この記事では、Invesco社のコモディティETFであるDBB(Invesco DB Base Metals Fund)の基本的な情報を集約します。
また、DBBに関する以下の疑問を解決する内容になっています。
DBBに関する読者の疑問
- DBBはどこのネット証券で投資できる?
- DBBはどんなETFなの?
- DBBに投資する価値は?
一つずつ丁寧に解説していきます。
この記事を書いている人
この記事を書いているIF30の管理人ほろほろ(@investfrom30)は投資歴13年です。
米国株、コモディティ、債券、仮想通貨を中心に長期投資と短期投資を分ける戦略で投資市場に参加しています。現在は約4,200万円を運用しています。
毎日のようにBloombergやWSJなどの投資の有力紙を平均10〜20記事を確認しており、重要なマーケット情報をツイッターやポストプライムで投稿しています。おかげさまで合わせて約3,000人からフォローされています。
投資初心者から中級者向けの失敗しないための投資ロードマップを作成しました。こちらの記事と合わせて活用下さい。
私自身もゴールド、シルバーといった人気のコモディティはもちろん、天然ガス、小麦などマニアックな商品にも短期的な投資をしています。
その経験からコモディティ投資の価値についても解説します。
DBBはどこのネット証券で投資できる?
DBBに投資するには?
DBBを取り扱っているネット証券はご覧のとおりです。
DBBは有効活用できるETFですが、メジャーなETFではありません。
そのため、取引が可能なネット証券は限られています。
残念ながらSBI証券や楽天証券、そして米国株に強みを持つマネックス証券でも取引は不可能です。
一番のおすすめはIG証券
安定した取引をするなら、IG証券のCFDを使った方法があります。
以下のように『インベスコDBベースメタルズ・ファンド』という銘柄名で取り扱いしています。
CFDは値上りで利益を出す『買いポジション』、反対に値下がりで利益を出す『売りポジション』で取引ができますので、トレードの幅が非常に広がります。
本格的に米国株をやっていくなら、IG証券は持っておくと良いと思います。
取引制限が無いならサクソバンク
通常のETF取引であれば、サクソバンク証券を利用する方法もありますが、DBBのような特殊なETFは取引制限がどうしてもかかりやすいです。
ETF取引でエラーが発生する場合は、CFDの利用を検討しましょう。
サクソバンク証券は日本語に対応した海外の大手ネット証券です。国内でも非常に有名です。
サクソバンクでは、以下のようにDBBのETFとCFDが用意されています。
しかし、サクソバンクはCFD専門のネット証券ではないため、CFDを活用してDBBに投資をするなら、取引条件や初回入金額の観点からIG証券が有利です。
米国株をトレードするには、ネット証券を使い分ける必要がありますので、自分にあったものを検討してみて下さい。
コモディティETFのDBBとは?
結論
DBBは取引が複雑な先物市場の複数のコモディティ商品をETFとして投資できるため非常に便利です。
GLD(ゴールド)やSLV(シルバー)など代表的な貴金属ETFがすでに存在していますが、DBBではそれ以外の工業用金属に包括的な投資が可能です。
幅広いコモディティ商品をポートフォリオに組み込む場合に活用するべきETFだと思います。
DBBは『DBIQ Optimum Yield Industrial Metals Index』(仮称:DBIQ最適利回り化工業金属指数)のパフォーマンスに追従するように設計されたETFです。
DBBは先物市場において取引量が多い3種類のコモディティ商品から構成されています。
一般的にコモディティ商品は『先物』と呼ばれる方法で取引を行います。
先物市場では、ある程度決まった金額で商品が消費者(生産者)に届くよう『限月』と呼ばれる取引期間が定められています。
そのため先物市場の参加者は定期的にポジションの入れ替えを行います。
一方で、DBBは米国市場に上場している一般的なETFですので、限月や入れ替えの手数料を気にする必要がありません。
面倒な作業はファンド側で対応してくれるので、多くの個人投資家にとってコモディティ投資を身近な存在にしてくれています。
DBBのポートフォリオ
2022年6月12日時点のDBBを構成している資産の割合はご覧のとおりです。
貴金属は含まれないことに注意
投資する前にDBBのポートフォリオにどのような金属商品が含まれているか確認しておくことが大切です。
DBBのポートフォリオは亜鉛、アルミニウム、銅(Aグレード)から構成されています。
これの金属は『卑金属』と呼ばれ工業用として使われています。
銅とアルミニウムに関しては世界経済に大きく影響を受ける卑金属だと知られています。
DBBにはゴールド、シルバー、プラチナなど貴金属(プレシャスメタル)は含まれていません!
