といった金融商品から好きなものを選んで、毎月一定の金額を積み立てていきます。
受給年齢に達した際に年金として、一括または定期的に受給することができるようになります。
iDeCoのメリット
- 節税効果がある
- 運用中の利益は非課税になる
- 年金の破綻リスクがない
iDeCoで資産運用すると、所得税控除を受けることができますので節税効果があります。
運用中に発生した利益は「非課税」の対象になりますので、こちらも節税効果と資産運用のパフォーマンス向上に繋がります。
iDeCoは個人で積み立てする年金制度ですので国民年金が破綻したとしても個人年金として受給が可能です。つまり、年金制度を2階建てにすることができるんです。
個人年金の現状
現在、個人年金は財務体制が不健全であり1兆円以上の予算不足となっています。若い世代が年金を受給できるかかなり不透明な状態と言えます。
iDeCoのデメリット
- 元本割れのリスクがある
- 途中で解約できない
iDeCoは年金の積み立てと言っても、実際には金融商品へ投資をすることになります。
そのため、運用状況によって元本割れのリスクがあります。
60歳まで積み立てを継続する必要がありますので、途中で解約することもできません。
個人型確定拠出年金iDeCoは資産運用に有効活用できる制度でありますが、収入状況やライフプランを見定めて利用する必要があります。
iDeCoの注意点
「企業型確定拠出年金」に加入している人は個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入することができません。
「国民年金」を納めていない人や、20歳未満または60歳以上の人は加入ができません。
不動産
不動産から賃料を得たり、転売して利益を出す資産運用です。
一般的にマンションや中古家屋に投資することが多いです。
資産運用の中では難易度が高いとされていますが、ひとたび運用が波に乗れば大きな利益を安定して得られる投資です。
不動産投資のメリット
- 長期的に安定した利益を得られる
- 節税効果が高い
- 現物資産を保有できる
- 個人がローンで投資できる
不動産投資をする最大のメリットは大きな利益を長期的に得られることです。
不動産の借り手が付けば、その間は安定した定期収入を見込めます。
資産運用の中で個人がローンを組むことができる唯一の投資方法です。
ローンを組んで保有した不動産は所得税や住民税などの控除を受けられる場合があります。
また、不動産投資は実物資産を保有できるため賃貸収入を得ながら、最後には売却益も発生します。
不動産投資のデメリット
- 初期投資にかかる金額が非常に大きい
- 借り手がいなければ負債となる
- 現物資産ならではの劣化が発生する
不動産は初期投資に莫大なコストがかかるため、資産運用の中では難易度が高めだと言われています。
ただし、返済計画などがしっかりしていれば融資(ローン)を受けられることもあります。
不動産投資では借り手や買い手がいなければ、その不動産はコストを発生し続ける負債となってしまいます。
不動産は人気エリアや穴場スポットなどの土地に関する知識やセンスが必要になります。
不動産は現物資産であるため経年劣化します。
年数が経つごとにメンテナンス費用が増加していきます。災害や事故物件化など不可抗力の問題が発生することもあります。
不動産投資は生命保険の代わりになる
不動産ローンと聞くと悪いイメージがあるかもしれません。
しかし、ローンを組むときに必ず生命保険に加入することになります。万が一、債務者が死亡したとしても遺族はローンを支払う義務がありません。
先物取引
先物取引は将来に受け渡しすることを前提に、価格と数量を事前に決める取引のことです。
債券・株式などの金融商品や石油・農作物なの商品(コモディティ)を取引します。
先物取引の内容
たとえば、100万円分の石油を3ヶ月後に100万円で売却する契約をしたとしましょう。
3ヶ月後に石油が98万円になっていたら2万円の利益、反対に102万円になっていたら2万円の損失というイメージです。
こうやって見ると先物取引はややこしいですね。
何故こんなことをするのかと言うと、収穫前の穀物など、すぐに用意できない商品の取引をするために利用されています。それが派生して様々な商品で先物取引がされるようになりました。
先物取引のメリット
- レバレッジを使った投資ができる
- 金融商品に付きものの上場廃止などのリスクがない
先物取引は証拠金を支払えば、保有している現金以上の取引ができるようになります。
つまり「レバレッジ」を活用した投資が可能です。それにより、短期間で莫大な利益を得られる可能性もあります。
上場企業へ投資をする訳ではありませんので、金融商品への投資に付いて回る「上場廃止」のリスクがありません。
先物取引のデメリット
- 元本割れのリスクがある
- レバレッジにより大きな損失が出る可能性がある
先物取引は元本保証がされていません。
それに加えて、レバレッジを利用した状態では損失が大きくなるケースがあります。
CFD(差金決済取引)
CFDは先物取引に似ている投資方法です。
金・農作物などの現物の資産を保有せず、発生した差額分だけで決済します。
そのため、まとまった資金が必要ありません。
CFDのメリット
- 少額から投資できる
- レバレッジを使った投資ができる
差額分だけで投資ができるため、投資資金が少ない人でも利用しやすい特徴があります。
また、レバレッジによって保有している現金以上の投資が可能であるため、短期間で大きな成果に繋がることもあります。
CFDのデメリット
- ハイリスク・ハイリターン
CFDは最大50倍のレバレッジを利用することができます。
FXでも最大25倍ですので、CFDのレバレッジ効果の大きさが良く分かるかと思います。
差額だけで取引ができるため、投資しやすい一方でレバレッジの間違った使い方をすると莫大な借金を背負う可能性があります。
参考記事:CFDとは?差金決済取引を理解して投資の幅を広げよう!
