2021年11月15日にバイデン大統領がインフラ法案に大統領署名したことで113兆円規模のインフラ投資が進むことになりました。
Infrastructure(社会基盤設備)はその時の政権の財政出動によって、大きな影響を受ける分野です。
何かしら政治的なニュースを見てインフラ関連の投資に興味を持って、この記事にたどり着いたという読者も多いと思います。
景気刺激策として『インフラ事業』が活用されることが多くあるため、アメリカや日本などの先進国の政局の前後では度々注目されます。
政治の転換点でトレンド化しやすいインフラ分野をETFで包括的に投資するメリットはご覧のとおり。
テーマETFのメリット
- トレンドに乗った投資ができる
- 個別企業の影響を最小限にできる
- 出口戦略が立てやすい
テーマETFで分野ごと投資してしまえば、一社ごとの業績を気にする必要はなくなります。
テーマETFで儲けを出すには、トレンドを把握することが重要です。とはいえ、米国株にはたくさんのインフラETFが上場しています。
一体どのインフラETFがおすすめなの?
そもそもインフラ事業とは一体なに?どんな企業があるの?
このような疑問を解決します。
この記事をひと通り読めば、インフラ関連の投資で必要な知識が身につくはずです。
そのため、この記事の内容はご覧のようにしました。
チャンスを逃さないために準備はお済みですか?
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これらの証券会社の口座を持っておけば、IF30で紹介する米国株はほとんどリーチが可能です。お持ちでない場合は検討してみてください。
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最新の情報は各ファンドのホームページをご覧下さい。
インフラETFの一覧リスト
まずは利用価値のあるインフラファンドETFをサクッと紹介します。
もっとインフラ関連の投資について知りたい人は記事をどんどん読み進めて下さい。
こちらがインフラETFの一覧です。
バイデン政権下で期待されているインフラ再構築。テーマ化する可能性が高いので、米国株に広く分散投資できるインフラETFをまとめました。 $IGF が最大規模ですが豪州を含んでます。米国に集中した $PAVE の人気が上昇。年初来からそこまで高騰していません。#投資#米国株 #投資初心者と繋がりたい pic.twitter.com/GGup0M1JUx
— ほろほろ@テーマETF🇺🇸 (@investfrom30) January 10, 2021
上記のリストに載っていないインフラETFも多数あります。
インフラETFはそこまで長い歴史がありません。とりあえず出来高がある程度あり、流動性に問題がないものを選ぶことをおすすめします。
現時点で読者へ紹介できるのは4つのETFです。
おすすめできるインフラETF(米国上場)
- IGF(iShares Global Infrastructure ETF)
- NFRA(FlexShares STOXX® Global Broad Infrastructure Index Fund)
- PAVE(U.S. Infrastructure Development ETF)
- IFRA(iShares U.S. Infrastructure ETF)
それぞれ見ていきましょう。
IGF(iShares Global Infrastructure ETF)
IGFはBlackRock社が運営するインフラETFで最大規模です。
世界中のインフラ系企業が投資対象になっているため、世界的にインフラ事業に財政出動がされるような場合には有効なETFとなります。日本は投資対象ではありませんので注意が必要です。公共設備や輸送施設への投資割合が大きい特徴があります。
NFRA(FlexShares STOXX® Global Broad Infrastructure Index Fund)
NFRAはNorthern Trust社が運営するETFで、世界中のインフラ企業に投資が可能です。
NFRAはエネルギー施設や通信施設のウェイトが大きい特徴があります。IGFとの違いとして、日本も投資対象になっています。日本を含めてより幅広く投資したい場合に候補となります。
PAVE(U.S. Infrastructure Development ETF)
PAVEはGlabalX社が運営するインフラETFで、米国を広くカバーできます。
2020年のバイデン対トランプの大統領選挙でも米国内のインフラ構築が一つの政治テーマになりました。そのような米国内の政局を利用するために活用できるインフラETFと言えます。
IFRA(iShares U.S. Infrastructure ETF)
IFRAはBlackRock社が運営するインフラETFで、米国を広くカバーできます。PAVEの対抗馬と言えます。
インフラセクターのETFでは珍しく均等加重平均でポートフォリオを組んでいる特徴があります。低位株(小型株)も平等に扱われるため、成長過程では大きな利益をもたらしますが、下落局面ではマイナス幅が大きくなるリスクも意識しましょう。
IFRAは公共設備系の企業が多く含まれる特徴もあります。
インフラファンドETF|そもそも『インフラ』とは?