DBBのコスト(管理手数料)
DBBの合計の保有コストは0.87%です。
内訳はご覧のとおりです。
- 管理手数料:0.85%
- 先物仲介手数料:0.02%(予定)
一般的なETFと比べると、DBBの管理手数料は高めです。
しかし、先物商品で発生する限月への対応などをファンドが個人投資家に代わって対応してくれます。
ゴールドやシルバーなどの卑金属を含むコモディティETFは複数存在しますが、工業用金属に特化したコモディティETFはDBBの他にありません。
DBBの管理手数料は許容範囲と考えられます。
DBBに投資する際の注意点
DBBのファクト・シートや設計書を確認すると、毎年11月にポートフォリオの編成と組み換えが行われるようです。
これまでのところ11月に大きな株価の変動は見られませんが、2020年以降はコモディティ商品のボラティリティが高まっているため少しばかり注意は必要かと思います。
そもそも先物市場で取引されている商品は、値動きが激しいことを理解しておくべきでしょう。
DBBはETFに含まれる先物商品が3種類であり分散性が少ないです。また、工業用金属は景気の先行指標になりやすいです。そういった理由で、特にDBBはInvesco社が出しているコモディティETFの中でも値動きが激しめです。
とはいえ、記述したとおり工業用金属に特化したETFはDBBしかありませんので利用価値は高いと言えます。
DBBのボラティリティは?
コモディティ商品はボラティリティ(値動き)が激しいイメージをお持ちの人も多いかと思います。
米国株のS&P500を基準にしたベータ値を1とすると、DBBのベータ値は2022年7月の時点で0.81です。
これはS&P500の値動きと比べたときに、DBBが約20%より小さく変動することを意味しています。
一見するとDBBの値動きは安定しているように見えますが、2022年以降のS&P500の値動き自体が非常に大きいため、相対的にコモディティ価格のベータ値が低下していると考えられます。
下のDBBのチャートからも分かるとおり、2020年3月から2022年3月のピークまで+127%上昇し、そのピークから7月の底値まで-35%の下落を見せています。
リスクリワードがかなり高いETFだと思って投資したほうが良いでしょう。
DBBに投資する価値は?
DBBに含まれる銅と亜鉛は建築材や自動車や電気製品に使われるため、景気に敏感だと言われます。
アルミニウムも自動車や新幹線など軽量化を目的とした用途で幅広く使用される金属です。
2020年以降の世界的な感染拡大期に各国が大型の財政出動をしたことで、このあたりの工業金属の価格は大きく上昇しました。
今後はステイホームの状態から、経済再開がどれだけ本格的に出来るかが鍵になるように思います。
また、2022年はコモディティ・スーパーサイクルと呼ばれる長期的なコモディティ価格の上昇の周期に入っている可能性が示唆されています。
「コモディティ・スーパーサイクルってなに?」「どうしてコモディティ価格はトレンドが継続しやすいのか?」という内容で、コモディティ投資に関する情報を下記の記事にまとめていますので参考にしてみて下さい。
株式に集中したポートフォリオではなく、コモディティにも分散した多様性のあるポートフォリオの作成が重要になると思います。