金
金(ゴールド)は埋蔵量が少ないことから、希少性が高い鉱物資源です。
価格が安定している人気の現物資産です。
金投資のメリット
- 世界共通の価値を持っている
- インフレやデフレの影響を受けにくい
- 換金性が高い
ゴールドは世界共通の価値があるため資産価値の変動が少ないです。
たとえば、日本の信用が無くなって紙幣の価値がゼロになってしまっても、ゴールドを保有していれば資産が守られます。
換金性が高いため、すぐに現金に交換することができます。
インフレやデフレなど貨幣価値に影響を与える経済動向にも、ゴールドを保有することで影響を最小限にすることができます。
金投資のデメリット
- 保有するだけでは定期収入が得られない
- 売買や保有に手数料がかかる
金投資では価格変動によってのみ利益を得ることができます。
株式のように保有しているだけで配当が得られる投資ではありません。
ゴールドを購入・売却する際に手数料が発生します。
金庫などで保管する場合や、保管を委任する際にも保管手数料が必要になることがあります。
ソーシャルレンディング
クラウドファンディングと言われる、インターネット上で出資を募る方法です。
スタートアップ企業と言われる「小規模企業」に起業資金を出資します。
ここ最近、注目されるようになってきた新しい資産運用です。
ソーシャルレンディングのメリット
- 他の資産運用より高い利回りを狙える
- 少額から投資が可能
- スタートアップの投資家になれる
信用力のないところから資金集めとなるため、利回りが高めに設定されていることが多いです。
ソーシャルレンディングの利回りは8%から10%くらいのものが多い印象です。
少額投資が可能でして1万円(最低投資期間3ヶ月)から資産運用できます。
ソーシャルレンディングのデメリット
- 信用力がないため貸倒れのリスクがある
- 途中解約ができない
資金を募っているスタートアップ企業の中には「事業内容」にクエッションマークが付くような出資募集も混ざっています。
最初から資金集めだけを目的にしている場合もあるため、慎重に選定した方が良さそうです。
信用力のない小規模企業は倒産や貸倒れしやすい傾向にあることを理解して利用するべきです。
また、一度投資をしてしまうと「最低投資期間」を迎えるまでは解約が難しいです。
出資する前には事業者と事業内容を良く確認しましょう。
FX(外国為替証拠金取引)
外国通貨を取引する際に為替の差益を狙う投資です。
FXと聞くとハイリスク・ハイリターンというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、それは投資のやり方によります。
FXのメリット
- 為替手数料が安い
- レバレッジを使った投資ができる
- 夜間問わず24時間取引ができる
FXは取引に必要な外貨への交換手数料が安く設定されていますので、余計なコストがあまり発生しません。
FXはレバレッジを有効活用できる投資と言われています。
手持ちの現金の最大25倍までの取引が可能です。
資金が少ない人でも、短期間で莫大な資産を築くことができるかもしれません。
また、FXは24時間取引ができます。株式のように取引時間がありません。
日中忙しいサラリーマンなどにも人気の投資です。
FXのデメリット
- レバレッジによって莫大な損失が出る可能性がある
- 証拠金以上の損失で強制終了される
レバレッジは場合によって便利なサービスですが、使い方を間違えるとそれによって大きな借金を背負う可能性があります。
FXのレバレッジを利用するには証拠金を支払います。その証拠金以上の損失が出ると「ロスカット」と言われる強制決済が行われてしまいます。
仮想通貨
インターネット上で利用できる電子的な通貨です。
代表的な仮想通貨には「ビットコイン」や「イーサリアム」などがあります。
仮想通貨は世界中で取引が開始されており、最も新しい資産運用サービスかもしれません。
「マイニング」という方法を利用すれば、発行することができまして世界には1,500種類以上の仮想通貨があると言われています。
仮想通貨のメリット
- 手数料が安い
- 価格が急騰することがある
- 資産性が高い
仮想通貨は取引所を通して投資できます。
その時に支払う取引手数料が安いという特徴があります。DMMなどが運営している取引所であれば、常時キャンペーンをやっており無料で取引できるものもあります。
仮想通貨は人気に火がつくと世界中の投資家が収集しようとするため、価格が急騰しやすい特徴があります。
実際にビットコインは1BTC約100円から数年で最高100万円を超えたこともあります。運要素が強いですが、安い時に保有しておくと急騰に立ち会える可能性があります。
