近年、物価上昇や将来不安から「配当金による不労所得」を目指す個人投資家が増えています。
なかでも注目されているのが、高配当株投資です。
この記事では、高配当株の魅力と注意点をおさえたうえで、初心者から中級者向けのおすすめ銘柄を10社以上紹介します。
高配当株とは?
高配当株とは、株価に対して比較的高い配当利回り(年3〜5%以上)を誇る銘柄のことを指します。
配当金は企業の利益の一部を株主に還元する仕組みで、長期保有によって安定したインカムゲイン(定期収入)を得ることができます。
たとえば、配当利回り4%の銘柄を100万円分保有していれば、年間約4万円の配当金を受け取れる計算です。これが10年続けば、元本の40%近くに相当する収入が得られるわけです。
高配当投資のメリット
- 安定収入が得られる:年金代わりや副収入としての活用が可能。
- 再投資で複利効果が期待できる:配当金を再投資すれば資産が加速度的に成長。
- 株価下落局面でもリターン確保:配当があることで精神的な安心材料に。
なかでも2024年に拡充された新NISAを利用すると、高配当投資で得られたインカムゲインは非課税になります。高配当投資と非常に相性が良い制度ですので必ず利用しましょう。
関連記事:初心者向け:新NISA制度を解説!
注意すべきポイント
- 減配リスクがある:企業業績が悪化すれば配当も減る可能性あり。
- 高利回り=高リスクではないかを見極める必要:一時的に株価が急落して利回りだけが高く見えている「ワナ銘柄」には注意。
高配当株の選び方3つの視点
- 安定した業績・キャッシュフロー
例:インフラ、金融、通信業など景気の影響を受けにくい業種。 - 配当性向が無理のない水準
配当性向=配当金÷純利益。50%前後が目安。 - 過去に減配をしていない企業
配当の安定性は企業姿勢に現れます。
初心者〜中級者向け 高配当株おすすめ銘柄【10選+α】
以下、2025年時点の配当利回り(予想)をもとに、長期保有にも適した銘柄をご紹介します。
銘柄名 | 証券コード | 業種 | 配当利回り(予想) | 特徴 |
---|---|---|---|---|
三菱HCキャピタル | 8593 | リース | 約4.5% | 業績安定・連続増配中 |
三井住友FG | 8316 | 銀行 | 約4.6% | 高収益・配当性向も良好 |
日本たばこ産業(JT) | 2914 | 食品 | 約4.8% | 喫煙需要+海外展開 |
住友商事 | 8053 | 商社 | 約4.4% | 資源価格と連動・高実績 |
日本郵船 | 9101 | 海運 | 約5.0% | 配当変動あり・高利回り |
KDDI | 9433 | 通信 | 約3.6% | 安定配当+業績も堅調 |
東京海上ホールディングス | 8766 | 保険 | 約3.9% | 安定収益+海外展開 |
三菱UFJ | 8306 | 銀行 | 約3.8% | 株価も割安水準 |
ENEOSホールディングス | 5020 | エネルギー | 約4.7% | 資源価格に影響されるが高利回り |
オリックス | 8591 | リース・金融 | 約3.9% | 多角化経営で安定感あり |
武田薬品工業 | 4502 | 医薬品 | 約4.1% | グローバルな収益構造 |
1. 三菱HCキャピタル(8593)
- 利回り:約4.5%
- 業種:総合リース
- 特徴:三菱グループ系のリース会社で、連続増配中。設備投資需要の恩恵も。
関連記事:【高配当株】三菱HCキャピタルは安心・堅実なおすすめ銘柄!
2. 日本たばこ産業(2914)
- 利回り:約5.0%
- 業種:食品・たばこ
- 特徴:安定したキャッシュフローと高配当が魅力。海外展開も進む。
3. 住友商事(8053)
- 利回り:約4.5%
- 業種:総合商社
- 特徴:資源価格に左右されやすいが、好業績。増配傾向あり。
4. 三井住友フィナンシャルグループ(8316)
- 利回り:約4.8%
- 業種:銀行
- 特徴:金利上昇局面で業績改善。安定配当と株主還元に積極的。
5. KDDI(9433)
- 利回り:約3.5%
- 業種:通信
- 特徴:安定した通信収入と増配方針。保守的な投資家向け。
6. NTT(9432)
- 利回り:約3.8%
- 業種:通信
- 特徴:安定感抜群。自社株買いも積極的で、トータルリターン高め。
7. 東京海上ホールディングス(8766)
- 利回り:約3.9%
- 業種:保険
- 特徴:グローバルに展開している保険会社。配当性向も安定。
8. ENEOSホールディングス(5020)
- 利回り:約4.7%
- 業種:エネルギー
- 特徴:国内最大級の石油元売。資源価格に影響されやすいが高配当。
9. オリックス(8591)
- 利回り:約4.4%
- 業種:金融・サービス
- 特徴:リース、不動産、保険など多角化経営。個人株主への還元意欲が高い。
10. 日本郵政(6178)
- 利回り:約4.3%
- 業種:運輸・物流・金融
- 特徴:安定事業基盤を持ち、今後の株主還元方針に注目。
+α 注目銘柄(配当利回り4%以上)
- 双日(2768):配当+株主優待の利回りが高く、商社株のなかでも手頃。
- 武田薬品工業(4502):利回り4.5%以上。医薬品大手でディフェンシブ銘柄。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):メガバンク最大手。業績安定。
- 日鉄鉱業(1515):資源系。やや値動きは大きいが利回り高め。
- 小野薬品工業(4528):医薬品大手で財務健全。
関連記事:小野薬品工業(4528)を徹底解説【4%超えの高配当銘柄の実力は?】
+α 注目銘柄(配当利回り3.5%以上)
三菱商事(8058):大手総合商社の一角。資源関連に強い。大型自社株買いも。
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高配当株の組み合わせ戦略
初心者は1〜2銘柄に集中するよりも、業種の異なる銘柄を5〜7銘柄ほど分散保有することをおすすめします。たとえば以下のような組み合わせ:
- 通信(KDDI/NTT)
- 銀行(三井住友FG/MUFG)
- 商社(住友商事/双日)
- インフラ系(ENEOS/オリックス)
- ディフェンシブ(JT/武田薬品)
高配当株投資の始め方
- 証券口座を開設(SBI証券・楽天証券などがおすすめ)
- NISA(成長投資枠)を活用:配当金が非課税に!
- 少額からスタートし、毎月積み立てる感覚で分散購入
関連記事:SBI証券に口座を開設する流れ
まとめ
高配当株投資は、安定収入を得ながら資産形成を目指せる魅力的な手法です。ただし「高利回り=安心」ではないため、企業の財務や業績をしっかり見て判断する必要があります。
まずは信頼できる大型株を中心に分散し、少しずつ投資に慣れていきましょう。あなたの資産形成の第一歩に、高配当株が良き相棒となりますように。