【第10週】2022年3月7日〜3月11日 米国株ETFの騰落率
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今週は米国のロシア産石油の輸入制限のニュースから原油価格が2008年来の高値を付けたことにより、エネルギーセクターが牽引役になりました。しかし、WTI原油価格がピークを付けた翌日に−12%の下落を見せるなどエネルギー価格の調整が発生しています。
ウクライナ危機により世界経済が減速する可能性から、米国FRBも利上げペースを緩めるのでは?という憶測が広がっていました。しかし、今週に発表された米国CPI(消費者物価指数)は7.9%とインフレ圧力に歯止めがかからない状態が浮き彫りとなりました。FRBの金融引締めは国内のインフレ退治と経済成長の延命という難しい舵取りに迫られています。
インフレーションの加速と同時に賃金上昇が鈍化しているため、スタグフレーションの前兆では?という経済記事も増えてきています。今後は有効求人倍率や新規失業保険などの経済指標の悪化が無いか要注意する必要があるはずです。
景気後退期にピークを迎えやすいエネルギーセクターにそういった傾向が見られます。これはセクターローテーションが発生する可能性を意味すると思います。
セクターローテーションの観点から考えると、次は不況期です。不況期にディフェンシブに働くセクターは製薬やバイオと言われています。そういった背景もあり先日に投稿したこちらの記事のおすすめのETFの優先順位を変更しています。
【第9週】2022年2月28日〜3月4日 米国株ETFの騰落率
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今週はロシアによるウクライナ侵攻が激化したことや解決の糸口が見えないことで、相場全体のボラティリティが上昇しました。相場は非常に不安定です。
ウクライナ南部の原子力発電所への攻撃や、アメリカによるロシアからの石油輸入の制限の憶測などによって原油価格がさらに急進しました。これ以上の急進は世界経済の成長を遅らせる可能性も指摘され始めています。
テーマ別では航空関連が下落に転じています。安全資産とされる米国債に買いが集中したこと、リセッション・リスクの対峙のために、FRBが利上げ幅が0.5ポイントから0.25ポイントにする観測などから引き続きハイテク株やグロース株が急進する場面もありました。
3月4日に発表された雇用統計はコンセンサス予想を大きく超えました。一方で賃金上昇は鈍化しています。これはスタグフレーションの前兆の可能性があります。
キャッシュポジションは引き続き高めが良いと思います。短期投資はボラティリティを利用することでチャンスが多い展開かと思われます。私のSNSでテクニカル分析の投稿を増やしているのはこのためです。