仮想通貨は「ブロックチェーン技術」といわれる暗号処理が施されており、偽造や複製が不可能です。
それによって発行できる上限が決まっているため将来的に価格が安定するのではと言われています。
仮想通貨のデメリット
- 価格の変動幅が大きい
- 保有しているだけでは定期収入を得られない
- 税金が高い
すべての仮想通貨に言えますが、価格の変動(ボラティリティ)が激しいです。
さらに値動きも独特です。
仮想通貨は値動きによる差益を狙った投資ですので、株式の保有していれば配当がもらえる訳でもありません。
また、仮想通貨で利益が発生したとしても、日本においては「総合課税」の対象となりますので最大45%も税金を支払う必要があります。
日本政府によって正式に認められた「通貨」や「(税制上の)金融商品」ではありませんので、保有すること自体がリスクである可能性もあります。
アンティーク・スニーカー
希少性の高いアンティークコインやスニーカーなどを資産運用に活用することもできます。
古代ギリシャやヨーロッパなどのアンティークコインは世界中にコレクターがいますので、資産性の高いです。
最近では生産量が少ないスニーカーや、気候などが影響するワインなどで投資をする人たちも出てきています。
アンティークへの投資のメリット
- 時間が経つほど価値が上昇していく
- 売却するまで自分で楽しむことができる
希少性の高い商品は、供給される数量がそれ以上増えない一方で、需要がありますので年数が経つほど価格が上昇しやすいという特徴があります。
値段が十分に上がって売却するその日まで、自分の目で楽しむ喜びもあります。
アンティークへの投資のデメリット
- 保有しているだけでは定期収入を得られない
- 長期保有が前提になる
- 破損すると価値が下がる
アンティークを保有しているだけでは、株式のように配当を得ることはできません。
基本的に値上がりによる差益を狙った投資となります。
そのため、短期間で成果が出しづらく、長期投資が前提となってきます。
現物資産でありますが、アンティークという特性上、傷が付くと資産価値が下がりますので管理が意外と大変です。
資産運用で得られる利益の種類
資産運用によって得られる利益は2つあります。
- インカムゲイン
- キャピタルゲイン
それぞれの資産運用における利益の出し方を理解することが大切です。
インカムゲイン
インカムゲインは金融商品を保有することで得られる利益のことです。
たとえば、株式の配当であったり、不動産の賃貸収入や債券の利子収入といった定期的に発生する利益がインカムゲインです。
インカムゲインを得られる資産運用
- 預金
- 外貨預金
- 債券
- 株式
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
- 外貨MMF
- 保険
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 不動産投資
- ソーシャルレンディング
インカムゲインは安定収入に繋がりますので、長期的な資産運用に向いています。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインは金融商品の売買によって得られる利益のことです。
たとえば、株式、不動産、ゴールドなどの売却によって発生する一時的な利益がキャピタルゲインです。
キャピタルゲインを得られる資産運用
- 株式
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
- 先物取引
- CFD(差金決済取引)
- 金投資
- アンティークコイン
- FX(外国為替証拠金取引)
- 仮想通貨
キャピタルゲインは一時的ですが、短期間で資産を増やすために必要不可欠な利益です。ハイリスク・ハイリターンな資産運用もありますので注意が必要です。
両方狙える資産運用
インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える資産運用はこちらです。
- 株式
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
- 外貨MMF
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 不動産投資
目的別の資産運用の選び方
最後に目的に合わせた資産運用の方法を解説します。
資産運用の目的として多いパターンをリストにしてみました。
資産運用の目的
- 初心者向けの資産運用を始めたい
