この記事はご覧の参考資料をもとに執筆しています。
この記事はRLX Technology Inc. の紹介が目的であり、投資を推奨するものではありません。
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RLX Technology Inc. (RLX)の投資情報
世界最大のタバコ市場を持つ中国で注目されているRLX Technology Inc. (以下、RLX)が米国市場にRLXのシンボル(ティッカー)で上場しました。
RLXのCEOはUber中国事業の責任者だったYing (Kate) Wang氏です。
RLXの株価はIPO上場後に146%までジャンプアップしており、一気に時価総額460億ドル規模の会社に成長しました。2021年に入ってから最大の中国企業の米国株IPOとなっています。
RLXの主力ビジネスはE-Cigaretteと呼ばれる電子タバコの製造販売です。中国では最大の電子タバコメーカーに成長しており、米国預託株式(ADS)でニューヨーク取引証券所にIPOしたため話題となりました。
中国での電子タバコのマーケット
マーケット調査会社China Insights Consultancyによれば、中国での電子タバコの業界規模は2019年に15億ドルを達成しており、2023年には113億ドル(約7倍)にまで成長すると予想されています。
その中でRLXは中国マーケットの62%を確保していると言われています。
中国の電子タバコユーザーに「電子タバコと言えば?」という問いかけに対して67%の人がRLXと答えた調査もあるようです。
2020年に中国政府は電子タバコのオンライン販売を禁止していますが、それでも人気が拡大し続けている背景があります。そもそも中国は世界最大のタバコ産業を持っていると言われており、喫煙者はなんと2億9千万人という試算もされています。
RLXは2018年に創業した若い会社であり、『RELX』というブランドを展開しています。
iQOSなどの電子タバコを先駆けて展開していたアメリカでは、喫煙者人口の32%が電子タバコという試算がされていますが、中国では1%に留まっているようで成長の余幅が多く残されているようです。
現在、13カ国にマーケティングを実施しており、今後もグローバル進出を推し進める様子です。
RLXの成長性
中国国内での成長余地が残されていること、グローバル展開を進めていることを勘定に入れておく必要があります。
2019年から2020年の9ヶ月間の売上高は93%増加しています。
現在300〜400億ドル前後の売上です。昨年に香港市場に上場したSmoore Internationalの売上が1100億ドル前後で、株価がIPOから500%アップしていることを考えると期待できるかもしれません。
RLXの組織図
こちらが組織図となっており、RLX Technology Inc.の親会社はRelx Inc.であることを理解しておくと良いでしょう。
RLXの投資リスクを考える
売上や利益などの財務状況のリスクは当然ありますが、タバコ産業をフィールドにするRLXにはどのような潜在的リスクがあるのか把握しておきましょう。
タバコ産業の潜在的なリスク
- ADR銘柄の米国市場からの排除
- 歴史のない会社であり成長性、安定性の予測が難しい
- 法律によって正常な販売活動ができなくなる可能性
- 電子タバコの長期使用による健康リスク
- 訴訟リスク
- 事業価値の喪失
ADR銘柄の米国市場からの排除
バイデン政権になってからは気にする必要は低くなったものの、中国企業への圧力は依然として強いものがあります。
2021年1月には中国の大手通信企業3社のADR銘柄がニューヨーク取引証券所で取引禁止になっています。
歴史のない会社であり成長性、安定性の予測が難しい
RLXは2018年に企業したスタートアップ企業であり、長い歴史があるわけではありません。現在の業績は好調ですが、それが将来の成長や安定に繋がる保証はありません。
法律によって正常な販売活動ができなくなる可能性
タバコ産業は法律で縛られやすい構造になっています。日本でいうところの『健康増進法』や副流煙に関する『迷惑防止条例違反』に近い法律が先進国では制定されています。
結果的にタバコ産業は上から蓋をされやすいと言われています。
電子タバコの長期使用による健康リスク
電子タバコは健康上のリスクがあるとする医学論文はすでに数多く発表されています。(Google Scholarの検索結果→ e-cigarette effects health)
喫煙者は健康リスクを理解して利用していると考えられますが、既存の葉タバコよりも有害だとする論文もあるため議論が別れるところです。
訴訟リスク
利用していた喫煙者から健康被害に対する訴訟、副流煙の健康被害に対する訴訟、環境汚染に対する訴訟など、タバコ産業は常に集団訴訟のリスクを抱えています。
喫煙者によって公的費用が無駄遣いされているという批判も背景にあるようです。
事業価値の喪失
健康リスクや訴訟リスクが顕在化すると、ブランド価値が喪失する可能性があります。
タバコ産業にはこれ以外に複数の投資リスクが存在しています。
しかし、葉タバコメーカーのJT、アルトリア、フィリップ・モリスなどもこのようなリスクを乗り越えて巨大マーケットを築いてきた歴史があることを忘れてはいけません。
タバコから得られる税収を無視できない国もなかには存在していることは間違いありません。そのような大きな盾を持っているからこそ、厄介がられてもしぶとく成長しているのがタバコ産業の強さかと思います。
まとめ
タバコ産業自体には大きなリスクがありますが、タバコ産業が最大の中国で認知度が高く、成長の余幅がありそうなRLXは投資対象としても面白いかもしれません。
- Uber中国事業の前責任者のYing (Kate) Wang氏がCEO
- 中国での電子タバコの業界規模は2019年に15億ドル、2023年には113億ドルを予測
- 中国は世界最大のタバコ産業を有する
- RLXは中国マーケットの62%を確保
- タバコ産業特有の投資リスクに注意が必要
肝心の製品についてはこちらのレビューから一部抜粋します。
しばらく使ってみた感想
カプセル一つが30元、約450円。これで500口吸えるそうなので、ふつうのタバコ(一本14口)に換算すると一箱あたり252円。そして二日で一箱くらいを吸っている感じ。コスパはかなり良くなった気がする。
飛行機に乗った時にカプセルからオイルが漏れてしまい、けっこうな甘い臭いを撒き散らした。気圧には弱いのかもしれない。
総合的には満足度はかなり高い。
(引用)Note:中国発ハイテク電子タバコ「RELX」を試す