今回は、米国株式市場の過去の暴落を振り返りながら、そこからの回復にどれくらい時間がかかったのか、また暴落時に投資家が気をつけるべきことについて、わかりやすく解説していきます。
「株式投資を始めたばかりで、暴落が不安…」
「これから長期投資をしていきたいけど、何に注意すればいいの?」
そんな方に向けて、実例を交えながら丁寧にご紹介します。
参考記事:株式投資の暴落時に『やるべきこと』と『やってはいけないこと』を解説する
米国株の過去の主な暴落まとめ
まずは、米国株が過去にどんな暴落を経験してきたかを時系列で見ていきましょう。
1929年「世界恐慌」
- 背景:好景気が続いた後、株価がバブルのように膨らみすぎ、金融引き締めも重なって暴落。
- 下落率:ダウ平均が約89%も下落。
- 回復までの期間:実に25年かかりました。(1954年に高値を回復)
1987年「ブラックマンデー」
- 背景:コンピューターによる自動売買が急拡大し、売りが売りを呼ぶパニックに。
- 下落率:ダウ平均が1日で**22.6%**下落。
- 回復までの期間:約2年で回復しました。
2000年「ITバブル崩壊」
- 背景:インターネット関連企業への過剰な期待がはじけた。
- 下落率:ナスダック総合指数はピークから**約78%**下落。
- 回復までの期間:ナスダックの場合、約15年(2015年頃)かかりました。
2008年「リーマンショック」
- 背景:サブプライムローン問題を発端に、大手金融機関が次々と破綻。
- 下落率:S&P500がピークから**約57%**下落。
- 回復までの期間:約4年半で高値を更新。
2020年「コロナショック」
- 背景:新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の急停止。
- 下落率:S&P500が1ヶ月で**約34%**下落。
- 回復までの期間:約半年という異例の速さで回復。
暴落から回復までの期間まとめ
こうして振り返ると、暴落の規模や回復スピードは実にさまざまです。
暴落名 | 下落率 | 回復期間 |
---|---|---|
世界恐慌 (1929年) | 約-89% | 約25年 |
ブラックマンデー (1987年) | 約-23% | 約2年 |
ITバブル崩壊 (2000年) | 約-78% | 約15年 |
リーマンショック (2008年) | 約-57% | 約4年半 |
コロナショック (2020年) | 約-34% | 約半年 |
ここから言えるのは、
- 暴落は必ず起きる
- しかし、多くの場合、時間をかければ回復する
ということです。
とはいえ、暴落中に「あと何年で戻るか」は誰にもわかりません。
回復までの期間が半年で済む場合もあれば、10年以上かかる場合もあることを、あらかじめ理解しておくことが大切です。
暴落時に気をつけるポイント
次に、実際に暴落が起きたときに投資家が注意すべきことをまとめます。
「パニック売り」をしない
暴落時は、どうしても「もうダメだ、全部売ろう」と感情的になりがちです。
しかし、過去の暴落を見ると、底値付近で売った人が最も大きな損失を抱え、持ち続けた人が回復の恩恵を受けているケースが圧倒的に多いです。
焦って売るのではなく、冷静に、長期目線で考えることが重要です。
資金管理をしっかりしておく
投資に回す資金は、すぐに必要ないお金に限るべきです。
暴落時に、生活費を確保するために無理に株を売らざるを得ない状況になると、最悪のタイミングで損切りするリスクが高まります。
「緊急資金はきちんと確保しておく」ことが、暴落に耐える力になります。
定期積立をやめない
暴落時こそ、株式を安くたくさん買えるチャンスです。
定期的に決まった金額を投資している場合(ドルコスト平均法)、暴落中にもしっかり積み立てを続ければ、将来のリターンを高める効果が期待できます。
「価格が下がったから買い続けた人」が、長い目で見れば最も得をするパターンが多いのです。
リスクを取りすぎない
たとえば、株式100%のポートフォリオを持っていると、暴落時のダメージは非常に大きくなります。
自分のリスク許容度に合わせて、債券や現金なども組み入れた分散投資をしておくと、暴落時も心が折れにくくなります。
「自分が暴落でどれだけの損失に耐えられるか」を冷静に把握して、リスクをコントロールしましょう。
まとめ
今回は、米国株式市場の主な暴落と回復について、そして暴落時に気をつけるべきポイントを解説しました。
- 暴落は避けられないが、時間をかければ回復してきた
- 暴落時にパニック売りしないことが何より大事
- 定期積立とリスク管理を徹底しよう
歴史を振り返れば、短期的な下落に一喜一憂するよりも、「続けた人」が最終的に勝っていることがわかります。
あなたも、焦らず、慌てず、長期的な目線で資産形成を続けていきましょう!