- 老後のための資産形成
- 短期投資による資産を増やす
それぞれの目的に合わせた資産運用の方法を解説していきます。
初心者向けの資産運用を始めたい
初心者の方が資産運用を始める際には、それぞれの「投資リスク」を理解して、出来るだけリスクが小さい資産運用をするべきかと思います。
つまり、ハイリスク・ハイリターンな投資をしないことをおすすめします。
この視点から資産運用を選ぶなら「ETF」「REIT」などの投資信託系の金融商品がおすすめです。
初心者は投資の知識が少ないですので、正しい判断ができないこともあります。投資信託であれば、専門家であるファンドマネージャーに資産運用を依頼することができます。
また、投資信託系の商品は分散効果が効いていますので、激しい値動きに翻弄されずに済む場合もあります。
さらに、投資信託は100円単位からの少額投資が可能です。
投資の勉強という意味で少ないお金から資産運用を始めることもできます。
節税効果にもつながる
「NISA口座」(少額投資非課税制度)と「つみたてNISA」を利用することで、投資信託で得られた利益を非課税にすることができます。
約20%の税金が免除されるますので、資産運用のパフォーマンスが上がりやすいです。
ポイント
- ハイリスク・ハイリターンな資産運用は選ばない
- 少額から利用できる投資信託がおすすめ
- NISA口座で税金を安くしてパフォーマンスを上げる
初心者が投資を始める時に、効率よく資産運用できる方法があります。
詳しくは「株式投資の初心者は何から始めるべき?誰でも分かる最初の一歩を解説」の記事をどうぞ。
また、初心者や若い人は投資の資金が少ないという問題もあるかと思います。
そういった課題を解決する方法を知りたい場合には「株式投資の初心者が投資を始めるのに必要な資金【いくらから始める?】」を参考にして頂けます。
さらに、具体的な少額投資の始め方は「投資初心者におすすめの資産運用アプリ13選【スマホで簡単に投資する】」の記事にまとめました。
老後のための資産形成
老後のための資産運用の場合には長期投資を前提として、ミドルリスク・ミドルリターンの金融商品を選ぶことをおすすめします。
国民年金は受給開始年齢が徐々に引き上げられており、老後資金として十分に活用できるか不透明な点が多いです。
この課題を解決する視点で、資産運用してはどうでしょうか。
iDeCo(個人型確定拠出年金)や貯蓄型保険を基本ベースにして、信頼性のある企業の個別銘柄やREITなど収益性の高い金融商品にも投資して2階建て以上の資産運用が効率的かもしれません。
資金に余裕があるなら、不動産を購入して家賃収入を得るのも老後を豊かにする方法です。子供や孫がいるなら、その不動産を遺産として相続させることも可能です。
ポイント
- 老後資金の準備が目的なのでリスクを上げすぎない
- 不足する国民年金を賄う金融商品を選択する
- 2階建て以上の資産運用をする
短期投資による資産を増やす
短期間で資産を増やしたいならハイリスク・ハイリターンな投資を行う必要があります。
FX、CFD、先物取引などレバレッジを利用できる金融商品であれば、手持ちの資金が少なくても短期間で資産を増やせる場合があります。
株式(個別銘柄)や仮想通貨などの値動きが激しい金融商品も対象となります。
短期間で資産を増やそうとすると、どうしてもリスクを取る必要があります。
ただし、常に利益を出せすことはプロの投資家でも至難の技です。
短期投資は投資ではなく「投機=ギャンブル」と言われることがあるくらい、資産運用の視点からはおすすめできないかもしれません。
ポイント
- 短期間で利益を狙う投資はリスクが上がる
- レバレッジを利用すると、少額でも大きな利益を狙うことができる
- リスクが非常に大きいことを理解して投資する
資産運用で失敗してしまう人には共通点があります。
そういった人を反面教師にすることで投資の失敗を避けることが可能です。
詳しくは「投資で失敗する人の特徴|初心者が気を付けたいこと6選【株式投資】」の記事をどうぞ。
まとめ
18種類の資産運用方法について、それぞれの特徴を説明しました。
メリットとデメリット、そして安全性とリスクについて理解することで、自分の性格やライフプランに合った資産運用が見つかるはずです。
重要なことは、自分自身の投資目標やリスク許容度を理解し、慎重な検討を行うことです。
適切な資産運用を選択し組み合わせることで、経済的な安定に向けた一歩を踏み出すことができるでしょう。
また、資産運用の種類だけでなく、投資の全体像を理解されたい場合には、初心者向け株式投資の始め方【ロードマップで順番解説】の記事が参考になるはずです。