おすすめのインフラETFをいくつか紹介しました。
ここからはインフラ関連に投資を検討する場合に、知っておくべきことを解説したいと思います。
そもそも『インフラ』とはどのような事業を行っているのでしょうか?
インフラとは?
輸送やエネルギー供給といった社会基盤の構築をすることによって、国や社会の運営を円滑にするもの
つまり人々の生活を支える根本部分を提供するのがインフラ事業ということです。このあたりは、多くの人が共通認識を持っていると思います。
インフラETFの投資先
より詳しい事業内容としては以下のとおりです。
- 道路/鉄道/港湾/航空路/ダム/上下水道/通信/電力などの公共事業
- 学校/病院/公園/福祉施設などの社会事業
- これらに関わる、建設/材料/調査/経理/融資などの企業
広義には大規模な社会インフラの構築を意味します。狭義にはインフラ構築に必要な材料の共有や融資なども『インフラ事業』に含まれてくるようです。
インフラETFを利用すると、上記のような事業を包括的に投資できます。
日本でも年度末に向けて道路の舗装工事が増えると思います。これもインフラ事業の一環ですね。
インフラファンドETFに投資する場合の注意点
インフラETFに投資するときに注意するべき点を事前に理解しておきましょう。
インフラETFに投資するときの注意点
- 政治に影響を受けやすくニュースの後追いは必要
- どの国の割合が多いか確認する
- 出来高による流動性に注意
政治に影響を受けやすくニュースの後追いは必要
インフラ関連の事業は国(政府)や自治体によって予算が捻出されることがほとんどです。
何兆円規模の予算であることが多く、新しいインフラ事業の憶測に多くの投資家が注目します。そのため、熱しやすく冷めやすいセクターだと感じます。
また、大規模なインフラ事業は議会の法案によって通過させる必要があります。与党と野党の駆け引きが展開されるため、「昨日のニュースと雰囲気が180度変わった…!」というどんでん返しも時々発生します。
インフラ事業のニュースはテーマ全体に影響を大きく及ぼします。「インフラ法案が可決した!」という具体的なニュースが出るまではジェットコースターのような相場になります。しかし、具体的なインフラ事業の規模、時期、金額が分かるころには『理想買い現実売り(Buy on Dream, Sell on Reality)』になって相場に織り込まれていることがほとんどです。
インフラ事業のニュースが出れば早い段階で相場に入って、逆指値でリスクを最小化しながら、相場(ニュース)を見守ることが鉄則だと思います。
インフラ事業によって、インフラETFの株価が上昇ピークを迎えたら、そこからは個別のインフラ企業に妙味が出てくるタイミングとも言えます。
これはそのインフラ事業で「どれだけの取り分を確定できたか」という個別企業の勝負があるからです。勝ち企業はしばらくインフラ事業の恩恵を受け続けますが、負け企業はどれだけインフラ事業が盛り上がっても相場を楽しむことは難しいです。
どの国の割合が多いか確認する
インフラETFは米国市場に上場しているものだけでも、多くの種類が存在します。
アメリカ株であれば「アメリカ国内のインフラ関係」と安易に考えるのは危険です。
必ずどの国に対するエクスポージャー(投資の割合)が大きいか事前にチェックするほうが良いと思います。
例えば、アメリカで大規模なインフラ整備の法案が進んでいるのに、アジア圏ばかりの企業で構成されたインフラETFに投資していても意味がありません。
まずは米国への関連度を意識しよう
米国のインフラ事業はとくにテーマ化しやすいです。まずはそれぞれのインフラETFの『米国割合』を理解しておくと投資がしやすくなります。
下記はIF30で調べたおおよその米国割合です。
銘柄 | 米国割合 | 特徴 |
---|---|---|
PAVE | 100% | アメリカ |
IGF | 32% | 世界(日本なし) |
IFRA | 100% | アメリカ |
NFRA | 40% | 世界(日本あり) |
GII | 33% | 世界(日本なし) |
TOLZ | 50% | 世界(日本あり) |
SIMS | 78% | 世界(日本あり) |
VPN | 73% | 世界(データセンターREIT) |
OBOR | – | – |
INFR | 61% | 世界(先進国&新興国) |
GLIF | 47% | 世界(中国8%) |
米国のインフラにフルインベストメントしたいのか?世界中に分散させたいのか?中国や日本の企業にも包括的に投資したいのか?
目的によって選ぶべきインフラETFが変わることがよく分かるかと思います。
出来高による流動性に注意
インフラ事業にETFを活用してトレンド投資をするなら、最有力はご覧のとおりかと思います。
- IGF(iShares Global Infrastructure ETF
- NFRA(FlexShares STOXX® Global Broad Infrastructure Index Fund)
- PAVE(U.S. Infrastructure Development ETF)
- IFRA(iShares U.S. Infrastructure ETF)
これらのETFを中心にインフラ事業に投資を検討することをおすすめします。
クリーンエネルギー関連に特化したインフラETFなども出てきています。「お!面白そう」と感じるものもありますが、インフラETFに関しては上記の4つに出来高が集中しています。
今のところ他のインフラETFは流動性の問題を抱える可能性がゼロではありません。流動性があまりに低いものはマネーゲームの会場になるケースもあり、本来の投資の目的を達成できないリスクがあります。
その他の米国株インフラETFにご興味があれば、ファンドHPをご覧ください。
高値を追うのは危険
建設や重機などの企業が多く含まれるインフラ関連企業は、一般的に『シクリカル株』と考える投資家が多いです。
シクリカル株は景気循環に左右されやすい株式銘柄を指します。インフラ関連のシクリカル株は景気循環の『景気回復期』に大いに恩恵を受けて『景気拡大期』前後でピークになることが一般的です。
そのためシクリカル株は市況が悪い時期に仕込んでおく投資方法が良く取られる分野です。わざわざ下落局面でエントリーするのは素人のやることと感じるかもしれませんが、石油関連などを代表するシクリカル株はこういった手法が取られやすいです。
とはいえ、個人投資家ですと抵抗感もあると思いますので、インフラETFを利用してリスクを減らした投資をおすすめします。
米国市場のインフラETFに投資する方法
最後に米国市場のインフラETFに投資する方法をご紹介します。
日本人の投資家として手軽に利用できるSBI証券とマネックス証券ではIGFのみ投資が可能です。
そのため、IG証券などCFD取引ができるツールも持っておくと海外で人気のPAVE、NFRA、IFRAにも投資ができるようになります。
CFD取引の利点とは?
差金決済取引のCFDは証拠金(口座に入れておく資金)に応じてレバレッジ取引ができます。レバレッジが心配な場合は、投資する株価と同じ資金を口座に入れておけばレバレッジを無くせます。
外国株式の信用売はサービス提供がほとんどされていません。そんな中でCFDなら『売り』からポジションを持つことができます。
テーマ性が無くなったタイミングの下落トレンドで利益を狙うことも可能です。
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バイデン政権でテーマ化しそうなインフラETF
— ほろほろ@テーマETF🇺🇸 (@investfrom30) January 10, 2021
その中の有力候補 $PAVE $IGF $IFRA $NFRA の2年前からの株価成長率です。
米国に広く分散している $PAVE が一人勝ちの状態です。
投資判断はご自身で。私は調整があれば拾っていこうと思ってます。#投資 #米国株 pic.twitter.com/6wzntcQ9WS
バイデン政権下で期待されているインフラ再構築。テーマ化する可能性が高いので、米国株に広く分散投資できるインフラETFをまとめました。 $IGF が最大規模ですが豪州を含んでます。米国に集中した $PAVE の人気が上昇。年初来からそこまで高騰していません。#投資#米国株 #投資初心者と繋がりたい pic.twitter.com/GGup0M1JUx
— ほろほろ@テーマETF🇺🇸 (@investfrom30) January 10, 2021